ペットフード販売士が徹底解説!安全なドッグフードを見分ける5つのポイント

ペットフード販売士が徹底解説!安全なドッグフードを見分ける5つのポイント

「愛犬には安全なドッグフードを食べさせてあげたい!」と思っている飼い主さんは多いはず。

しかしドッグフードは、私たちが食べる食品よりも低い基準で作られているって知っていますか?

じつはドッグフードの安全基準は、食品や家畜のエサよりもはるかに低い、最低レベル。食用で使用禁止の添加物や死んだ家畜など、ワンちゃんへの影響が心配なものが使用されているのです。

そこで犬のごはん塾では、安全なフードを見分ける5つのポイントについて、ペットフード販売士が徹底解説します。

さっそく、フードに潜む危険性や注意点について見ていきましょう。

安全なドッグフードを見分けるポイントは?

安全なドッグフードを見分けるポイントは?

安全なドッグフードを見分けるポイントは5つあります。

それは添加物、4Dミート、副産物、原材料の品質、主原料の5つ。この5点に注意すると、安全性の高いフードを選ぶことができます。

安全なフードを見分けるポイント
  • 添加物
  • 4Dミート
  • 副産物
  • 原材料の品質(ヒューマングレード)
  • 主原料

それでは各項目について詳しく見ていきましょう。

添加物はワンちゃんの体に一切必要ない

添加物はワンちゃんの体に一切必要ない

フードに含まれる添加物の影響が心配な飼い主さんは多いはず。

ただ結論からいうと、ドッグフードに使用される添加物がワンちゃんの体に悪影響を与えることはないとされています。

その理由はペットフード安全法により、フードに残留できる添加物の上限が決められているから。

さらに実際にフードに残留する添加物の量は上限値より少ないため、添加物入りのフードを食べてもワンちゃんに危険はないとされています。

しかし法律上は問題ないとはいえ、添加物はできる限り避けたほうが良いです。

その大きな理由は、添加物はワンちゃんの体にまったく必要ないから。添加物の影響があるかどうか以前に、ワンちゃんに添加物は一切必要ありません。

「必要でないものは与えなくて良い」、これが添加物を避けたほうが良い根本的な理由です。

チェックポイント!

ワンちゃんに必要でない添加物は避けるほうが良い

絶対に避けたい添加物は?

絶対に避けたい添加物は?
また大量摂取すると、発がん性やアレルギーなどの体に悪影響を及ぼす危険性がある添加物はとくに注意が必要。

フードに使用されるわずかな量では影響しないとはいえ、ワンちゃんは毎日同じフードを食べ続けるので危険性のある添加物は徹底的に避けるほうが安全です。

そこで犬のごはん塾では、エトキシキンやBHA、BHT、亜硝酸ナトリウムなど、以下6つの添加物を「絶対に避けたい添加物」として考えています。

絶対避けたい添加物

・エトキシキン

・BHA(ブチルヒドロキシアニソール)

・BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)

・没食子酸プロピル

・亜硝酸ナトリウム

・タール系色素(赤色○○号、黄色○○号など)

以上の6つのうち、エトキシキン、BHA、BHT、没食子酸プロピルはフードの酸化を防ぐ酸化防止剤として使用される人工添加物。

いずれも強力な抗酸化作用があり、フードの品質を長期間維持できます。市販のフードでもBHAやBHTを中心によく使用されています。

しかしエトキシキンは食用に使用禁止の添加物。大量摂取すると、発がん性や肝機能障害を引き起こす危険性が毒性を調べる試験で確認されています。

同じくBHAやBHT、没食子酸プロピルも発がんや皮膚炎、脱毛、内臓のうっ血などの悪影響を引き起こす危険性があります。

またフードの見栄えを良くするために使用される、亜硝酸ナトリウムとタール系色素も注意が必要。

亜硝酸ナトリウムは肉や魚に含まれるアミンと結びつくと、発がん性物質のニトロソ化合物へと変化する危険性があります。

もう一方のタール系色素も、がんやアレルギーを誘発させるものがあります。

なお亜硝酸ナトリウムは発色剤、タール系色素は着色料としてフードに使用されますが、フードの見栄えを良くすること自体が無意味。

ワンちゃんは色を感じる細胞が少なく、赤色は灰色にしか見えていません。そのため人の感覚で美味しそうな色に調整しても意味がないのです。

以上のことからワンちゃんの健康のためには無添加、もしくはフードの安全性を確保するために必要な添加物だけが使用されているフードが安全です。

チェックポイント!

ドッグフードは無添加がベスト

危険性の高い添加物(エトキシキンやBHAなど)は絶対に避けよう

次は、危険な原材料といわれる4Dミートについて見ていきましょう。

ドッグフードに使用される4Dミートとは?

ドッグフードは死んだ家畜(4Dミート)が原材料に使用されている

フードに使用される危険な原材料の1つが「4Dミート」。

4Dミートとは病気や死んだ家畜のことで、「死んだ(Dead)」「死にかけ(Dying)」「病気の(Diseased)」「障害のある(Disabled)」の4つの頭文字のDを取ってこう呼ばれています。

4Dミートとは病気や死んだ家畜のことで、「死んだ(Dead)」「死にかけ(Dying)」「病気の(Diseased)」「障害のある(Disabled)」の4つの頭文字のDを取ってこう呼ばれています。

ちなみに、死んだ家畜を私たちが食べる食品に利用することは法律で禁止されています。

ところがペットフードは食品よりも安全基準が低く、死んだ家畜の使用が認められているのです。

なお、死んだ家畜がフードに使用される場合は、肉骨粉(にくこっぷん)などの副産物として使用されるケースがほとんど。

そのためフードの原材料に副産物が含まれているか確認すれば、4Dミート(病気や死んだ家畜)が使用されているかを見分けられます。

それでは、その副産物について詳しく見ていきましょう。

動物油脂やチキンミールなどの副産物とは?

動物油脂やチキンミールなどの副産物とは?

副産物とは4Dミート(死亡家畜)、食用にならない家畜の内臓や骨、血液、ひづめ、羽などから作られる食肉加工製品のこと。

使用される家畜の種類や部位によって、チキンミールやポークオイル、肉骨粉(にくこっぷん)、動物性油脂など色々な種類があります。

使用される家畜の種類や部位によって、チキンミールやポークオイル、肉骨粉(にくこっぷん)、動物性油脂など色々な種類があります。

ちなみに家畜の内臓には、ワンちゃんに必要な栄養が豊富に含まれています。そのため食用にならない部位をドッグフードに使用することに問題はありません。

ただ副産物の多くは内臓だけではなく、家畜の骨や血液、羽、ひづめなどを丸ごと加工処理される場合がほとんど。その中には家畜の糞や尿が含まれるケースもあるといいます。

そのため原材料に副産物が使用されているフードは避けるほうが安全です。

フードの原材料に下記の表示があるものは、死亡家畜や家畜の排泄物が混入している危険性が考えられるので注意しましょう。

副産物の種類

・動物性油脂

・肉骨粉

・加水分解タンパク質

・チキンオイル

・チキンミール

・ポークオイル

・ポークミール

・ビーフオイル

・ビーフミール

・ボーンミール など

次はフードの品質について見ていきましょう。

ヒューマングレードは安全性の重要ポイント

ヒューマングレードは安全なフードの重要ポイント

ドッグフードは食品より安全基準が低く設定されていますが、フードによっては食品と同じ基準で作られる製品もあります。

それは、「ヒューマングレード」のフードです。ヒューマングレードとは、「食用と同じくらいの品質」を意味するペットフード業界の特有の言葉。

ドッグフードの最低レベルの基準ではなく、私たちが食べる食品と同じ高い基準のもと作られます。

そのため食用で使用禁止の添加物や4Dミート(死亡家畜)、副産物は一切使用されません。

また使用される原材料は、私たちでも食べられる高品質のものだけなので愛犬に安心して与えられます。

さらにヒューマングレードのフードの大半が無添加、もしくは自然由来の添加物が最低限使用されている程度。そのため体への影響が不安な添加物を摂取する危険性もありません。

このことから「ヒューマングレード」は、安全なフードを見分ける重要ポイントです。

そのためフードを選ぶときは、「ヒューマングレード」や「原材料は食用と同じ品質のものだけを使用」などの表示があるか、必ずチェックしましょう。

チェックポイント!

ヒューマングレードや

食用と同じ品質の原材料だけを使用のフードを選ぼう

さいごは、フードの主原料についてです。

ワンちゃんは穀物よりも肉や魚が必要な理由

ワンちゃんは穀物よりも肉や魚が必要な理由

安全なフードを見分ける最後のポイントは、フードの主原料です。

おすすめは主原料が肉か魚のフード。反対に主原料にトウモロコシや小麦などの穀物が使用されているフードはおすすめできません。

なぜならワンちゃんは、トウモロコシや小麦などの穀物の消化が苦手だから。

健康なワンちゃんであれば、ドッグフードに含まれる穀物をきちんと消化できますが、子犬やお腹の弱いワンちゃんは消化不良を起こす場合があります。

穀物による消化不良は、涙やけや皮膚の炎症に影響するとも考えられており注意が必要です。

また穀物だけでは、ワンちゃんの体に欠かせない9種の必須アミノ酸を補えません。

それに比べて肉や魚は、ワンちゃんに重要なタンパク質と脂質が豊富。9種の必須アミノ酸もバランス良く含まれています。

このことからワンちゃんに必要な栄養を効率よく補えるのは、主原料に肉や魚を使用したフードです。

チェックポイント
肉か魚が主原料のフードを選ぼう

以上が安全なフードを選ぶポイントです。

ちなみに各フードの紹介記事では、ここまでの内容をもとにフードの安全性を評価しています。

次からは、その評価基準について見ていきましょう。

フードの安全性の評価基準について

フードの安全性の評価基準について

犬のごはん塾では各フードの紹介記事のなかで、安全なフードを見分ける5つのポイント(添加物・原料の品質・4Dミート・副産物・主原料)について、◎、○、△、×で評価しています。

下記は、5つのポイントを評価した結果表です。各フードの紹介記事でも、この表をもとにフードの安全性をひと目でチェックできるようにしています。

フードの安全性の評価結果

チェック項目評価
人工添加物
不使用
原料の品質
4Dミート
不使用
副産物
不使用
主原料肉or魚

上記の表は、安全性がもっとも高い評価結果です。この表のとおり、添加物、品質、4Dミート、副産物の4項目がすべて◎で、主原料が肉か魚のフードがベストです。

それでは各ポイントの評価基準について詳しく見ていきましょう。

【添加物】
◎:無添加、自然由来の酸化防止剤のみ
△:添加物を使用(要注意の添加物以外)
×:要注意の添加物を使用

添加物は一切使用されていない無添加がベストです。

ただフードの酸化を防止する目的として、自然由来の添加物(ビタミンE・ローズマリー抽出物・緑茶抽出物など)が使用されている場合もOKとします。

なお犬のごはん塾では、エトキシキンやBHAを含む以下6つを絶対に避けたい添加物と考えています。

絶対避けたい添加物

・エトキシキン

・BHA(ブチルヒドロキシアニソール)

・BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)

・没食子酸プロピル

・亜硝酸ナトリウム

・タール系色素(赤色○○号、黄色○○号など)

そのため以上の6つのうち、いずれか1つでも使用されているフードは×。以上の6つは不使用でもほかの人工添加物が使用されているフードを△で評価しています。

【原料の品質】
◎:ヒューマングレード(人が食べられる品質)の表示あり
△:ヒューマングレードの表示なし(副産物不使用)
×:ヒューマングレードの表示なし(副産物使用)

ヒューマングレードはフードの品質を見分ける重要なポイント。

「ヒューマングレード」や「人が食べられる原材料だけを使用」などの表示があれば、私たちが食べる食品と同じ基準で作られた安全性の高いフードです。

一方、ヒューマングレードの表示がないフードも安全性は一律ではありません。

安全性のちがいは、原材料に副産物が使用されているかどうか。

副産物は食用にならない家畜の内臓や血液、羽、ひづめ、さらには死んだ家畜をもとに製造される粗悪な材料です。

そのため原材料に副産物(動物性油脂、肉骨粉、チキンミールなど)が使用されているフードは、低品質のフードなので×。副産物を使用していないフードは△としています。

【4Dミート(病気や死んだ家畜の肉)】
◎:不使用の表示あり(ヒューマングレード)
○:不使用の表示なし(副産物不使用)
×:不使用の表示なし(副産物使用)

ドッグフードは原材料に死んだ家畜の使用が認められています。

ただ私たちが食べる食品への使用は禁止されているので、ヒューマングレードの表示があるフードは4Dミートが含まれている危険性はありません。

なお死亡家畜は副産物に加工されたのちに、ドッグフードの原材料として使用されます。

そのため副産物が使用されているフードは×。副産物不使用のフードは4Dミートが含まれていないと判断できるので評価は○です。

【副産物(○○エキス・○○ミール)】
◎:不使用(ヒューマングレードの表示あり)
△:使用(使用した家畜の種類や部位が確認できる)
×:使用(使用した家畜の種類や部位が不明)

副産物は4Dミート(死んだ家畜)のほかに、食用にならない家畜の端切れ肉や内臓、血液、羽、ひづめなどが丸ごと使用されます。

そのため家畜の糞や尿も混入していると考えられる粗悪な材料です。

とくに注意が必要な副産物は、動物油脂や肉骨粉、ミートミールなど原料となる家畜の種類が不明なもの。

さまざまな部位が使用されているので、家畜の排泄物が混入している可能性があります。

一方、家畜の種類や部位が確認できるものはまだまし。しかしヒューマングレードの表示がない場合は4Dミートが使用されている恐れもあるので△の評価とします。

もっとも安全なのは、4Dミートと副産物を使わずに作られるヒューマングレードのフードです。

【主原料】
◎:肉か魚が50%以上、又は第1と第2原料が肉か魚
○:第1原料が肉か魚で、第2原料は穀物
△:第1原料が穀物(トウモロコシ、小麦、米)

肉や魚にはワンちゃんに必要な栄養が豊富に含まれているので、主原料は肉か魚であることが大事です。

また肉や魚の割合も重要で、原材料の50%以上を占めるものがベスト。

なお第1原料が肉でも、第2・第3原料に穀物が使用されていると、肉よりも穀物の割合が多くなる場合があります。

そのため◎の評価は原材料の50%以上が肉か魚、もしくは第1・第2ともに肉や魚が使用されているフード。

第1原料は肉か魚でも、第2原料が穀物のフードは○とします。

一方、第1原料に穀物が使用されているフードは△。ワンちゃんの体質によっては穀物が主原料のフードでも悪くありませんが、おすすめは肉か魚がたっぷり使用されているフードです。

まとめ

安全なドッグフードを選ぶには、ここでご紹介した5つのポイント(添加物・原料の品質・4Dミート・副産物・主原料)に注意しながらフードをチェックしましょう。

ワンちゃんは毎日同じドッグフードを食べ続けるので、飼い主さんが安心して愛犬に与えられる安全なフードを見つけることが大切です。

また各フードの紹介記事に表示している、フードの安全性の評価結果もぜひ参考にしてください。

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