がんやアレルギーのリスクを高める添加物(BHA・BHT・赤102など)が使用されていたり、原材料の品質に関する表示がないなど、不安な点ばかり・・
栄養面も動物由来の「良質なタンパク質」が少なく、食事で補う必要がある「オメガ3」も配合されていません
缶に入ったウェットタイプのドッグフード「ペディグリーチャム」が有名なペディグリーが、小型犬専用に作ったのが「ペディグリーそれいけ!小型犬(成犬用・ビーフ入り)ドッグフード」。
さっそく、安全性や栄養面をチェックしていきましょう!
【 総合評価 】
1 点
目 次
【安全性の評価結果】では、愛犬が毎日安心して食べられるかをチェックし、【栄養バランスの評価結果】では、愛犬に必要な栄養がバランス良く含まれているか分析しています。
それでは、ペディグリーそれいけ!小型犬ドッグフードの「安全性」と「栄養バランス」についてチェックしていきましょう。
ペディグリーそれいけ!小型犬ドッグフードの安全性
チェック項目 | 評価 |
---|---|
人工添加物 | ×使用 |
原料の品質 | ×不明 |
4Dミート | ×不明 |
副産物 | ×不明 |
主原料 | △穀物 |
ペディグリーそれいけ!小型犬ドッグフードの栄養バランスの評価結果
※ベストな数値は健康な成犬の目安です
栄養素 | レベル |
---|---|
カロリー | 標準 |
タンパク質 | やや低い |
脂 質 | 標準 |
粗繊維 | やや高い |
ミネラル 他 | 標準 |
→ 『ペディグリーそれいけ!小型犬の栄養バランス』を詳しく見る
がんやアレルギーのリスクを高める添加物(BHA・BHT・赤102など)が使用されていたり、原材料の品質に関する表示がないなど、不安な点ばかり・・
栄養面も動物由来の「良質なタンパク質」が少なく、食事で補う必要がある「オメガ3」も配合されていません
さらに詳しい内容について、ドッグフードの安全性から見ていきましょう。
ペディグリーそれいけ!小型犬ドッグフードの安全性
チェック項目 | 評価 |
---|---|
人工添加物 | ×使用 |
原料の品質 | ×不明 |
4Dミート | ×不明 |
副産物 | ×不明 |
主原料 | △穀物 |
『安全性の基準』はこちら
添加物
無添加、自然由来の酸化防止剤のみ | |
添加物を使用(要注意の添加物以外) | |
要注意の添加物を使用 |
原料の品質
ヒューマングレード(人が食べられる品質)の表示あり | |
ヒューマングレードの表示なし(副産物不使用) | |
ヒューマングレードの表示なし(副産物使用) |
4Dミート(病気や死んだ家畜の肉)
不使用の表示あり(ヒューマングレード) | |
不使用の表示なし(副産物不使用) | |
不使用の表示なし(副産物使用) |
副産物(○○エキス・○○ミール)
不使用(ヒューマングレードの表示あり) | |
使用(使用した家畜の種類や部位が確認できる) | |
使用(使用した家畜の種類や部位が不明) |
主原料
肉か魚が50%以上、又は第1と第2原料が肉か魚 | |
第1原料が肉か魚で、第2原料は穀物 | |
第1原料が穀物(トウモロコシ、小麦、米) |
ペディグリーそれいけ!小型犬は、安全性を判断する5つのポイント(添加物・品質・4Dミート・副産物・主原料)のすべてが最低評価です。
それぞれの注意点を見ていきましょう。
●添加物
ペディグリーそれいけ!小型犬の原材料には、着色料や酸化防止剤などの人工添加物が使用されています。
着色料(赤102、青2、黄4、黄5)
保存料(ソルビン酸K)
酸化防止剤(BHA・BHT)
pH調整剤
とくに、赤102・黄4などの着色料や酸化防止剤に使用されているBHA・BHTは、大量に摂取するとアレルギーを引き起こしたり、発がんに影響を与える危険性があります。
また、赤・青・黄とたくさんの着色料が使用されていますが、犬の食欲が刺激されるのはフードの色ではなく、「香り・におい」です。
さらに、犬の視覚は赤色を感じられないため、赤や黄色の着色料でドッグフードの見た目を良くしても、愛犬にはまったく意味がありません。
発がん性に影響する添加物(BHA・BHT・赤102など)が使用されています!
また、犬にとって意味のない着色料でドッグフードの見栄えを操作している点もマイナス評価です!
●原材料の品質(4Dミート・副産物)
ドッグフードの安全基準は、ウシやブタなどの家畜のエサを下回る、最低レベルです。
その結果、人間の食品に利用できない傷んだ野菜、4Dミート(病気・死亡した家畜)、羽やひづめまで丸ごと粉砕した副産物(チキンミール・動物油脂など)といった粗悪な材料が使用されている場合があります。
4Dミートや副産物を避けるには、「ヒューマングレード」や「原材料は人も食べられる高品質なものを使用」など、原材料が高品質なフードを選ぶことが大切です。
しかし、ペディグリーそれいけ!小型犬のパッケージには、原材料の品質に関する情報が一切ありません。
さらに、原材料に表示されている「肉類(チキン、ビーフ等)」といった曖昧な表示は、4Dミートや副産物が含まれている可能性が高く、注意が必要です。
大量の添加物や「肉類」などの不明確な材料が、本当に愛犬が喜び、必要としているか、疑問です・・
●主原料
ペディグリーそれいけ!小型犬のパッケージの主原料は、3大穀物のトウモロコシ・小麦・お米。
「ビーフ入り」の表示がありますが、ビーフより穀物が多く配合されています。
また、原材料に配合されている動物性食品は、「肉類(チキン、ビーフ等)」です。
鶏や牛のどの部位が使用されているかわからないため、副産物(内臓や羽、ひづめなどの再利用品)の危険性もあります。
対応年齢・酸化防止対策など
フードの対応年齢 | 成犬用 |
酸化防止剤 | BHA・BHT |
穀物 | トウモロコシ、小麦、米 |
原産国 | タイ |
価格(1袋/1kg) | 511円(税込) |
内容量の種類 | 1kg・2kg |
購入方法 | 公式サイト |
※Amazon参考価格
ペディグリーそれいけ!小型犬は、「成犬用・ビーフ入り」以外に「成犬用・チーズ入り」「成犬用・チキン入り」のほか、子犬用・7歳から・11歳から・体重管理用などがあります。
さまざまな年齢や好みに対応されているのは良いですが、どれも「成犬用・ビーフ入り」と同じく、主原料は穀物で人工添加物もたくさん使用されています。
価格は1kg500円程度とコスパは良いですが、愛犬の健康のためにはおすすめできません。
ちなみに原産国はタイ。ドッグフード先進国のヨーロッパやアメリカではありません。
ペディグリーそれいけ!小型犬には、2種類の粒(キブル)が含まれています。1つはメインのドッグフードで、もう1つはミルクパウダーが配合されたミルク粒です。
それぞれのサイズ、味を確認しましょう!
【実際に私が食べてみた感想】
●におい
メインのフードは、ドッグフードによくあるお肉のにおい
ミルク粒もほぼ同じにおいです
●味
メインのフードは噛むと、すぐに苦味を感じました
その後、口の中がヌル~と油分が残り、後味が悪かったです
ミルク粒は、ミルク感はほとんど感じられませんでした
●質感・硬さ
メインのフードは硬く、ミルク粒はさっくりとすぐ砕けました
危険な材料を赤色、良い材料を緑色でチェックしています。
穀類(とうもろこし、小麦、肉)、肉類(チキン、ビーフ等)、大豆、油脂類(パーム油、大豆油、ひまわり油)、植物性タンパク、タンパク加水分解物、シュガービートパルプ、キシロース、野菜類(にんじん、トマト)、ミルクパウダー、緑茶抽出物、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸)、ミネラル類(亜鉛、カリウム、カルシウム、クロライド、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、リン)、アミノ酸類(グリシン、システイン、メチオニン)、着色料(赤102、青2、黄4、黄5)、保存料(ソルビン酸K)、酸化防止剤(BHA、BHT)、pH調整剤
主原料は犬が消化しにくい穀物で、着色料や酸化防止剤などの添加物も多く使用されています。
また、肉類(チキン・ビーフ等)の曖昧な表示は、4Dミートや副産物などの粗悪な材料が使用されている可能性があります。
ペディグリーそれいけ!小型犬は、毛つや・皮膚・歯などの健康維持に配慮した原材料があるとされています。
ペディグリーが気づかう「健康」とは・・
ひまわり油・・毛つや・皮膚の健康維持
ミルクパウダー・・歯の健康維持
緑茶カテキン・・口臭対策
トマト・・免疫力維持
お米・・消化吸収・健康な便
●オメガ3の配合なし
1つ目のひまわり油は、犬の毛や皮膚に欠かせないリノール酸(オメガ6)が豊富な油です。
ただ、犬の毛や皮膚にはリノール酸のほかにオメガ3も必要ですが、オメガ3は配合されていません。
●犬は乳糖を消化できない
2つ目のミルクパウダーは、歯を強くするカルシウムを補うために使用されています。
しかし、犬は牛乳に含まれる乳糖を消化できません。
フードに配合されている量は少ないので下痢や嘔吐を起こす可能性は低いですが、カルシウムを補うのであれば、乳糖を含まない小魚や海藻などのほうが安心です。
●シュガービートパルプは必要?
また、ビートパルプは砂糖の原料「ビート(サトウダイコン・テンサイ)」の絞りカスのこと。
かさ増し目的で使用される場合もありますが、食物繊維が豊富で腸内環境を整える効果があるので、適量を使用する分には問題ありません。
ただ、ペディグリーそれいけ!小型犬は、主原料に穀物が使用されているので食物繊維は十分に足りているはず・・。
ビートパルプを使用する必要があるのか疑問です。
つづいて、栄養バランスについて見ていきましょう。
ペディグリーそれいけ!小型犬(成犬用・ビーフ入り)のパッケージには、下記の成分表が表示されています。
タンパク質:21.0%以上
脂質:12.0%以上
粗繊維:5.0%以下
灰分:8.0%以下
水分:10.5%以下
代謝エネルギー:370kcal/100g
犬のごはん塾では上記の成分表は使わず、ドッグフードに含まれる水分を差し引いた乾燥重量で栄養バランスをチェックします。
なぜなら、ドッグフードに含まれる水分量は製品ごとにちがうため、水分を抜いた乾燥重量で栄養バランスを確認するほうが、他のドッグフードとのちがいが分かりやすくなるからです。
ちなみに乾燥重量はパッケージに記載されている成分表をもとに、下記の計算式で割り出します。
乾燥重量=栄養素の値÷(100-フードの水分量)×100
ペディグリーそれいけ!小型犬(成犬用・ビーフ入り)の乾燥重量の値を見てみましょう。
ペディグリーそれいけ!小型犬ドッグフードの乾燥重量の成分値
上記の値を「犬のごはん塾が示す栄養バランスの基準」にそって評価すると、下記のような評価結果となります。
ペディグリーそれいけ!小型犬ドッグフードの栄養バランスの評価結果
※ベストな数値は健康な成犬の目安です
栄養素 | レベル |
---|---|
カロリー | 標準 |
タンパク質 | やや低い |
脂 質 | 標準 |
粗繊維 | やや高い |
ミネラル 他 | 標準 |
『栄養バランスの基準』はこちら
カロリー(100gあたり)
タンパク質
脂質
カルシウム
リン
カルシウム:リン比
粗繊維
ナトリウム
マグネシウム
栄養面のポイントを詳しく見ていきましょう。
犬の筋肉や骨、皮膚、毛、ホルモンなど全身の細胞は、タンパク質からできています。
そのため、愛犬にはタンパク質をしっかり摂取させることが大事。そのなかでも重要なのが、タンパク質の「質」です。
肉や魚に含まれるタンパク質には、犬の体に欠かせない「必須アミノ酸」が10種類すべて含まれています。
それに対して、穀物や大豆に含まれる植物性タンパク質には、必須アミノ酸が多くて7~8種類しか含まれていません。
ちなみに、ペディグリーそれいけ!小型犬は主原料が穀物。
パッケージには、「良質なお肉で小型犬が大満足のおいしさ」と表示されていますが、肉の割合が少なく、「良質なタンパク質」を十分に摂取できません。
小型犬は体の大きな犬種に比べて運動量が少ないことから、腸の動きが鈍くなり腸内環境が悪化しやすいです。
しかし、「ペディグリーそれいけ!小型犬」は小型犬専用のドッグフードですが、腸内環境を整える乳酸菌が配合されていないのが残念。
そのほかにも小型犬は骨が細いので、階段やソファなどの段差が足腰の関節に大きな負担を与えます。
しかし、関節成分のグルコサミンやコンドロイチン、関節痛をやわらげるオメガ3など、関節ケアに必要な成分も含まれていません。
「ペディグリーそれいけ!小型犬(成犬用・ビーフ入り)」は、危険な添加物を使用、原材料の品質が不明、小型犬の健康ケア不足と、良い点が1つもありません。
1kg500円程度とコスパだけは良いですが、愛犬にはおすすめできないドッグフードです。
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