
犬がガムを食べたり血が付いてるのは危険!与えっぱなしがダメな理由

「あれっ?さっきあげたガム、もう食べちゃったの!?」
愛犬のストレス発散や歯のケアのために、牛皮ガムや歯みがきガムを習慣的に与えている飼い主さんは多いと思います。
しかし、ガムを与えっぱなしにすると、愛犬がガムを丸呑みしてのどを詰まらせる危険性があります。
また・・
「ガムに血がついてる」「飲み込んだガムは消化される?」
「ガムを与えていれば、歯みがきはいらない?」など
ガムの与え方で気になることがたくさんあります。
それではガムの正しい与え方・注意点について、一緒に確認していきましょう。
ガムは愛犬のストレス発散や歯のケアに効果的!
ただ、ガムは与え方に注意しないと、のどに詰まらせたり歯を傷つけてしまう場合があります
ガムの上手な与え方を一緒に確認していきましょう!
それではまいります。
目 次
どんなタイプのガムを選べばいい?

まずは、犬用ガムの種類を簡単に確認しましょう。
無意識に使い分けている飼い主さんも多いと思いますが、犬用ガムには主に、「牛皮タイプ」と「練りものガム(歯みがきガム)」の2種類があります。
なお、どちらのガムも使用する目的は、愛犬の「ストレス発散」や「歯みがき(歯のケア)」のためです。
ですから、ガムの種類は愛犬の好みや食べ方の癖などに合わせて選んで問題ありません。愛犬にあきさせないように、両タイプのガムを使い分けするのもおすすめです。
それでは、どちらのタイプのガムが愛犬と相性が良さそうなのか、それぞれのガムの特徴を見てみましょう。
犬用ガムの種類
犬用ガムの主な種類は、「牛皮タイプ」と「歯みがきガム(練りものガム)」の2つです。
犬用ガムの主な種類は、「牛皮タイプ」と「歯みがきガム(練りものガム)」の2つです。
●牛皮タイプ
一般的に「犬用ガム」と呼ばれるのは、主原料に牛皮を使用したもの。
骨の形をしたものが一般的です。

牛皮100%だけでなく、小麦粉やミルクフレーバーなど他の食材や材料が含まれているものもありますが、牛皮の素材を活かすように作られているのが特徴。
超小型犬でも噛みやすいSSサイズから、大型犬に対応したLサイズまで大きさがあるので、愛犬にあわせたサイズを選ぶ必要があります。
最初はカチコチに硬いですが、愛犬が噛むうちに柔らかくなってガムの端の結び目がほどけていきます。
ベローンと1枚の状態になるので、一気に飲み込まないように注意が必要です。
●歯みがきガム(練りものガム)
歯みがきガム(練りものガム)の主原料は、製品によってバラバラです。
主原料に細かくした牛皮を使いサクサクした食感が特徴のものや、牛皮を一切使用せずに小麦やゼラチンなどから作られた練りものタイプなどがあります。
ある程度の硬さはありますが牛皮ガムより硬くないので、硬いのが苦手なワンちゃんも食べやすいはず。
ただ、牛皮ガムより添加物が多く使用されているのが残念・・。
保湿剤のプロピレングリコール、保存料のソルビン酸カリウム、増粘多糖類などの添加物の使用が目立ちます。
また原材料には、小麦や大豆をはじめ多くの食材が使用されています。
そのため愛犬に食物アレルギーがある場合は、原材料をしっかり確認するように注意しましょう。
【練りものタイプ】
練りものタイプの歯みがきガムは、「グリニーズ」や「オーラベット」が代表的。
牛皮を使用せず、原材料には小麦やゼラチンなどが使用されています。
はじめはある程度の硬さがありますが、噛んでいくうちにどんどん柔らかくなるので、愛犬が一気に飲み込まないように注意が必要。
飼い主さんが片側を持ったまま、反対側を愛犬に噛ませるように使用すると安心です。
【スティックタイプ】

スティックタイプの歯みがきガムの多くは、細かくした牛皮を主原料に使用しています。
サクサクとした食感と、練りものガムのように弾力のあるタイプの2種類あります。
ちなみに緑色のタイプは、原材料に使用されているクロロフィル(緑の色素)の色です。
与えた直後は、愛犬が自分の手で押さえながらカミカミしますが、短くなると一気に飲み込んでしまう場合があるので注意しましょう。
それぞれのガムの特徴を、何となく分かっていただけたでしょうか。
犬用ガムは「牛皮タイプ」と「練りものタイプ」の2種類
どちらも愛犬のストレス発散や歯みがきを目的とするものなので、愛犬の好みに合わせて使い分けよう!
ガムの種類を確認したつぎは、ガムを安全に与えるための注意点や気になることを見ていきましょう。
ガムを与えるときに気になる4つのこと
ガムの種類のところでも少し触れましたが、ガムを与えるときは愛犬が丸呑みしないように注意しなければいけません。
また飲み込んだガムは体の中でちゃんと消化できるのか、ガムがあれば歯みがきは不要なのかなど、下記のような点が気になります。
ガムを与えるときの注意点・気になること
- ガムを食べる(飲み込む)のは大丈夫?
- 食べてしまったガムは、ちゃんと消化されるの?
- ガムに血がついてる時があるけど、やめさせたほうが良い?
- ガムを噛ませていれば、歯みがきはいらない?
それでは、1つずつ確認していきましょう。
ガムを食べちゃったけど、大丈夫?

「さっきまで必死で噛んでいたのに、ちょっと目を離している間にガムが無くなっている!」
このように、知らない間に愛犬がガムを食べてしまう(飲み込んでいる)ことってありますよね。
ちなみに、犬用のガムは種類(牛皮・練りものタイプ)に関係なく、犬が飲み込んでも良いように作られています。
そのため愛犬がガムを食べること自体は、問題ありません。
ただし、ガムを丸ごと飲み込むのは危険!
はじめはカチコチに硬かったガムも、愛犬がくり返し噛むことでグニャグニャの柔らかい状態になります。
すると、誤ってガムを丸ごと飲み込んでしまい、ノドや食道、小腸に詰まらせる場合があるのです。
ガムの飲み込みに注意!
●のどの詰まりによる呼吸困難
丸ごと飲み込んだガムが喉や食道に詰まり、気道を圧迫したり呼吸困難を起こす危険性があります。
吐き出したくても、唾液などでベタベタになったガムは食道の内壁に付着しやすく、吐き出すことも胃へ落とすこともむずかしい場合も。
愛犬はガムを吐き出したくても上手く吐き出せず、大量のヨダレ・体の震えなどの症状が見られます。
口から吐き出せない場合は、病院で潤滑剤を使用して胃へ落とす処置が必要です。
●腸閉塞
誤って大きなガムを飲み込むと、ガムを消化するために大量の胃酸が分泌されて、急性胃炎を引き起こしたり、それが原因の食欲不振やおう吐などの症状が見られる場合があります。
また飲み込んだガムが胃で十分に消化されないと、小腸で腸閉塞を起こす危険性があります。
なお腸閉塞は、ガムを飲み込んでから発症まで数日経過したあと、急に発症する緊急性の高い病気です。
早急な治療が必要なので、ガムを与えた後日に愛犬に元気がなかったり、食欲低下、おう吐を繰り返す、便秘などの症状が見られる場合は、獣医さんに相談し診察してもらいましょう。
参考サイト:石堂動物病院
以上のような危険性があるので、愛犬にガムを与えたときは絶対に目を離さないこと!
誤ってガムを丸呑みしないように、注意して見守る必要があります。
ガムの丸飲みは危険です!
呼吸困難や腸閉塞を起こさないように、ガムを与えている間は愛犬から目を離さないように注意しましょう
続いては、のどに詰まらせたり消化不良を起こさない【ガムの安全な与え方】について見ていきましょう。
ガムを安全に食べさせるには?

愛犬にガムを安全に与えるには、下記の3点を意識するようにしましょう。
ガムの安全な与え方
・ガムを与えている間は、目を離さない
・ガムの片方を持ったまま、もう片方を愛犬に噛ませる
・柔らかくなった、小さくなったガムは取り上げるか、小さく切って与える
1つずつ詳しく見ていきましょう。
●ガムを与えている間は目を離さない!
まず、愛犬にガムを与えている間は、絶対に目を離さないこと。
愛犬がガムを一気に食べないように、常に見守る必要があります。
●ガムの片方を持ったまま、もう片方を噛ませる
また愛犬に初めて与えるガムや、すぐにガムを飲み込んでしまう癖がある場合は、ガムの片方を飼い主さんが持ったまま、もう片方を愛犬に噛ませるようにして与えましょう。
ちなみに、練りものタイプの歯みがきガム「グリニーズ」は、飼い主さんが片方を持ったまま与えることを推奨しているデンタルガムです。
とくに練りものタイプのガムは、牛皮ガムよりも柔らかくなりやすいので、丸ごと愛犬に与えてしまうのは、飲み込み事故を起こす危険があります。
その点、飼い主さんが片方を持って与えれば誤飲事故の心配もなく、安心です。
なお、愛犬にガムを噛ませるときは、奥歯を中心にガムを噛ませるようにしましょう。

犬は食べるときに42本ある歯の中でも、上の歯の第4前臼歯(きゅうし)と下の歯の第1後臼歯(どちらも奥から数えて3番目の歯)をよく使用すると考えられています。
また奥歯の周辺には唾液の分泌腺があるため、食べカスと唾液が混ざりやすく歯垢(しこう)や歯石が溜まりやすい場所でもあります。
ですから愛犬に歯みがきガムを与える場合は、歯垢・歯石がつきやすい奥歯を中心に噛ませるようにしましょう。
ちなみに牛皮タイプのガムは、愛犬の口に入り切らない一回り大きいサイズだと飲み込む危険がないので安心です。
●柔らかくなった・小さくなったガムの対処法
また愛犬が噛んで柔らかくなったり小さくなったガムは、取り上げるか、さらに細かくしてから与えるようにします。

牛皮ガムはハサミで小さく切って与えると、消化不良を起こしにくく安心です。
練りものタイプの歯みがきガムの場合、細かくできなかったり小さくしても厚みがあって心配な場合は、それ以上与えないようにしましょう。
なお愛犬が噛んでいる途中でガムを取り上げる場合、急に取り上げようとすると愛犬が急いでガムを飲み込んでしまう恐れがあります。
ガムを噛んでいる愛犬に近づくときは、ガムに興味が無いふりをして他のものに気を取らせてサッと取り上げるようにしましょう。
愛犬にガムを与えているときは、常に見守ること!
柔らかくなったガムは飲み込みやすいので、小さく刻んで与えると消化しやすく安心です
また、以上の内容に注意しながら愛犬にガムを与えていると、愛犬の噛んでいるガムに血が付いていることってありませんか?
ガムに血が付いてても、そのまま与え続けて良いのでしょうか?
ひきつづき、見ていきましょう。
ガムに血がついてるけど、そのまま与えて良いの?

私も愛犬が噛んでいるガムに血が付いてるのを初めて見たときは、すごく驚きました。
「このままガムを噛ませて良いの?」
「というか、なんで血が付いてるの・・」
結論からいうと、愛犬が噛んだガムに血が付いていたら歯の健康状態を疑いましょう。
歯茎が炎症を起こしていたり、歯周病を発症している可能性があります。
そもそも、犬の口の中はアルカリ性のため、酸性の環境を好む虫歯にはなりにくい体質です。
しかし、歯周病の原因となる歯石が溜まりやすく、成犬の60~80%以上のワンちゃんが歯周病にかかっていると考えられています。
歯周病になると、歯と歯茎の間に茶色い歯垢(しこう)が溜まって、歯茎が弱くなり炎症を起こしやすくなります。
そのため、ガムの硬さに歯茎が負けて出血してしまうのです。
たまたまガムが歯茎に当たって出血する場合もありますが、歯が茶色く変色していたり口臭があるようであれば、歯周病の疑いがあります。
ガムだけでなく毎日歯みがきをして、出血や口臭がひどい場合は一度病院で診てもらいましょう。
参考サイト:ジャストアンサー
なお、子犬や高齢犬、老犬に硬いガムを与えるのは控えましょう。
また硬いガムを与えすぎると、歯が擦り減ったり折れてしまう場合があります。硬いガムは、愛犬の歯の状態を確認しながら与えるペースを調整しましょう。
ガムに付着した血は、歯の健康に注意するサインです
歯の健康を維持するには、ガムだけでは不十分です
では、どうすれば良いのか、さいごの章で確認しましょう
ガムを与えていたら歯みがきは要らない?

ガムを噛むと、口の中に残った食べカスや歯垢が取り除かれるので、ある程度の歯みがき効果は期待できます。
ただ歯のケア、とくに歯周病の予防には「歯みがき」がもっとも効果的です。
また歯みがきとちがい、ガムは愛犬が食べてしまうので食事以外に余分なカロリーを摂取することになります。
そのためガムを与えたときは、ガムのカロリー分を食事から減らす必要があります。
さらに歯みがきガムは添加物が含まれているものも多く、体に必要ないものを摂取させることは気がかりです。
その点、歯みがきは食べないので、余計なカロリーや添加物を摂取させることなく、飲み込みによる危険性や心配もありません。
このことから、愛犬の歯のケアには歯みがきが1番です。
ストレス発散や歯みがきの苦手な子のケアに、ガムを活用するのは良いことですが、歯のケアはガムだけに頼らず、歯みがきを習慣づけるように心がけましょう。
まとめ
ガムは歯みがきだけでなく、愛犬のストレスの発散にも利用できる便利なアイテムです。
そのためガムが好きな犬も多く、「ガムだよー」と呼びかけるだけで走ってくる愛犬も多いはず。
ただ愛犬が好きで夢中になって食べるからこそ、注意が必要です。
愛犬が丸ごと飲み込まないように、愛犬がガムを噛んでいる間は常に見守ってあげましょう。
また歯のケアは、ガムだけでは足りません。
嫌がるワンちゃんも多いですが、歯みがきも習慣化させるようにがんばっていきましょう。
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