犬は牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品が大好き!
ただ、私たちと同じ感覚で愛犬に食べさせてはいけません。
その理由や注意点を、牛乳・ヨーグルト・チーズの順に確認していきましょう!
牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品を食べていると、愛犬が「自分にもちょうだい!」とおねだりしてくることってありますよね。
しかし、「少しくらいなら・・」と、牛乳やヨーグルトなどを犬に食べさせるのは、ちょっと待って!
人と同じ感覚で、犬にヨーグルトや牛乳などの乳製品を与えると、下痢や嘔吐、肥満など、体に悪影響を与える場合があります。
ただ、正しい方法で与えれば、便秘改善や口臭予防などの健康効果が期待できるので、ポイントを知ることが大切です!
それでは、犬に牛乳・ヨーグルト・チーズを与えるときの量や注意点、健康効果について、くわしく見ていきましょう!
犬は牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品が大好き!
ただ、私たちと同じ感覚で愛犬に食べさせてはいけません。
その理由や注意点を、牛乳・ヨーグルト・チーズの順に確認していきましょう!
目 次
まずは牛乳です。子犬にはミルクを飲ませるイメージがありますが、犬に人用の牛乳を与えてはいけません。
その理由は、つぎの4つです。
●犬に人用の牛乳を与えてはいけない理由
それぞれの理由をくわしく解説します。
犬に牛乳を与えてはいけない1番の理由は、犬は牛乳を飲むと下痢になりやすいからです。
犬は牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する消化酵素(ラクターゼ)が少ないため、牛乳を飲むと乳糖を分解できず、お腹を壊してしまいます。
人でも牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人がいますよね。これも乳糖を上手く分解できないことで起こる、「乳糖不耐症」という同じ症状です。
ちなみに、子犬のうちは母乳に含まれる乳糖を分解するために、消化酵素(ラクターゼ)をある程度持っています。そのため成犬に比べると、子犬は牛乳でお腹を壊しにくいです。
また成犬の場合でも、少量の牛乳を飲ませたくらいでは、下痢を起こすことはありません。
ただ、乳糖を分解する消化酵素は、成長とともに減少していきます。それに愛犬がお腹の弱い体質だと、子犬期や少量の牛乳でも下痢を起こす場合があるので、控えたほうが安全です。
牛乳を加熱しても乳糖は分解されません!生でもホットミルクでも、お腹の弱い子は下痢になるので注意しましょう。
また、牛乳を水で薄めた場合は、摂取する乳糖の量が減るので、そのまま与えるよりはお腹を壊しにくいです。
そのため犬用ミルクでも初めて与える場合は、水で薄めたものを与えて様子を見るのもおすすめです。
子犬は人用の牛乳を与えてもお腹を壊しにくいですが、犬用のミルクを与えるほうが安心です!
2つ目の理由は、牛乳はアレルギーの原因になりやすい食材だからです。
愛犬が牛乳アレルギーだった場合、飲んだ量が少なくても湿疹や皮膚の腫れ、下痢などの症状が起こる危険性があります。
ちなみに牛乳アレルギーは、人用の牛乳だけでなく、犬用の牛乳でも起こる可能性があります。
そのため、犬用のミルクを与える場合も慎重におこなうこと。愛犬のようすに少しでも異変を感じたら、すぐに与えるのを止めましょう。
呼吸が荒い、元気がない、ぐったりしている、けいれんなどの症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
牛乳はタンパク質・脂質を豊富に含んだ、高カロリー食品です。
そのため、少量でも頻繁に与えていると、カロリーの摂りすぎで肥満になりかねません!
とくに日本で人気のトイプードルやチワワなどの小型犬は、人より体が小さいため、私たちが少量だと思う量でも、カロリーオーバーの原因になるので与えすぎには注意しましょう。
犬の肥満の原因は、おやつの与えすぎが大きく影響しています。
そのため、牛乳の与えすぎにも要注意!
肥満のほかにも、ドッグフードを毎日食べている愛犬に牛乳を飲ませていると、栄養過剰により体内の栄養バランスが乱れる恐れがあります。
じつは、一般的なカリカリタイプのドッグフードは「総合栄養食」と呼ばれ、犬の1日に必要な栄養のすべてが摂取できるように調整されています。
そのためドッグフードだけで十分に栄養補給できているのに、さらに牛乳を飲ませると、必要以上に栄養を与えてしまうことになるのです。
栄養も必要以上に摂取すれば、肝臓や腎臓などの臓器に負担がかかったり、血液の成分異常などを引き起こす危険性があります。
生後2ヶ月未満の子犬の食事はミルクが中心ですが、ドッグフードを主食にしている成犬は基本的に牛乳を飲ませる必要はありません!
以上4点が、犬に人用の牛乳を与えてはいけない理由です。
でも、子犬にはミルクを飲ませるよね?
子犬のミルクはどうすればいいの?
そう思った人もいると思います。
それでは、犬が飲んでも安全なミルクについて、くわしく見ていきましょう。
犬が飲んでも安全な牛乳・・それは犬用ミルクです!クッキーやジャーキーなどのおやつに犬用の物があるのと同じく、牛乳も犬用を与えれば問題ありません。
犬用ミルクと人用の牛乳のちがいは、乳糖の配合率。犬用ミルクは人用の牛乳より乳糖が少ないため、乳糖を分解するのが苦手な犬も安心して飲めます。
ちなみに、犬用ミルクと人用の牛乳は栄養成分もちがいます。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」によると、犬用ミルクの栄養バランスはタンパク質33%、脂肪42%、乳糖15%、ミネラル他10%。
それに対して、人用の牛乳の栄養バランスはタンパク質26%、脂肪28%、乳糖40%、ミネラル他6%です。(※製品によって、栄養バランスは多少ちがいがあります)
●環境省:「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」
人用の牛乳に比べると、犬用ミルクは乳糖が少なく、タンパク質や脂質が豊富に含まれています。
犬用ミルクは生後2ヶ月未満の子犬が中心に飲むため、子犬の発育をサポートできるように栄養価が高くなっています。
「犬用ミルクなら、どれを選んでも良いよね」と思いがちですが、離乳前の愛犬に飲ませる場合は、ミルクを慎重に選ばないといけません!
というのも、市販の犬用ミルクは離乳後でないと飲ませてはダメなものが結構あるからです。
そこで、アマゾンで人気の高い犬用ミルクの中から、離乳前から与えて良いものと、離乳後やシニア用のミルクをいくつかご紹介します。
●離乳前から与えてOKな犬用ミルク
●幼犬用ミルク(離乳前の幼犬はNG)
●離乳後の子犬~成犬用
●低脂肪タイプ
肥満が気になる場合は、低脂肪タイプもおすすめです。
●シニア用
高齢犬や老犬には、シニア用ミルクが安心です。
初めて与える場合は、小さじ1/2杯を舐めさせて体に異変がないか様子をみましょう。
その後、少しずつ与える量を増やしていきますが、与え過ぎは肥満の原因です。分量を計り、ミルク分のカロリーをドッグフードから減らして調整しましょう。
冷たいまま与えると、お腹を壊す場合があります!
32~38℃前後に少し温めてから飲ませると、お腹にやさしく安心です。
犬用ミルクのほかには、ヤギミルクもおすすめです。
ヤギミルクは犬が消化しにくい乳糖が少なく、母乳と成分が似ています。そのため下痢を起こしにくく、お腹の弱い愛犬にも安心して与えられます。
またヤギミルクは、牛乳より脂肪球(牛乳に含まれる脂肪の粒子)が1/6と小さいため、消化吸収が良く、アレルギーも起こりにくいです。
そのうえ、心機能を強化するタウリンは牛乳の20倍!その他の栄養もたっぷり含まれているので、幼犬だけでなく食欲が低下した老犬の栄養補給にもおすすめです。
●ヤギミルク(パウダータイプ)
ちなみに、パウダー状はふりかけとしても利用できます。食いつきの悪いフードも、ヤギミルクをかければ愛犬が喜んで食べてくれるかも!?
牛乳の代わりに豆乳を利用している人もいると思いますが、豆乳は大豆が原料なので、大豆アレルギーに注意する必要があります。
大豆アレルギーでない場合は少量を与えても問題ありませんが、愛犬がドッグフードをしっかり食べているなら、無理に与える必要はありません。
なお、愛犬に豆乳を与える場合は、砂糖や塩が含まれていない「無調整豆乳」を選びましょう。
一方の「調整豆乳」は、砂糖や塩分などが含まれているので、犬にはおすすめできません。
ミルクを中心に与えるのは、生後2~3ヶ月頃までです。
その後の食事はドッグフード中心になるので、牛乳や豆乳を毎日与える必要はありません。
つづいて、犬にヨーグルトを与える方法や注意点を見ていきましょう。
牛乳と同じ乳製品でも、ヨーグルトは犬が消化しにくい乳糖が少ないので、犬に食べさせても問題ありません。
与えすぎはダメですが、ヨーグルトは愛犬の体をサポートしてくれる健康食品です。
とくに期待できるのが、便秘・下痢の改善、免疫力アップ、口臭・体臭対策の3つです。
●ヨーグルトの健康効果
それぞれの効果をくわしく解説します。
人でも効果があるように、ヨーグルトは愛犬のおなかの調子を整えてくれる効果があります。
その理由は、ヨーグルトに含まれているビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌です。善玉菌は、腸内環境を悪化させる悪玉菌の働きを抑える働きがあります。
そのため、ヨーグルトで乳酸菌などの善玉菌を体内に取り込むと、腸内は善玉菌が優位となるので腸内環境が改善されるのです。
おなかの調子が良くなるので、便秘や下痢が改善されます。
ヨーグルトで腸内環境が改善されれば、免疫力アップにもつながります。
じつは細菌やウイルスに対抗する免疫細胞は、7割が腸に存在しています。そのため腸内環境が良くないと、免疫力を維持することはできないのです。
ちなみに、高齢犬や老犬は免疫力が低下するだけでなく、腸の動きが鈍くなって便秘も起こしやすくなります。
高齢犬の便秘予防と免疫力アップのためにも、ヨーグルトはおすすめです。
ヨーグルトの整腸作用は、愛犬の口臭や体臭改善にも効果があります。
じつは腸に悪玉菌が増えると、体内に老廃物がたまりやすくなります。老廃物の一部が血管に吸収されて全身をめぐり、口臭や体臭の原因となるのです。
そこで、ヨーグルトで腸内環境を整えてあげると、臭いの原因である老廃物はうんちと一緒に体の外へ。口臭や体臭の原因である老廃物は、体内に溜まりにくくなるのです。
またヨーグルトに含まれる乳酸菌が、口の中のばい菌を殺してくれる効果もあります。
乳酸菌の殺菌効果を利用して、ヨーグルトで歯みがきする方法もあります。
その方法はとてもシンプル。歯みがき粉の代わりに、歯ブラシに少量のヨーグルトをつけて磨くというもの。
歯みがきが苦手なワンちゃんの中には、大好きなヨーグルトで磨かれるなら我慢してくれる場合もあると思います。
ただ、ヨーグルト歯みがきはヨーグルトを与えすぎる場合が多いので、おすすめできません。
愛犬の歯みがきは、犬用の歯みがきペーストやガムを併用するのがベストです。ヨーグルトは歯みがきを頑張ったごほうびとして少量をあげましょう。
我が家の愛犬にも、ヨーグルト歯みがきを試していた時期がありました。
ただ、磨くたびにヨーグルトを追加するので、与えすぎていないか心配に・・。
結局、量を気にしてヨーグルトで磨くより、専用の歯みがきペーストのほうが安心できると思い、ヨーグルト歯みがきは止めました。
現在は、歯みがき後に少量のヨーグルトをごほうびとしてあげています。
ここまでお話したとおり、ヨーグルトは犬にとっても体に良い食品です。ただ、与え過ぎは良くありません。
それでは、犬にヨーグルトを与えるときの注意点とデメリットを見ていきましょう。
ヨーグルトが体に良いとはいえ、好きなだけ食べさせるのは絶対ダメです。注意が必要なポイントは、つぎの3つです。
●犬にヨーグルトを与えるときの注意点・デメリット
1つずつ解説していきます。
ヨーグルトは牛乳が原料なので、牛乳アレルギーの愛犬には与えてはいけません。
また牛乳を与えたことがない愛犬に、はじめてヨーグルトを食べさせるときも牛乳アレルギーに注意しましょう。
小指に少量をのせて、少し舐めさせたら体に異変がないか様子を見ること。嘔吐や体の震えなど、少しでも異変を感じたら与えるのは止めてください。
自分が食べるときのように、冷蔵庫からヨーグルトを出して愛犬にすぐ与えていませんか?ヨーグルトを冷たいまま与えると、下痢を起こす場合があります。
愛犬にはヨーグルトの冷気がある程度なくなってから与えましょう。また、冬は自分が食べる分と一緒に、レンジで数秒温めるのもおすすめです。
便秘や口臭を改善したくても、与え過ぎは健康に逆効果です。とくに小型犬は少量でもカロリーオーバーになりやすいので、肥満に注意すること。
またヨーグルトは、カルシウムやリンなどのミネラルも豊富に含まれていることから、ヨーグルトをあげすぎると尿路結石のリスクが高まることが心配されています。
尿路結石は細菌感染や肥満など、さまざまな要因が影響するため、ヨーグルトの与え過ぎだけで発病する可能性は低いです。
ただ、どんな栄養素も摂り過ぎは健康に良くないので、摂取量はほどほどに抑えておくほうが安心です。
愛犬に与えるヨーグルトの量は、つぎの分量を目安にしてください。
我が家の愛犬(小型犬)は、健康診断でカリウムが多いと診断を受けました。
果物を食べているとカリウムが高くなりやすいようで、毎日与えていたリンゴを控えました。
しかし、リンゴは小指ほどの量しか与えていないのに、それだけでカリウム値が高くなるのか疑問に思い、リンゴと同様に毎日与えていたヨーグルトのカリウム量をチェックしたところ、
同量のりんごと比べると、ヨーグルトのほうがカリウムは多かったのです!(ちなみに、その当時はヨーグルトをスプーン2杯くらいあげてました・・)
すぐにヨーグルトも控えるようにしたら、カリウム値は平均レベルに改善されました。
ワンちゃんは私たちが思っている以上に、少量の食品でも体に影響します。どんな食品も与えすぎには注意しましょう。
ヨーグルトは子犬や老犬に食べさせてもOKです。
ただ、子犬や老犬は消化機能が弱いので、はじめはティースプーン1/3杯くらいの少量で、様子を見ること。
また常温にぬるめて、お腹を冷やさないように気をつけてあげましょう。
犬に与えて良いヨーグルトの種類は、無糖タイプだけ。加糖やいちご、ブルーベリーなどの果物入り、飲むヨーグルトは糖分が多いので、犬にはおすすめできません。
おすすめの無糖ヨーグルトは、つぎの4つです。
●ブルガリアヨーグルト
ヨーグルトの代表といえば、ブルガリアヨーグルトですよね。LB81乳酸菌による整腸作用はトクホ認定もされている、お墨付きのヨーグルトです。
●ビヒダスヨーグルト
ビヒダスは整腸作用の高いビフィズス菌入りのヨーグルトです。じつは市販のヨーグルトはビフィズス菌が含まれていないものがたくさんあります。
ビフィズス菌を取り込むには、ビヒダスがおすすめです。
●小岩井生乳100%ヨーグルト
ご紹介している4つのうち、我が家の愛犬が1番好きなのが、小岩井生乳100%ヨーグルトです。
どのヨーグルトも大好きですが、小岩井生乳ヨーグルトは目を丸くして必死に舐めます。なめらかな口当たりは、私もお気に入りの1品です。
●カスピ海ヨーグルト
トロンとした粘りが特徴なのが、カスピ海ヨーグルト。酸味が少ないので、ヨーグルトが苦手な飼い主さんにもおすすめです。
愛犬に与える量はちょっとだけなので、飼い主さんの好きなヨーグルトを選ぶのがベストです!
さいごは、犬にチーズを与えるときの注意点です。
ヨーグルトや牛乳と同じく、チーズも犬が大好きな食材です。ただ、チーズは塩分や脂肪分が多いので、給与量はきちんと守らないといけません。
人間用のチーズは塩分が多いから与えてはいけないと言いますが、じつは犬用のチーズも人用と同じく塩分や脂肪分が多いものがあります。
ただ、犬用チーズは薄味のものや、1日の給与量が設定されていて与えすぎを予防できるので、犬用のほうがおすすめです。
牛乳アレルギーの愛犬は、チーズを与えてはいけません。
牛乳を飲ませたことがなく、はじめてチーズを食べさせる場合は、指先でつまんだ少量を与えて様子を見ましょう。
アマゾンで人気の犬用チーズをいくつかご紹介します。
粒の小さなものや個包装、スティック状だと、与えすぎの防止にも役立ちそうです。
カロリーや脂肪分が気になる愛犬には、脂肪分を取り除いたカッテージチーズがおすすめです。
お家で簡単に作れるので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
●参考サイト:牛乳で作るカッテージチーズ
犬用チーズで人気のある、ヒマラヤチーズもおすすめです。
ヒマラヤチーズは、ヒマラヤ山脈の高地で育ったヤク(ウシ科の動物)とウシのミルクで作られた、スモークチーズです。
はじめは骨のように硬いので、愛犬のストレス発散にも効果的。あまりにも硬いので一度では食べきることはできず、食べきるのに数週間~1ヶ月ほどかかります。
ただ、ワンちゃんは硬いヒマラヤチーズを食べようと必死に噛みます。そのため、愛犬によっては歯が折れてしまう場合もあります。
高齢犬や老犬には硬すぎるので、成犬の元気なワンちゃんにおすすめです。
犬に牛乳・ヨーグルト・チーズを与える方法と注意点が、お分かりいただけたでしょうか?
ポイントは与えすぎないこと!
牛乳やヨーグルトなどの乳製品に限らず、あげすぎは肥満や体に悪影響を与えるので、指定された給与量をきちんと守りましょう。
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