【犬の免疫力】免疫力が低下する4つの原因・免疫力を高める5つの方法

【犬の免疫力】免疫力が低下する4つの原因・免疫力を高める5つの方法

愛犬の免疫力を高める方法が知りたい!

「生まれつき体が弱い」「加齢にともない病院に行く回数が増えた」など、愛犬の免疫力の低下が気になっていませんか?

免疫力が低下する原因は、ストレスや食事、肥満などの生活習慣が大きく影響しています。

ですから生活習慣を見直せば、愛犬の免疫力アップもできるのです。

それでは、愛犬にいつまでも元気で長生きしてもらえるように、「免疫力が低下する原因」と「免疫力を高める方法」について、一緒に確認しましょう。

チェックポイント!

免疫力を高めれば、カゼや肌荒れ、ウイルス感染にもかかりにくくなります

まずは、免疫力が低下する原因から見ていきましょう!

それではまいります。

犬の免疫力が低下する原因

犬の免疫力が低下する原因

犬の免疫力が下がる原因は、普段の生活習慣が大きく影響しています。

つぎの「犬の免疫力が低下する4つの原因」に当てはまるものがないか、確認しましょう。

犬の免疫力が低下する原因

  1. ストレス
  2. 食生活の乱れ
  3. 肥満・運動不足
  4. 睡眠不足

詳しい内容を1つずつ見ていきましょう。

【免疫力が下がる原因①】ストレス

【免疫力が下がる原因①】ストレス

愛犬の免疫力を下げる1番の原因はストレスです。

犬は私たちが気にならない些細なことにも、ストレスを感じている場合があります。

例えば、大きい音や光、飼い主さんに激しく怒られる(理解できない注意)、ドッグフードの急な変更、環境の変化(引っ越し・新しいペット)、飼い主さんとのコミュニケーション不足などです。

普段の生活に愛犬がストレスを感じていないか、一度愛犬の目線で家の中や生活環境を振り返ってみましょう。

●愛犬と見つめ合うだけでストレスは軽減できる!

愛犬のストレスを簡単に軽減できる、おすすめの方法があります。

それは愛犬と目を合わせたり、優しく撫でたり声をかけてあげること。

じつは愛犬と見つめ合いながらスキンシップをはかると、飼い主さんと愛犬のどちらにも「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌が促されることが確認されています。

そのため、愛犬だけでなく飼い主さんのストレスも軽減できるのです。

いつでも簡単にできるので、ぜひ今日から試してみてください。

【改善方法①】愛犬と見つめ合い「幸せホルモン」を増やす」でさらに詳しく解説します。

チェックポイント!

免疫力を低下させる1番の原因は「ストレス」です

愛犬がストレスを感じるものがないか、生活習慣を見直してみましょう


【免疫力が下がる原因②】食生活の乱れ

【免疫力が下がる原因②】食生活の乱れ

免疫力の低下は、食事の影響も無視できません。

というのも、免疫細胞の約7割は腸に存在しているため、消化しにくい食事を摂り続けていると、腸に負担がかかり免疫細胞の働きにも悪影響を及ぼすからです。

とくに消化の悪いドッグフードとして注意が必要なのは、次の3点です。

消化の悪いドッグフード

  • 主原料が穀物(トウモロコシ・小麦など)
  • 原材料の品質が悪い・低い
  • 添加物が使用されている

1つずつ見ていきましょう。

犬は穀物(トウモロコシ・小麦・お米)を消化しにくい

犬は穀物(トウモロコシ・小麦・お米)を消化しにくい

犬は肉食中心のオオカミ(犬の祖先)の影響から、肉や魚はスムーズに消化できますが、トウモロコシや小麦などの穀物の消化は苦手です。

そのため主原料に穀物(トウモロコシ・小麦など)を使用したドッグフードでは、肉や魚がメインのドッグフードより腸に余計な負担がかかり、腸に存在する免疫細胞を疲れさせる場合があります。

とくに消化器官の未熟な子犬、体の機能が低下した高齢犬、お腹の弱い愛犬は、穀物を大量に摂取ると消化不良を起こしやすく、注意が必要です。

低品質なドッグフードは消化しにくい

低品質なドッグフードは消化しにくい

また消化の良いドッグフードを選ぶには、原材料の品質にも注意する必要があります。

なぜなら、ドッグフードは原材料の品質によって消化の良し悪しが決まるから。

とくに免疫細胞のもととなるタンパク質は、原材料が低品質だと消化不良を起こしやすく、腸に余計な負担がかかります。

ちなみにドッグフードは、食品で使用禁止の4Dミート(病気・死亡した家畜)、チキンミール・動物油脂などの副産物(食用にならない家畜の内臓・骨・血・羽・ひづめなどを丸ごと粉砕したもの)といった低品質な材料の使用が認められています。

低品質なドッグフードを避けるには、原材料に食用と同じ高品質なものを使用した「ヒューマングレード」のドッグフードを選びましょう。

添加物は少しずつ体内に蓄積する

添加物は少しずつ体内に蓄積する

ドッグフードに含まれる添加物も、腸に負担をかける要因の1つです。

通常、ドッグフードに含まれる添加物は摂取した48時間以内に、約8割以上が尿やウンチと一緒に体外へ排出されます。

また48時間以内に排出されなかった残り2割の添加物も、時間の経過とともに少しずつ排出されます。

ただ、その間も添加物入りのドッグフードを食べ続けていると、48時間以内に排出されなかった微量の添加物が体内にどんどん溜まっていくことに・・。

すると体内に蓄積した添加物を排出しようと、腸が過敏に働いて消化不良を起こしたり涙の量が増えて涙やけが引き起こされるなど、腸の以外にも悪影響が及ぶ危険性があります。

チェックポイント!

免疫細胞のおよそ7割は、腸に存在しています

そのため免疫力を高めるには、消化の良いドッグフードで腸に負担をかけないことが重要です


【免疫力が下がる原因③】肥満・運動不足

【免疫力が下がる原因③】肥満・運動不足

運動不足や肥満によっても、免疫力は低下します。

というのも、肥満になると代謝やホルモン分泌の変化により、熱や痛みを伴わない小さな炎症が体内で慢性的に起こります。それにより免疫力が低下するのです。

なお、肥満によって起こる「慢性炎症」のメカニズムは、次のとおりです。

肥満になると、肥満細胞に脂肪がどんどん溜まっていきます。

すると、脂肪の溜まった肥満細胞を免疫細胞が異物と判断。体の外に追い出そうと攻撃することで、体内に炎症が起こります。

ただ炎症の規模はそれほど大きくなく、熱や痛みを伴うものではありません。

また犬の毛並みや毛艶などの見た目にも異変があらわれないので気づきにくく、肥満が解消されるまで、微弱な炎症が慢性的に起こり続けるのです。

しかし体内では慢性的な炎症により、免疫や代謝、血圧などの全身に悪影響が及び、免疫力が低下していきます。

チェックポイント!

肥満が原因の「慢性炎症」は、肥満を解消しない限り止められません

肥満予防には食事の管理・適度な運動が大切です


【免疫力が下がる原因⑤】睡眠不足

【免疫力が下がる原因⑤】睡眠不足

睡眠不足も免疫力が落ちる原因です。

とくに睡眠と深い関係があるのが、細菌やウイルスの侵入を防御する粘膜免疫の「IgA抗体(免疫グロブリン)」です。

IgA抗体は、睡眠時間を十分に確保できないと分泌量が低下します。

そのため睡眠不足になると、細菌やウイルスなどの感染症にかかりやすくなるのです。

IgA抗体が十分に分泌されるように、愛犬が快適に過ごせる室温管理、光・照明の調整、安心して休める環境をつくってあげましょう。

チェックポイント!

人と同じく愛犬にも十分な睡眠が必要です

愛犬が落ち着いて休める環境を整えてあげましょう

以上が、犬の免疫力を下げる原因です。

つづいて、免疫力を高める方法をチェックしましょう。

犬の免疫力を高める方法

犬の免疫力を高める方法

愛犬の免疫力を高めるには、免疫力を下げる原因の真逆の行動をとること。

具体的には、次の5点を心がけましょう。

犬の免疫力を高める方法

  • 愛犬と見つめ合う
  • 免疫力アップのマッサージ
  • 消化の良いドッグフードを与える
  • 適度な運動・散歩
  • 落ち着ける環境をつくる

1つずつ詳しく見ていきましょう。

【改善方法①】愛犬と見つめ合い「幸せホルモン」を増やす

【改善方法①】愛犬と見つめ合い「幸せホルモン」を増やす

愛犬の免疫力が低下する1番の原因はストレスです。
そのため免疫力を高めるには、ストレスの軽減が欠かせません。

そこで愛犬のストレスを簡単に軽減できるおすすめの方法が、「愛犬と見つめ合うこと」。

以前から犬や猫などのペットと暮らすことで、飼い主さんのストレスが軽減されることは知られていましたが、飼い主さんとのスキンシップは愛犬のストレス軽減効果もあったのです。

愛犬のストレスを減らす方法は、次のとおりです。

●「幸せホルモン」でストレス軽減!

「幸せホルモン」でストレス軽減!

まず愛犬と目を合わせること。

ただ、手を使って無理やり顔を向かせると愛犬がストレスを感じる場合があるので、愛犬が自然に飼い主さんを見ているのがベストです。

愛犬がこちらを見ていたら、必ず目を合わせるようにしましょう。

愛犬と目を合わせるだけで、最初に飼い主さんの「幸せホルモン(オキシトシン)」が分泌されます。

愛犬と目を合わせるだけで、最初に飼い主さんの「幸せホルモン(オキシトシン)」が分泌されます。

愛犬と目を合わせたら、そのままやさしくなでたり声をかけてあげましょう。

すると、今度は愛犬の「幸せホルモン(オキシトシン)」が分泌されるので、愛犬のストレスを減らすことができます。

このように、愛犬と見つめ合いながらスキンシップをはかると、飼い主さんと愛犬のどちらにも「幸せホルモン」が分泌されて、ストレスが軽減できます。

いつでも簡単にできるので、ぜひ今日から試してみてください。

チェックポイント!

愛犬と見つめ合うと、愛犬と飼い主さんのどちらのストレスも解消されます

愛犬がこちらを見つめていたら、ストレス軽減のチャンスです!


【改善方法②】免疫力を高めるマッサージ

免疫力アップのマッサージ

免疫力アップのマッサージ

①背骨のラインを頭からしっぽに向かって、優しくなでる。

②前足の付け根(肩甲骨のあたり)から手の先に向かって、円を描くようにクルクルとなでる。
肉球と水かきは、親指と人差し指ではさみ、やさしく揉む。

③後ろも同じように、腰から足先に向かって円を?くようにマッサージ。
肉球と水かきは、親指と人差し指でやさしく揉む。

眉間から鼻先を指1~2本(人差し指・中指)でなでる。 耳は軽くピーンとなるように、やさしく引っ張る。

④眉間から鼻先を指1~2本(人差し指・中指)でなでる。
耳は軽くピーンとなるように、やさしく引っ張る。

さいごに、全身の皮膚を軽くつかんで持ち上げ、ゆっくり元に戻す。

⑤さいごに、全身の皮膚を軽くつかんで持ち上げ、ゆっくり元に戻す。

※力を入れず、やさしくなでる・掴むがポイントです。

参考サイト:シニア犬のためのマッサージ ~実践編~

愛犬が嫌がる場合は無理におこなわず、コミュニケーションの1つとして愛犬と楽しみながら始めましょう。

【改善方法③】消化の良いドッグフードで腸内環境を整える

免疫細胞の7割は腸に存在するため、腸に負担をかけない消化の良いドッグフードを選ぶことも大切です。

消化に良いドッグフードのポイントは、大きくわけて3つあります。

消化の良いドッグフードのポイント

  1. 主原料が肉、または魚
  2. 腸内環境を整える食材(食物繊維・乳酸菌・オリゴ糖など)配合
  3. 原材料がヒューマングレード

1つずつ見ていきましょう。

主原料が肉、または魚

主原料が肉、または魚

犬は穀物(トウモロコシ・小麦など)より肉や魚のほうが消化しやすいので、ドッグフードは肉か魚がメインのものを選びましょう。

肉や魚は犬がスムーズに消化できるだけでなく、免疫細胞に欠かせない9種の必須アミノ酸(良質なタンパク質)が含まれています。

そのため肉や魚がメインのドッグフードは、腸に負担をかけずに免疫細胞に必要な栄養を摂取できるので、免疫力の維持・アップが期待できます。

腸内環境を整える食材(食物繊維・乳酸菌・オリゴ糖など)配合

腸内環境を整える食材(食物繊維・乳酸菌・オリゴ糖など)配合

免疫細胞の働きを活発にするには、免疫細胞のおよそ7割が存在している腸内環境を整える必要があります。

そのため腸内環境を改善する働きがある、食物繊維が豊富な野菜や果物、海藻、乳酸菌、オリゴ糖などを積極的に摂取させましょう。

ただ、食物繊維を摂り過ぎは便秘や下痢の原因にもなるので、バランス良く摂取すること。

ドッグフードでは、繊維(粗繊維)の量が3~4.5%の栄養バランスで調整されているフードがおすすめです。

原材料がヒューマングレード

原材料がヒューマングレード

原材料の品質が粗悪だと、ドッグフードに含まれる栄養(とくにタンパク質)を十分に消化・吸収できません。

タンパク質の消化不良は、免疫細胞(タンパク質からつくられる)の働きにも悪影響を及ぼして、免疫力を低下させる原因です。

そのためドッグフードに含まれる栄養をしっかり消化・吸収できるように、高品質な原材料で作られたドッグフードを選びましょう。

原材料の品質を見分けるポイントは、「ヒューマングレード」「原材料は食用と同じ品質のみ使用」などの表示です。

チェックポイント!

免疫力を高めるには、「主原料が肉・魚」「繊維量3~4.5%」「ヒューマングレード」のポイントを押さえたドッグフードを選びましょう!


【改善方法④】適度な散歩で肥満を防ぐ!

【改善方法④】適度な散歩で肥満を防ぐ!

免疫力をアップさせるには、適度な運動や散歩も欠かせません。

肥満による慢性炎症を起こさないためにも、愛犬の体質(大型犬・猟犬など)にあわせて運動や散歩をおこないましょう。

また犬の肥満の原因は、食事の与えすぎ(カロリーオーバー)がほとんどです。

そのためご飯やおやつを与えすぎないように、食事管理も徹底しましょう。

【改善方法⑤】愛犬が落ち着くスペースを確保する

【改善方法⑤】愛犬が落ち着くスペースを確保する

愛犬が安心して休めるスペースを確保してあげることは、ストレス軽減や睡眠不足の解消につながります。

日中と夜、夏と冬など時間や季節に応じて、愛犬がよく座っている場所や空間を把握し、愛犬が落ち着けるスペースを確保してあげましょう。

以上が、愛犬の免疫力を高める方法です。

愛犬の免疫力をアップさせるために、ぜひ今日から始めていきましょう。

まとめ

免疫力を高める方法は、いずれも今日からできる簡単なこと・日常の些細なポイントばかりです。

そのため免疫力をいきなりアップさせる即効性はありませんが、毎日続けることで免疫力をじわじわ高めていきます。

ただ免疫力を高めたいからと、しつこく愛犬と目を合わせたり長時間マッサージするのは禁物。

愛犬がストレスを感じて逆効果になる場合もあります。

愛犬と楽しみながら、毎日少しずつ免疫力を上げていきましょう。

※参考文献
【一般社団法人ペットフード協会・ペットフート販売士認定講習会テキスト】
「犬・猫の体の構造と生理」「犬・猫の栄養に関する基礎知識」より

参考サイト:犬の生活習慣病とは
参考サイト:おなかの調子が気になる
参考サイト:肥満は炎症である!?

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