犬の散歩は食事の前と後、どっち?胃捻転を防ぐには食後何時間あけるの?

犬の散歩は食事の前と後、どっち?胃捻転を防ぐには食後何時間あけるの?

あなたは愛犬の散歩をご飯の前に行っていますか?それとも、ご飯のあとですか?

「食後すぐに散歩させるのは良くないって聞いたから、散歩が先」と、散歩は「ごはんの前」という人もいれば

「空腹のまま運動させると太りやすいって聞いたから、お散歩はご飯をすませてから」と、散歩は「ごはんの後」と考えている人もいますよね。

このように愛犬の散歩の順番は、「食事の前」と「食事の後」の両方の意見があります。

「えっ・・どっちが正解なの?」
「本当はどっちが良いのか、はっきりして欲しい!」

私も2匹のワンちゃんと暮らしているので、ご飯と散歩の順番に両方の意見があること、正直モヤモヤしていました。

そこで、犬の散歩の時間について徹底的に調べてみました。

また実際に、愛犬の散歩の時間を「ごはん前」と「ごはん後」の両方を体験。そのうえで散歩の順番はどちらが良かったか、私個人の経験も入れながらお伝えしていきます。

チェックポイント!

散歩と食事の順番に悩んでいる飼い主さんは、意外に多いです

愛犬の散歩は、ごはんの前か?ごはんの後か・・?

どちらが良いのか、両方のケースを実践した私の体験も踏まえてお伝えします

それではまいります。

犬の散歩はご飯の前と後、どっちが良い?

犬の散歩はご飯の前と後、どっちが良い?

はじめに結論からいうと、愛犬の散歩に行くタイミングは「食事の前」。基本的には、散歩はご飯を与える前に行くことをおすすめします。

その理由は、胃捻転を起こさないようにするため。

じつは食後すぐに散歩などで体を動かしすぎると、「胃捻転(胃拡張胃捻転:いかくちょういねんてん)」という、胃がねじれる病気を起こしやすくなるのです。

胃捻転ってどんな病気?

    胃捻転(胃拡張胃捻転:いかくちょういねんてん)

    胃の中に停滞した液体やガスの増加によって胃が膨らみ(胃拡張)、それと同時に胃がねじれてしまう病気。

    胃捻転は、ショック症状や臓器のうっ血などを引き起こす危険性があります。

    治療が遅れると命に関わるので、下記のような症状が見られる場合は病院にすぐ連れていきましょう。

    ●主な症状

    吐きそうにするが吐き出せない(空おう吐)、大量のよだれ、呼吸が浅く苦しそう、ぐったりして元気がない、お腹がパンパンに膨れる、粘膜が青白くなる、脈が弱くなるなど

    ●原因

    胃の中に液体が溜まったり、ガスが増えることで起こりやすいと考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。

    ただ、ご飯や水の大量摂取、早食い、食後すぐの運動などは、胃捻転のリスクを高めると考えられています。

    ●早めの治療が必要!

    胃捻転になると、胃が風船を膨らましたようにパンパンに膨らみ、周りの臓器を圧迫します。

    また胃がねじれ、胃の中の食べ物やガスを口から吐き出すことも、腸に移動させることもできなくなり、ショック症状を起こします。

    さらに胃の周辺の血管も一緒にねじれるため、治療が遅れると胃や胃の後ろにある脾臓(ひぞう)がうっ血して壊死する危険性があります。

    なお、胃捻転の症状はどんどん進行するため、放置してはいけません。獣医さんに連絡してすぐ病院へ連れていきましょう。

食後すぐに散歩に行ったり、散歩に行かなくても部屋の中で飛んだり走ったりなど体を激しく動かすと、最悪の場合、命を落としてしまう胃捻転を起こす危険性があります。

ですから愛犬の体のためには、食後すぐの散歩は避けたほうが安全です。

とくに大型犬は胸が深い(胸の横幅より縦幅が大きく長い)体型のため、胃捻転を起こしやすい傾向があり注意が必要です。

胃捻転になりやすい犬種

ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ドーベルマン、セントバーナード、グレートデン、ボクサー、ジャーマンシェパード、アイリッシュセッター、スタンダードプードルなど、体重25kg以上の大型犬・超大型犬

ただ、胃捻転は大型犬の発症が多いとはいえ、中型犬や小型犬も起こる場合があります。

胃捻転のリスクを避けるには、どの犬種のワンちゃんも食後すぐの散歩や運動は控えましょう。

また水やご飯の大量摂取、早食いも胃捻転のリスクを高めます。

ドッグフードは与えすぎないように給与量を守り、早食い傾向のワンちゃんには早食い防止のお皿を利用するなど、愛犬が急いでご飯を食べないように注意してあげましょう。

チェックポイント!

食後すぐの散歩は、「胃捻転(いねんてん)」を起こす恐れがあります

胃捻転は、命に関わる危険性の高い病気です

胃捻転のリスクを避けるためにも、散歩は「食事の前」が安心です

しかし、飼い主さんのなかには
「食後すぐの散歩は避けたほうが良いのはわかったけど、どうしても食後にしか散歩が行けない・・」
という場合もあると思います。

それでは食後に散歩に行く場合は、どのくらい時間を空けたら良いのか見ていきましょう。

食後の散歩は、食べてから2時間ほど経ってから

食後の散歩は、食べてから2時間ほど経ってから

食後に散歩へ行く場合は、食後2時間以上経ってからにしましょう。

食後の2時間のあいだに、犬の体内では摂取した食べ物が胃で消化され、小腸へと移動します。

ちなみに犬の体内での消化時間は、胃が約2時間、小腸と大腸がそれぞれ約1時間。

犬種や個体差によって各臓器の消化時間はもう少し長いこともありますが、約4~6時間ほどで食べたものがウンチとなって排泄されます。

犬種や個体差によって各臓器の消化時間はもう少し長いこともありますが、約4~6時間ほどで食べたものがウンチとなって排泄されます。

※参照 http://pet-c.net/qanda/show/id/1301

摂取した食べ物が胃から小腸へ移り、胃の中に食べ物がほとんど残っていない状態になれば、運動しても胃捻転を起こす心配はありません。安心して散歩に出かけてOKです。

ですから食後に散歩に行く場合は、最低でも食後2時間は空けるようにしましょう。

ただ1日の流れから考えると、食後2時間空けてからの散歩は、飼い主さんが1日を自由に動ける休日しか実行できない場合が多いです。

たとえば、平日の朝。
7時に起きてすぐ愛犬にご飯を与えても、散歩に行けるのは9時以降になります。

「もう出社の時間だよ・・」という人はいませんか?

「6時に起きて8時に散歩に行く」と、朝のスケジュールを前倒しにできる人は問題ありませんが、なかなか布団から抜け出せない私には不可能でした・・

また夜7時ごろ帰宅した場合、先に食事を与えると外でしかオシッコやウンチをできないワンちゃんは、さらに2時間トイレを我慢しなければいけません。

また夜7時ごろ帰宅した場合、先に食事を与えると外でしかオシッコやウンチをできないワンちゃんは、さらに2時間トイレを我慢しなければいけません。

じつはこの「トイレ問題」は、我が家の愛犬の話。

私が飼っている愛犬2匹のうち1匹は、限界になるまで家でトイレをしません。

ちなみに我が家は1日3回(朝・昼・夜)散歩に行っていますが、夜7時ごろ仕事から家に戻ると、2日に1回はおしっこシートにオシッコがあります。
家でトイレができる、もう片方の愛犬のです。

となると、「家でトイレができない愛犬もきっとオシッコを我慢しているはず・・」
「そんなソワソワした状態でご飯を食べさせるのは、かわいそう・・」

という思いから、我が家は食後の散歩は向いておらず、帰宅後はすぐに散歩に行きます。

結果、そのほうが愛犬だけでなく、私も焦らずに自分の食事の用意・片付けができています。

ちなみに、我が家の夜の散歩は2部制。
帰宅する7時頃と夜の10時過ぎに行っています。(そのため実質、散歩の回数は1日4回)

帰宅後すぐの散歩は、トイレをさせることが目的なので10~15分程度。夜はストレス発散にもなるように20~30分程度行っています。

また6kg前後の小型犬なので、散歩中はひたすら歩いているわけではありません。休憩をはさみながら、じっくり外を満喫している感じです。

なお、我が家の愛犬とはちがって
「お家でちゃんとトイレできるよー」というワンちゃんの場合は、先に夜ごはんを済ませてから2時間後にお散歩に行っても、もちろんOKです。

チェックポイント!

食後の散歩は、胃での消化が終わる食後2時間を過ぎてからにしよう

ここまでの内容から、愛犬の散歩は食事のあとより食事の前のほうが、胃捻転のリスクがなく、飼い主さんや愛犬への負担が少なくて良いことばかり。

しかし、ご飯の前に散歩に行くと「太りやすくなる」という噂があります。

ご飯の前に散歩に行くと、本当に太ってしまうのでしょうか・・?

ご飯の前に散歩に行くと、太るって本当?

ご飯の前に散歩に行くと、太るって本当?

「ご飯の前に散歩させると、愛犬が太る」っという話を聞いたことはありませんか?

これは愛犬を空腹状態で散歩など運動をさせると、「体がエネルギー不足に陥らないように消費エネルギーをセーブするのではないか」という考えからきています。

さらに消費エネルギーをセーブしている状態で食事を与えると、「体は今後起こるかもしれない空腹に備えて、いつも以上にエネルギーを蓄えようとするのでは」とも考えられています。

このことから食事の前に散歩に行くと、愛犬を肥満にしてしまうのではないかと、一部で心配されているのです。

たしかに空腹状態の愛犬に激しい運動をさせると、体がエネルギー不足に対応しようと消費エネルギーをセーブし、摂取カロリーを体内にたくさん蓄えることは多少あると思います。

しかし愛犬が肥満になる大きな原因は、「食べ過ぎ」です。
「散歩の順番」ではありません。

肥満の1番の原因は、愛犬の1日に必要なエネルギー量以上に、ドッグフードやおやつを与えすぎること。

そのため肥満を予防するには散歩の順番よりも、まず愛犬の食事を管理することのほうが重要です。

なお、市販のドッグフードには1日分の給与量が、体重別に設定されています。

そのため、メーカーが設定した給与量を目安にドッグフードを与えていれば、ほとんどのワンちゃんは肥満を予防できます。

ただし、メーカーが設定した給与量はあくまで目安。

愛犬によっては、メーカーの設定量が多すぎたり少なすぎたりする場合があるので、愛犬の体重や体型をチェックしながら、ドッグフードの量を調節してあげましょう。

チェックポイント!

犬の肥満の主な原因は「食べすぎ」

愛犬に必要なエネルギー量以上に、ドッグフードやおやつを与えすぎることが愛犬を太らせる1番の原因です

肥満を予防するには、「散歩の順番」より「食事管理の徹底」が大切です

ちなみに我が家の2匹の愛犬は、散歩のタイミングを「食事の前」と「食事の後」の両方を体験しています。

その結果、1匹は食事の後に散歩していた頃のほうが体重は軽く、もう1匹は食事の前に散歩している現在のほうが体重は少し軽くなっています。

なお、2匹とも体重は6kg前後とほぼ同じ。肥満ではなく、適正体重の範囲内での変化です。

そして、我が家は現在「食事の前」に散歩をしていますが、「食事の後」に散歩していたのは数年前のこと。

愛犬の年齢はもちろんのこと、食べているドッグフードの種類も今とちがいます。

そのため愛犬の体重変化の原因は、散歩の順番だけの影響ではありません。

とはいえ、2匹が食べているものは常に同じ(犬種も同じ、年齢は1歳差)。

それでも散歩の順番によって反対の影響が出たということは、愛犬の肥満(体重変化)に「散歩の順番」は、それほど影響しないのではないかということです。

愛犬それぞれの体質もあると思いますが、愛犬の肥満に影響するのは「散歩の順番」より「食事の量」。

肥満を予防するなら、食事やおやつの量を徹底的に管理するほうが効果的です。

なお、散歩は食事の前が良いですが、散歩から帰った直後にご飯を与えるのはやめましょう。

散歩でテンションが上り、さらに今からご飯が食べられると興奮している状態だと、早食いして喉につまらせたり胃捻転を引き起こす危険性があります。

散歩でテンションが上り、さらに今からご飯が食べられると興奮している状態だと、早食いして喉につまらせたり胃捻転を引き起こす危険性があります。

散歩から戻ったら5~10分ほど愛犬を落ち着かせ、それからご飯を与えるようにしましょう。

チェックポイント!

食事前の散歩が原因で、愛犬が太ることはありません
肥満の原因は「ご飯やおやつの与えすぎ」です

愛犬に必要なエネルギー量以上に、ドッグフードやおやつを与えすぎることが愛犬を太らせる1番の原因です

また散歩から戻ってすぐの食事はNG
愛犬を落ち着かせてから、ご飯を与えましょう

まとめ

愛犬の散歩の順番は、「ごはんの前」と「ごはんの後」の両方の意見がありますが、食後すぐの運動は胃捻転を起こすリスクが高まります。

そのため愛犬の体のためには、「ごはんの前」に散歩に行くのが安全です。

なお胃捻転は、発症すると数時間で命を落としてしまう危険性があるため、食後すぐの散歩は絶対にやめましょう。

食後に散歩に行く場合は、食事を終えてから2時間以上経ってからにすること。
食後2時間のうちに、胃にある食べ物は消化され小腸へと移動します。

腸へ移動すれば胃捻転を起こす心配はありません。
そのため食後はゆっくり体を休ませて、2時間以上あけてから散歩に出かけましょう。

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