【犬の皮膚病の種類一覧】かゆみ・フケ・脱毛など症状別に解説!

【犬の皮膚病の種類一覧】かゆみ・フケ・脱毛など症状別に解説!

愛犬の肌荒れの原因は!?

「フケが多い」「体をよく?く」「皮膚が赤い」「ニキビのようなできものがある」「毛が薄い」「脱毛がある」など、愛犬の皮膚トラブルに悩んでいませんか?

じつは犬は人よりも皮膚が薄く、肌荒れや皮膚病を起こしやすいです。

また肌荒れを放置すると、炎症が全身に広がって完治できなくなったり、他の犬や飼い主さんに感染する危険性があります。

そこで、犬に多い皮膚病の種類、原因、主な症状、かかりやすい犬種について、一緒に確認しましょう。

チェックポイント!

フケやかゆみ、にきび、湿疹、脱毛、黒ずみなど、犬の皮膚病にはさまざまな症状と原因があります

愛犬に当てはまる皮膚病がないか、さっそく見ていきましょう

それではまいります。

犬の皮膚病の種類

さっそくですが、犬に多い皮膚病(皮膚に症状が出る病気も含む)は、次の11種類です。

それぞれの病気のおもな症状として、かゆみ・フケ・脱毛・赤み(湿疹)の有無、その他の特徴的な症状をあらわしています。

犬に多い皮膚病
かゆみ フケ 脱毛 赤身・発疹 その他
膿皮症 膿が出る
脂漏症
(乾性)
皮膚の乾燥
脂漏症
(湿性)
皮膚のべとつき
体臭が強くなる
毛包虫 皮膚の黒ずみ
ツメダニ症 大量のフケ
かさぶた
皮膚糸状菌症 顔や手足に
発症しやすい
アトピー性
皮膚炎
激しいかゆみ
皮膚の黒ずみ
アレルギー性皮
膚炎
激しいかゆみ
皮膚の黒ずみ
疥癬
(かいせん)
出血・化膿
クッシング
症候群
皮膚の黒ずみ
多飲多尿
甲状腺
機能低下症
皮膚の黒ずみ
元気がなくなる

●・・主な症状
▲・・場合によって現れる、または軽症
-・・症状なし

それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

膿皮症(のうひしょう)

膿皮症は皮膚に常在しているブドウ球菌が異常増殖することで発症する皮膚炎です。

かゆみや中心に膿が溜まる湿疹、脱毛などの症状が見られます。

かゆみや中心に膿が溜まる湿疹、脱毛などの症状が見られます。

引用元:http://hirose-ah.com/

●膿皮症の症状

  • ポツポツとした赤い湿疹
  • 中心に膿(うみ)がたまる発疹(膿疱:のうほう)
  • かゆみ
  • 脱毛
  • 皮膚が臭い
  • かさぶた
  • フケ
  • 赤い湿疹を中心にリング状に抜け毛、皮膚のめくれが見られる
膿皮症の症状

下腹部や内股、背中に発症しやすく、患部のかゆみが気になって愛犬がなめると、それが原因で全身に広がる場合もあります。

湿疹に溜まった膿(うみ)が破裂すると、湿疹を中心にリング状に毛が抜けたり皮膚がめくれることも・・。

また放置していると皮膚に無数の穴が空き、膿から発生するニオイもきつくなります。

●膿皮症の原因
皮膚のバリア機能の低下により、皮膚に常在しているブドウ球菌が増殖することが原因。
増殖したブドウ球菌が皮膚の内部に侵入して、かゆみや炎症を引き起こします。

なお、膿皮症のきっかけとなるバリア機能の低下の原因は、愛犬の年齢や体調、環境などさまざまです。

バリア機能を低下させる原因

年齢(子犬・高齢犬)、栄養不足(とくにビタミンB群)、高温多湿の環境(密な被毛下の皮膚など)、アレルギー、ノミ・ダニ、ホルモン分泌異常、がん、ステロイド剤の長期投与など。

膿皮症にかかりやすい犬種

なお、膿皮症はダックスフントがかかりやすく、肥満犬も発症リスクが高い傾向があります。

●治療方法
抗生剤物質の内服、抗菌・殺菌作用のある薬用シャンプー、バリア機能を整える保湿剤、外用薬などによる治療が必要です。

なお、犬の皮膚は人の1/5~1/6程度の厚みしかなく、さらに犬の肌は細菌が増殖しやすい弱アルカリ性のため、皮膚病を起こしやすいです。

とくに膿皮症は湿気の多い夏に発症しやすいので、月1~2回の定期的なシャンプーや週2~3回のブラッシングで、皮膚や毛の衛生面を守ってあげましょう。

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脂漏症(しろうしょう)

脂漏症は、皮膚の新陳代謝の異常によって、皮脂が過剰分泌されたり皮膚の角化が起こる病気です。

●脂漏症の症状
脂漏症は、皮膚が乾燥する「乾性脂漏症」と皮膚が脂でベタつく「湿性脂漏症」の2タイプあります。

【乾性脂漏症】

  • フケが増える
  • 皮膚の乾燥
  • 毛がパサつく
  • かゆみ
  • 脱毛


【湿性脂漏症】

  • 皮膚が脂っぽく、べたつく
  • フケが増える
  • 体臭がキツくなる
  • かゆみ
  • 脱毛
脂漏症が起こりやすい部位

本来、犬の皮膚のターンオーバー(肌が生まれ変わる日数)は約21日ですが、脂漏症になると5~7日の短期間で肌の代謝がおこなわれます。

その結果、皮脂が異常に分泌されたり、皮膚が次から次に再生されるので古くなった皮膚が大量のフケとして発生することに・・。

古い皮膚がどんどん溜まると、皮膚が硬くなって角化する場合もあります。

なお、手足の指の間やシワの隙間、顔、脇の下、お腹、背中などは重症化しやすく、膿皮症を併発する場合もあり注意が必要です。

●脂漏症の原因
脂漏症の原因は、遺伝による「原発性脂漏症」と細菌感染などの二次的な影響により発症する「続発性脂漏症」があります。

続発性脂漏症の主な原因は、マラセチア菌などの細菌感染、アレルギー、ホルモンの分泌異常、高齢による免疫力の低下、皮膚がんなどです。

●治療方法
続発性脂漏症の場合は、原因となる病気の治療をおこなう必要があります。

また薬用シャンプーや保湿剤などで、皮膚の新陳代謝を正常に整えることも重要。

肌のバリア機能に必要なビタミンB群オメガ6、良質なタンパク質(アミノ酸)、皮膚の炎症を抑えるオメガ3などを積極的に摂取させます。

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毛包虫(ニキビダニ)症

毛包虫(ニキビダニ)症

毛包虫症は、動物の毛穴に寄生するダニの一種「毛包虫(ニキビダニ・アカラス・デモデックスなど)」が、毛穴の中にある毛包の中で異常増殖する病気です。

●毛包虫(ニキビダニ)症の症状

  • 目や口、前足の毛が薄くなる、脱毛する
  • 患部の皮膚が黒くなる(色素沈着)
  • フケ、かさぶたが増える
  • ポツポツした赤い湿疹
  • 顔や前足に症状が出やすい
  • 初期はかゆみの症状なし
  • 完治まで1ヶ月以上の治療が必要
毛包虫(ニキビダニ)症の症状

はじめは、前足や鼻のまわり、顎など体の一部だけでの発症ですが、重症化するとフケやかさぶた、皮膚の黒ずみ、脱毛が全身に広がります。

また別の細菌やカビ(真菌)に感染すると、患部が化膿・出血して命にかかわる場合もあるため、早期発見・早期治療が重要です。

●毛包虫(ニキビダニ)症の原因
毛包虫症の原因は、犬の毛包(毛穴の奥にある毛をつくり出す部分)や皮脂腺に寄生しているニキビダニの異常繁殖です。

ホルモンの分泌異常、若齢や高齢による免疫力の低下、遺伝などの影響から、皮膚のバリア機能が崩れ、それをきっかけに毛包虫が増殖して皮膚に炎症を起こします。

とくに生後3~11ヶ月の子犬は、母乳に含まれる免疫成分がなくなる頃なので注意が必要。
菌への抵抗力が弱いため、成犬より毛包虫症を発症しやすいです。

毛包虫(ニキビダニ)症の原因

なかでも、ウエスト・ハイランド・ホワイトテリア、ボストンテリア、ブルドッグ、シーズーなどの犬種は毛包虫にかかりやすい犬種です。

●治療方法
薬や注射、薬浴でニキビダニを駆除します。しかし、ニキビダニの卵には薬剤が効かないため、最低でも1ヶ月は治療が必要です。

また二次的な細菌感染を起こしている場合は、抗生物質の投与。

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)や甲状腺機能低下症など、ホルモンの分泌異常の影響により免疫力が低下している場合は、その原因の病気の治療も必要です。

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ツメダニ症(ケイレテイラ皮膚炎)

ツメダニ症(ケイレテイラ皮膚炎)は、イヌツメダニの寄生によりフケが大量発生する皮膚病です。

●ツメダニ症の症状

  • 大量の乾いたフケ・かさぶた(とくに背中)
  • かゆみは比較的少ない(多少ある)
ツメダニ症の症状

ツメダニ症は背中に症状が出やすいですが、耳の後ろ、尻尾の付け根、内股、お腹などにも大量のフケが発生します。

ちなみに、ツメダニの大きさは0.3~0.5mmとダニの中では比較的大型のため、フケが動いているように見える場合もあります。

なお、症状はフケやかさぶたの発生が中心で、かゆみは軽度の場合がほとんどです。

子犬は症状がひどくなりやすいですが、成犬はツメダニに感染しても症状が出ない場合も・・。すると感染に気づかないまま、他の犬や人に感染が広がることもあります。

人が感染すると、赤いポツポツとした湿疹の炎症が起こります。

●ツメダニ症の原因
ツメダニ症の原因の多くは、イヌツメダニに感染している犬との接触です。

そのため予防には、感染している犬との接触を避けることが1番ですが、成犬の場合感染しても無症状な場合があるため、ドッグランなどで知らずに接触しているケースもあります。

●治療方法
飲み薬やスポット薬(肩甲骨あたりに液体を垂らす)で、ダニを駆除。また薬浴、薬用シャンプーを使って大量に発生したフケを除去します。

ただ薬剤は卵には効かないため、孵化した卵を駆除するために最低3週間は治療を続ける必要があります。

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皮膚糸状菌症(皮膚真菌症・白癬)

皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)は、カビの一種である真菌(しんきん)が犬の皮膚や毛、爪の根本に寄生して炎症を起こす皮膚病です。

円形の脱毛、フケやかさぶたが発生します。

●皮膚糸状菌症の症状

  • 円形の脱毛
  • フケ
  • 赤い湿疹
  • 皮膚の赤み
  • 顔や手足に症状が出やすい
  • かゆみは少ない
皮膚糸状菌症の症状

皮膚糸状菌症に感染すると、顔や手足の毛がちぎれて円形脱毛ができます。

症状が進行すると、脱毛した部分にフケ・かさぶたの発生、症状が進行すると同じような円形の脱毛が全身にいくつも発生します。

●皮膚糸状菌症の原因
皮膚糸状菌症に感染した犬との接触、土の中に常在している真菌との接触で感染します。

免疫力の低い子犬や高齢犬、病気の犬がかかりやすく、とくに換毛期(かんもうき:毛の生え変わる時期)の感染が多いです。

不衛生な環境では真菌が異常繁殖しやすいので、愛犬の体や家の中の衛生面を高めることが重要。

月1~2回の定期的なシャンプーと、部屋の中はこまめに掃除するように心がけましょう。

●治療方法
抗真菌薬(外用薬・内用薬)、抗菌シャンプー、薬浴による治療。
完治するまでに1ヶ月以上かかる場合がほとんどです。

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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、環境中のホコリや花粉、食品などに免疫機能が過剰反応して皮膚に炎症を起こすアレルギー性の皮膚病の1つです。

●アトピー性皮膚炎の症状

  • 激しいかゆみ
  • 体をなめる、かく、噛む
  • 皮膚の赤み
  • 脱毛
  • 皮膚の黒ずみ
  • 皮膚が硬く、厚くなる
アトピー性皮膚炎が起こりやすい部位

アトピー性皮膚炎は、手足の指の間や耳、脇の下、内股、お腹など、皮膚の柔らかい場所に発症しやすいです。

強いかゆみがあるため、患部をしきりに舐める・かく・噛むしぐさが見られます。その結果、膿皮症など別の皮膚炎を引き起こす場合も・・。

また慢性化すると、皮膚の黒ずみや皮膚が厚く硬くなることもあります。

アトピー性皮膚炎にかかりやすい犬種

アトピー性皮膚炎は、遺伝的な要因が大きく影響しています。

なお、アトピー性皮膚炎にかかりやすい犬種は、柴犬、フレンチブルドッグ、ウエストハイランド・ホワイトテリア、ジャックラッセルテリア、シーズー、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなど。

免疫機能が未熟な子犬の時期に発症しやすいです。

●アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因ははっきりと分かっていませんが、遺伝的な要因が大きく影響しています。

しかし、アトピー性皮膚炎の原因物質は複数(食品、花粉、薬、ホコリ、カビなど)の場合が多く、すべてを特定するのは困難。

なお、皮膚のバリア機能の低下により皮膚が乾燥し、その隙間からホコリや花粉などが皮膚内部に侵入することで炎症やかゆみが増しため、肌を整えることが重要です。

●治療方法
原因物質の特定がむずかしいため、治療はかゆみや皮膚の炎症を抑えることが優先されます。

薬用シャンプーや保湿剤によるスキンケア、アレルゲンが特定されている場合はアレルゲンの除去を徹底します。

また皮膚のバリア機能に必要な栄養素として、ビタミンB群(パントテン酸、コリン、イノシトール、ナイアシン、ヒスチジン)の摂取も欠かせません。

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アレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎のちがいは?

アレルギー性皮膚炎は、特定のアレルゲン(原因物質)によって免疫機能が過剰反応を起こす病気です。

なお、アレルギー性皮膚炎は原因物質によって、「アトピー性皮膚炎」「疥癬(かいせん)」「食物アレルギー」「ノミアレルギー性皮膚炎」など、さまざまな種類があります。

なお、アレルギー性皮膚炎は原因物質によって、「アトピー性皮膚炎」「疥癬(かいせん)」「食物アレルギー」「ノミアレルギー性皮膚炎」など、さまざまな種類があります。

ただ、アレルギー性皮膚炎の中でもっとも発症率が高いのは、原因物質が複数ありアレルゲンを特定しにくい「アトピー性皮膚炎」で、その割合は59%にも及びます。

続いて、「疥癬(かいせん)」が27%、「食物アレルギー」が9%、「ノミアレルギー性皮膚炎」が5%となっています。

アレルギー性の皮膚病の内訳:犬アトピー性皮膚炎と食事

それぞれの特徴は次のとおりです。

●食物アレルギー
牛乳や牛肉、小麦などに含まれる、特定のタンパク質に免疫機能が過剰反応を起こします。

食物アレルギーでは皮膚の赤みやかゆみのほかに、嘔吐や下痢、外耳炎などの症状が見られます。

●ノミアレルギー
犬のお尻や背中に付着したノミが犬の血を吸うことにより、ノミの唾液に含まれるタンパク質にアレルギー反応を起こします。

●吸引性アレルギー
花粉やホコリ、カビを吸引することで、それらに含まれるタンパク質にアレルギー反応を起こします。

※疥癬は次の章で詳しく説明します。

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疥癬(かいせん)

疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニの感染
によって発症する皮膚病です。

発症すると寝られないほど激しいかゆみをともない、体を1日中かくようになります。

●疥癬(かいせん)の症状

  • 激しいかゆみ
  • 脱毛
  • 湿疹
  • 1日中体をかく・噛む・なめる
  • 患部の炎症・かさぶた(かき傷・噛み傷)
  • フケ
疥癬(かいせん)が起こりやすい部位

疥癬(かいせん)は、顔(とくに耳)やお腹、胸、ひじ、かかとに発症しやすいです。

患部は激しいかゆみと脱毛が起こり、犬はしきりに爪で引っかく・噛む・なめることを繰り返すため、出血したり化膿する場合もあります。

●疥癬(かいせん)の原因
疥癬(かいせん)は、犬の皮膚に寄生したヒゼンダニが皮膚にトンネルをつくり、そこに排出したフンや分泌物に反応して、激しいかゆみが起こります。

なお疥癬は感染力が強いため、感染した犬との接触、ブラシ・タオルの共有は避けること。

ただ、ヒゼンダニは潜伏期間が2~3週間あるため、発症する前に感染が広がるケースもあります。

●治療方法
ダニを駆除する薬(飲み薬・塗り薬)、薬浴での治療をおこないます。
ただしダニの卵には薬の効果がないため、数回に分けて薬を投与する必要があります。

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クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)は、副腎から分泌される「コルチゾール(副腎皮質ホルモン)」が過剰分泌される病気です。

左右対称の脱毛や皮膚の黒ずみ、多飲多尿の症状が見られます。

●クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の症状

  • 左右対称の脱毛
  • 皮膚の黒ずみ(色素沈着)
  • 皮膚が薄くなる
  • 毛のパサつき
  • お腹が丸く膨らむ
  • 多飲多尿
  • 食欲が異常に増す
  • 体重が減る
  • 筋肉量の低下
  • かゆみはない
クッシング症候群が起こりやすい部位

クッシング症候群はホルモンの分泌異常の影響により、体の毛が全体的に薄くなったり多飲多尿、お腹が丸く膨らむなどの症状が起こります。

毛のパサつき、脱毛、皮膚の黒ずみは見られますが、かゆみやフケなどの症状はありません。

クッシング症候群にかかりやすい犬種

クッシング症候群は8才以上の高齢期に発症しやすく、犬種ではプードル、ポメラニアン、ダックスフント、ビーグル、ボストンテリアに多いとされています。

●クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の原因・治療
コルチゾール(副腎皮質ホルモン)が過剰分泌される原因は、脳下垂体や副腎の腫瘍、ステロイド剤の投与による影響です。

原因が腫瘍の場合は、手術による治療が必要。

ステロイド剤の長期・多量投与による影響が原因の場合は、ステロイド剤の量を見直す必要があります。

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甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、のどにある甲状腺から「甲状腺ホルモン」が十分に分泌されない病気です。

甲状腺ホルモンの不足によって、脱毛や皮膚の色素沈着、元気がない、寝ている時間が増えるなどの症状があらわれます。

●甲状腺機能低下症の症状

  • 脱毛(とくに鼻の上、しっぽ、お尻)
  • 皮膚の黒ずみ(色素沈着)
  • 寒がりになる
  • 元気がなくなる
  • 食べる量は変わらないのに太った
  • 顔つきがぼんやりする(老ける)
  • 寝ている時間が増える
  • かゆみはない
甲状腺機能低下症が起こりやすい部位

甲状腺ホルモンは体の代謝を促す作用があるため、食べ物の消化・吸収、エネルギーの産生・消費に悪影響が及びます。

その結果、太りやすくなる、元気がない、寝ている時間が増える、毛の生えが遅い、または生えてこないなどの症状が見られます。

甲状腺機能低下症にかかりやすい犬種

なお、甲状腺機能低下症は柴犬やダックスフントなど小~中型犬でも発症しますが、もっとも多いのはゴールデンレトリーバーやボクサー、ドーベルマンなどの大型犬です。

●甲状腺機能低下症の原因
甲状腺機能低下症の主な原因は、甲状腺の抗体が自らを攻撃して機能低下させる自己免疫疾患、原因不明の甲状腺の萎縮の2つ。

また、甲状腺がんやクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)など、別の病気の影響により引き起こされる場合もあります。

●治療方法
甲状腺ホルモンを投与して不足分を補います。

ただし甲状腺機能低下症は完治できないため、甲状腺ホルモンをずっと投与し続けなければいけません。

なお、脱毛の症状の改善には数ヶ月時間がかかります。

以上が、犬に多い皮膚病(皮膚に症状が出る病気)についてです。

まとめ

愛犬の皮膚に異変(かゆみ・フケ・脱毛・ベタつき・赤み・ニキビなど)が出た場合は、何かしらの病気にかかっている危険性があります。

症状が拡大・重症化する前に、早期発見・早期治療が重要です。

また皮膚病を発症しないように、愛犬の体や生活環境をいつも清潔に保つように心がけましょう。

※参考文献
【一般社団法人ペットフード協会・ペットフート販売士認定講習会テキスト】
「犬・猫の体の構造と生理」「犬・猫の栄養に関する基礎知識」より

※参考サイト:皮膚病
※参考サイト:ワンちゃんの病気-発疹がある-

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