愛犬に魚をあげようと思っても、生食と加熱のどっちが良い?量や魚、体への効果は?と、わからないことが結構ありますよね。
まずは、魚にはどんな健康効果があるのか解説します!
愛犬にお肉や野菜を食べさせたことがある人は多いと思いますが、魚をあげたことってありますか?
じつは魚はお肉と同じくらい、タンパク質が豊富!それに魚には、犬の毛並みや皮膚の健康に欠かせない重要な栄養も含まれているんです!
それでは、犬に魚を与えるときの方法や注意点について、くわしく見ていきましょう。
愛犬に魚をあげようと思っても、生食と加熱のどっちが良い?量や魚、体への効果は?と、わからないことが結構ありますよね。
まずは、魚にはどんな健康効果があるのか解説します!
目 次
魚は私たち人間だけでなく犬の体にも良い食材なので、愛犬に食べさせて問題ありません。
魚が体に良い理由としてあげられるのが、つぎの5つの栄養素です。
●魚に豊富に含まれる栄養素
1つずつ、体への働きを見ていきます。
タンパク質が豊富な食品といえば、お肉のイメージが強いですが、じつは魚もお肉と同じくらいタンパク質が多く含まれています。
また魚とお肉の両方とも約20%のタンパク質が含まれていますが、魚由来のタンパク質は肉由来のタンパク質より、体内で利用される量が多いことが分かっています。
京都府漁業協同組合のデータでは、牛肉よりサケやイワシ、鶏肉よりサンマやマグロ(赤身)のほうが、体内で利用されるタンパク質の量が多いことが確認されています。
また、魚由来のタンパク質は質の高さも大きな魅力です。
魚由来のタンパク質には、犬が健康に生きていくうえで欠かせない必須アミノ酸が、10種類すべてバランス良く含まれているのです。
●必須アミノ酸とは?
アミノ酸は、筋肉や骨、皮膚、毛、血液など、全身の細胞のもととなる重要な成分。
その中でも必須アミノ酸は、食事から補う必要があります。
ちなみに小麦や大豆などの植物性タンパク質は、必須アミノ酸が多くても7~8種類だけしか含まれていません。
つづいて、DHA・EPAの特徴です。
魚には犬の皮膚や毛の健康維持に欠かせない、「DHA」と「EPA」が豊富に含まれています。
DHAとEPAはオメガ3脂肪酸とも呼ばれる油の成分。毛や皮膚に潤いを与え、炎症や乾燥を防ぐ役割があります。
そのため、愛犬の毛並みがパサパサして潤いがなかったり、皮膚が乾燥していたら、DHA・EPA不足の場合も・・。
ちなみにDHAやEPAが豊富な食材は、魚以外では亜麻仁油やえごま油などに限られています。
その点、魚はDHAやEPAを気軽に補えるおすすめの食材です!
魚は、骨や歯を強くするカルシウムも豊富に含まれています。
とくに煮干し(いりこ)などの小魚はカルシウム量が多く、その量は牛乳や豆腐の約20倍です!
ただ、注意が必要なのが煮干しの塩分。
ナトリウムの過剰摂取を防ぐためにも、減塩タイプや塩無添加の煮干しを選んであげましょう。料理に使った後の出汁がらの煮干しも塩分が抜けているのでおすすめです。
また、硬い煮干しは割って与える、もしくは湯通しして柔らかくしたものをあげると、丸飲みしたときに喉に詰まらせる心配がありません。
魚の血合いには、アミノ酸の1つであるタウリンが多く含まれています。タウリンは血圧や血中のコレステロールを正常に戻したり、心機能を高める働きがあります。
脳の発育や視力の維持にも欠かせないため、子犬から老犬のすべてのワンちゃんの健康維持に役立つ栄養成分です。
以上が、犬に魚を食べさせたときに期待できる健康効果です。
ただ、体に良いとはいえ、注意が必要な点もあります。
犬に魚を与える場合は、つぎの4点に注意しましょう。
●犬に魚を与えるときの注意点
詳しい内容を1つずつ解説します。
魚はアレルギーの原因になりにくいため、アレルギー対応フードの主原料としても利用されています。
しかし、アレルギーはタンパク質に反応して起こるため、タンパク質が豊富な魚もアレルギーが起こる危険性があります。
上記のような症状が見られたら、魚を与えるのはすぐに中止してください。
なかでも、元気がない、ぐったりしている、呼吸が苦しそうなどの症状が見られたら、すぐ動物病院へ連れていきましょう。
愛犬にはじめて魚を食べさせる場合は、タイやタラなどの淡白な白身魚がおすすめです。
というのも、サバやイワシなどの青魚より、タラやタイなどの白身魚のほうがアレルギーを起こしにくいと考えられているからです。
ちなみに、なにか1種類の魚にアレルギー反応が出たとしても、すべての魚が食べられないわけではありません。
体に合わないものは与えるのを止めて、ちがう種類の魚を試してみたり、動物病院では食物アレルギーの原因食品を特定する検査も受けられます。
鮮度の落ちた魚はヒスタミン中毒を起こす危険性があるので、愛犬には新鮮な魚を食べさせましょう。
下魚は鮮度が低下するとヒスタミンという物質が増えて、下痢や嘔吐、じんましんなどのアレルギーに似た症状が引き起こされます。
また、ヒスタミンは加熱しても消えたり減ったりしません!
そのため鮮度の悪い魚は生食・加熱調理に関係なく、ヒスタミン中毒が起こる危険性があります。
ちなみにヒスタミン中毒は人でも起こるので、愛犬と一緒に飼い主さん自身も魚は新鮮なものを食べるようにしましょう
犬に生魚を与える場合は、寄生虫のアニサキスに注意が必要です。以前、アニサキスによる食中毒が多発したため、アニサキスのことを何となく知っている人も多いのでは?
アニサキスは魚の内臓に寄生していますが、魚が死ぬと内臓から筋肉部分(魚の身の部分)に移動します。
身の部分に移動したアニサキスに気づかず食べてしまうと、激しい腹痛や嘔吐が引き起こされる場合があります。
アニサキス食中毒を防ぐには、つぎのポイントに注意しましょう。
・アニサキスは目で確認できる寄生虫です!
アニサキスは70℃以上の加熱、またはマイナス20℃で24時間以上冷凍すると死滅します。
愛犬に魚を与える場合は湯通ししてから与えるか、生で与えたい場合は一度冷凍したものを食べさせてあげると安心です。
・アニサキスは目で確認できる寄生虫です!
冷凍保存されていないお刺身などを食べさせたい場合は、魚の切り身を目視で確認すること。
アニサキスは長さ2~3cm、幅0.5~1mmくらいの目で確認できる寄生虫です!魚に白い糸のようなものが付着していないか、しっかりチェックしましょう。
ただ、切り身が大きすぎると、中にアニサキスが潜んでいても見つけられないので、薄く小さく切りましょう。
魚は小骨が多いので、与える場合は骨をすべて取り除く必要があります。
魚の骨が残っていると、犬は食べ物を丸飲みして食べるので、喉に骨が刺さったり内臓を傷つける恐れがあります。
背骨や小骨、尾ヒレなどの硬い部分は、きちんと取りきってから与えましょう。
つぎは、犬に魚を与える量や調理法について見ていきます。
●与える量、加熱or生食について
魚を初めて食べさせる場合はアレルギーのリスクを考えて、ひとつまみ程度の少量を食べさせて異変がないか確認しましょう。
このとき、生食は避けること。
タイやタラなどの淡白な魚を湯通しして、加熱調理したものを食べさせます。なお、塩などの調味料は必要ありません。
慣れたら少しずつ量を増やしたり、ほかの種類の魚も試してみましょう。なお、生食はアニサキスなどの食中毒を防ぐために、一度冷凍保存されたものが安全です。
●骨や皮は食べさせていい?
皮つきの切り身を焼いたり茹でたり調理した場合は、皮も食べさせて問題ありません。念のために、うろこが残っていないかチェックしてから与えると安心です。
生の状態は寄生虫が付着している恐れがあるので、必ず加熱してから与えましょう。
魚の骨は、指でつぶせるほど柔らかく煮込まれた状態であれば与えても良いですが、基本的にはすべて取り除いて与えましょう。
魚が原料の魚肉ソーセージは、調理する手間がなく簡単に食べられるのが魅力です。ただ、人用の魚肉ソーセージを愛犬に与えてはいけません!
魚肉ソーセージは添加物や砂糖、塩分が多く含まれています。また商品によっては、犬が食べてはいけない玉ねぎが使用されているものもあるので、愛犬に与えるのは絶対ダメです。
魚アレルギーの心配がない場合は、いろんな種類の魚を食べさせてあげましょう!とくにおすすめの魚をご紹介します。
●犬におすすめの魚
鮭はドッグフードの原材料にもよく使用されているので、犬も受け入れやすい魚です。
鮭には、犬の皮膚や被毛に欠かせないオメガ3(DHA・EPA)だけでなく、抗酸化成分のアスタキサンチンがたっぷり含まれているので、病気や老化予防にもおすすめです!
塩鮭は塩分が多すぎるので、塩無添加のものを選びましょう。
1章目の魚の栄養素でもお話しましたが、マグロは魚の中でもタンパク質が豊富に含まれています。
とくにマグロの赤身に含まれるタンパク質は、鶏肉や牛肉、豚肉由来のタンパク質より、体内で効率的に利用されます。
タンパク質は、体の成長や健康維持に欠かせない大切な栄養素なので、マグロは子犬から高齢犬のすべてのワンちゃんに食べてほしい魚です!
また、毛並みや肌荒れを改善するDHA・EPA(オメガ3)もたっぷり含まれています。
高級魚の鯛は、魚を初めて食べる愛犬にもおすすめ。淡白なので野菜やお米との相性も良く、手作り食にも利用しやすいです。
脂が多い場合は湯通しして、脂をある程度落としてあげましょう。ちなみに、鯛は天然より養殖のほうが脂は多いです。
タラも鯛と同じく淡白な白身魚なので、魚を食べ慣れていない犬にも受け入れやすいです。
身の中に太い骨が入っている場合があるので、しっかり取り除くこと。また、塩が振られていない、無塩の生タラを湯通しして与えましょう。
カレイも白身魚の1つで、クセがなく食べやすいです。高タンパク・低脂肪とヘルシーなので、肥満気味のワンちゃんにもおすすめ。
小骨が多いので、取りこぼしがないように注意しましょう。
サバやサンマ、アジなどの青魚は、白身魚よりオメガ3(DHA・EPA)が豊富に含まれています。
愛犬の毛並みや肌の状態が悪い場合は、青魚を食べさせてみましょう。
ただ、青魚は白身魚よりアレルギーや好き嫌いが分かれやすいので、ごく少量から試すことを心がけて。
かつお節や煮干しはそのまま食べられるので、ドッグフードのトッピングやおやつにおすすめです。
食欲のないときやフードの食いつきが悪いときなど、フードに振りかけてみて。
ただ、与えすぎは塩分の過剰摂取になるので、かつおぶしはひとつまみ、煮干しは無塩のものを2~3本までにしましょう。
以上が、犬におすすめの魚です。このほかにも愛犬の好みを見ながら、色んな魚を試してみてくださいね。
つづいて、魚を使ったおすすめのレシピやドッグフード、おやつをご紹介していきます!
今与えているドッグフードに、湯通しした魚を少しだけトッピングするだけでも十分ですが、簡単に作れるおすすめのレシピがあります。
●アサリとタラの雑炊
●鮭と白菜のおじや
●鯛のおじや
原材料に魚が使用されている、おすすめのドッグフードを5つご紹介します。
安全性について
人工添加物不使用、ヒューマングレード、タンパク源(チキン・サーモン)、穀物不使用(グレインフリー)
栄養面について
高タンパク、カロリー控えめ、オメガ3高配合、グルコサミン・コンドロイチン配合
安全性について
人工添加物不使用、ヒューマングレード、タンパク源(鶏ささみ・レバー、鹿肉、マグロ)
栄養面について
低カロリー、低脂肪、オメガ3配合、乳酸菌配合
安全性について
人工添加物不使用、ヒューマングレード、タンパク源(牛肉・鶏肉・馬肉・魚)、穀物不使用(グレインフリー)、国産、全年齢OK
栄養面について
高タンパク、高カロリー、安定・持続型ビタミンC配合
安全性について
人工添加物不使用、ヒューマングレード、タンパク源(サーモン・ガルバンゾー)、穀物不使用(グレインフリー)
栄養面について
脂質高め、繊維多め、乳酸菌配合
安全性について
人工添加物不使用、ヒューマングレード、タンパク源(ビーフ・チキン・ラム・ムロアジ)、グルテンフリー
栄養面について
水分量70%、低カロリー、オメガ3配合
魚系の犬用おやつは無添加や無塩、減塩タイプがおすすめです。
●無添加・無塩・国産の秋鮭ジャーキー
●北海道釧路産のひめたら
●まぐろのサイコロステーキ(国産・無添加)
●まぐろけずり(国産・無添加)
犬に魚を食べさせる方法や注意点、おすすめのレシピ・ドッグフードなどをご紹介しました。
魚はワンちゃんの体にも良い食材なので、与える量や鮮度などに注意して、少しずつ食べさせてみて見てください。
また魚を使用したドッグフードなら、調理の手間をかけることなく、魚に含まれる栄養を毎日簡単に補えます。
新しいドッグフードの変更に、ぜひ参考にしてください!
※参考サイト:魚に含まれる栄養素
※参考サイト:服部皮膚科アレルギー科
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