ワイルドレシピは「お肉たっぷり」「高タンパク」「人工添加物不使用」と栄養満点なドッグフードです
【ペットフード販売士が徹底調査】ワイルドレシピの良い点・悪い点がひと目で分かる!成分・材料・本当の評価は?
ワイルドレシピは犬の祖先(オオカミ・イエイヌ)の食事を再現した、超小型犬~小型犬専用のドッグフードです。
最新の栄養学をもとに「肉食中心」「高タンパク」「穀物不使用」を重視したドッグフードは、愛犬の本能をくすぐるのでしょうか?
今回は5種類あるワイルドレシピの中から、メイン食材が珍しい「ワイルドレシピ(サーモン)」の安全性と栄養面をチェックしましょう。
【 総合評価 】
4 点
目 次
ワイルドレシピドッグフードの評価結果
犬のごはん塾では、ドッグフードの評価基準として「安全性」と「栄養バランス」を中心に評価しています。
【安全性の評価結果】では、愛犬が毎日安心して食べられるかをチェックし、【栄養バランスの評価結果】では、愛犬に必要な栄養がバランス良く含まれているか分析しています。
それでは、ワイルドレシピドッグフードの「安全性」と「栄養バランス」をチェックしましょう。
ワイルドレシピドッグフードの安全性
チェック項目 | 評価 |
---|---|
人工添加物 | ◎不使用 |
原料の品質 | ○ |
4Dミート | ◎不使用 |
副産物 | ◎不使用 |
主原料 | ◎サーモン |
- 保存料や着色料などの人工添加物不使用
- グレインフリー(小麦・トウモロコシ・お米不使用)
- 主原料は「高タンパク・低脂肪」なサーモン
ワイルドレシピドッグフードの栄養バランスの評価結果
※ベストな数値は健康な成犬の目安です
栄養素 | レベル |
---|---|
カロリー | やや高い |
タンパク質 | 高い |
脂 質 | 高い |
粗繊維 | 標準 |
ミネラル 他 | 標準 |
- タンパク質32%以上で祖先の食事を再現
- 高カロリー・高タンパク・高脂質で栄養満点
- 関節ケアのグルコサミン・コンドロイチンは配合なし
さらに詳しい内容について、ドッグフードの安全性から見ていきましょう。
ワイルドレシピドッグフードの安全性の評価結果
ワイルドレシピドッグフードの安全性
チェック項目 | 評価 |
---|---|
人工添加物 | ◎不使用 |
原料の品質 | ○ |
4Dミート | ◎不使用 |
副産物 | ◎不使用 |
主原料 | ◎サーモン |
『安全性の基準』はこちら
添加物
無添加、自然由来の酸化防止剤のみ | |
添加物を使用(要注意の添加物以外) | |
要注意の添加物を使用 |
原料の品質
ヒューマングレード(人が食べられる品質)の表示あり | |
ヒューマングレードの表示なし(副産物不使用) | |
ヒューマングレードの表示なし(副産物使用) |
4Dミート(病気や死んだ家畜の肉)
不使用の表示あり(ヒューマングレード) | |
不使用の表示なし(副産物不使用) | |
不使用の表示なし(副産物使用) |
副産物(○○エキス・○○ミール)
不使用(ヒューマングレードの表示あり) | |
使用(使用した家畜の種類や部位が確認できる) | |
使用(使用した家畜の種類や部位が不明) |
主原料
肉か魚が50%以上、又は第1と第2原料が肉か魚 | |
第1原料が肉か魚で、第2原料は穀物 | |
第1原料が穀物(トウモロコシ、小麦、米) |
ワイルドレシピドッグフードの安全性は?
ワイルドレシピは、安全性を判断する5つの条件(添加物・品質・4Dミート・副産物・主原料)をほぼクリアしています。
それぞれのポイントを1つずつ見ていきましょう。
●添加物
ワイルドレシピの原材料には、保存料や着色料などの人工添加物は一切使用されていません。
- 保存料
- 着色料
- 香料
- 防腐剤
- 防カビ剤
- 増粘剤
- 保湿剤
- 発色剤
- 酸化防止剤(BHT・BHA)
- H調整剤
これらの添加物の中には、大量摂取するとアレルギーやがんに悪影響を与える危険なものがあります。
また小型犬に多い涙やけは、体内に蓄積した添加物が涙管(涙の通る道)に詰まったり、添加物を体の外へ追い出そうと涙の量が増えることが要因の1つとして考えられています。
そのため愛犬の健康を守るには、添加物は摂取させないのが1番です。
その点、ワイルドレシピは酸化防止剤もミックストコフェロール(ビタミンE)などの天然成分が利用されているので、体への影響は心配ありません。
- クエン酸
- ミックストコフェロール(ビタミンE)
- ローズマリー抽出物
ワイルドレシピは人工添加物不使用!
涙やけやアレルギー、がんのリスクを高める危険な添加物は使用されていないので安心です
●原材料の品質(4Dミート・副産物)
ワイルドレシピの原材料は、独自の検査基準をクリアした厳選素材が使用されています。
また公式サイトには、「4Dミート(病気・死にかけ・死亡・障害の家畜)」や「副産物(家畜の内臓や血、羽などの再利用品)」は不使用と断言されています。
そのため原材料の品質は問題ないように思えますが・・
「ヒューマングレード」や「人も食べられる高品質な食材を使用」など、原材料の品質がどの程度かは何も情報がありません。
公式サイトには、「ペットの健康は・・毎日の食生活の積み重ねがとても大切」という言葉もあるので、危険な材料は使用されていないと思いますが、品質レベルが確認できないのは少し不安です・・。
粗悪な材料(4Dミート・副産物)は不使用ですが、原材料の品質レベルは不明・・
「ヒューマングレード」などの明確な基準があれば、もっと安心・信頼できる点が残念です!
●主原料
今回分析しているのは「ワイルドレシピ(サーモン)」なので、主原料はすり身のサーモンです。
サーモンには全身の細胞に必要な「必須アミノ酸」が10種類すべて含まれているので、筋肉の発達や貧血・被毛のパサつきの予防など、全身の機能を高めてくれます。
主原料がサーモンのドッグフードは少ないので、タンパク源を変更したいときなどローテーション用のフードにもおすすめです。
ただし、サーモン以外にも乾燥チキンやターキーレバー、ポークハートなどの動物性原料が使用されているので、鶏肉アレルギーのワンちゃんには与えてはいけません。
主原料のサーモンには、筋肉や体の維持に欠かせない「必須アミノ酸」がたっぷり含まれています
サーモンを主原料に使用したドッグフードは珍しいので、タンパク源を変更したいときにもおすすめです!
対応年齢や酸化防止対策、価格について
対応年齢・酸化防止対策など
フードの対応年齢 | 成犬用(小型犬専用) |
酸化防止剤 | ミックストコフェロール他 |
穀物 | 不使用 |
原産国 | アメリカ |
価格(1袋/800g) | 1,639円(税込) |
内容量の種類 | 800g・2kg・4kg |
購入方法 | 公式サイト |
※Amazon参考価格
野生の食事を再現!超小型~小型犬用の高タンパクフード
今回分析しているドッグフードは「ワイルドレシピ(サーモン)」ですが、ワイルドレシピは主原料別に5つのタイプがあります。
●ワイルドレシピの種類
■ドライフード
- ワイルドレシピ(チキン・成犬用)
- ワイルドレシピ(サーモン・成犬用)
※今回チェックしているドッグフード - ワイルドレシピ(ラム・成犬用)
- ワイルドレシピ(ターキー・成犬用)
- ワイルドレシピ(ビーフ・成犬用)
- ワイルドレシピ(ターキー・子犬用)
■ウェットフード
- ワイルドレシピ(チキン・成犬用)
- ワイルドレシピ(ターキー・成犬用)
- ワイルドレシピ(ビーフ・成犬用)
- ワイルドレシピ(ターキー&ラム・成犬用)
なお、ワイルドレシピは超小型犬~小型犬専用のドッグフードです。
小型犬は好き嫌いの激しいワンちゃんが多いですが、ワイルドレシピは主原料が肉や魚なので嗜好性が高いため、偏食ぎみの愛犬にもおすすめ。
また、高タンパクなので少量でも筋肉や体に必要な栄養をしっかり補えます。
ちなみに以前まで販売されていた「ワイルドレシピ(鹿肉)」は販売休止中。代わりに「ターキー」と「ビーフ」、「ターキー(子犬用)」が新しく販売されています。
ウェットタイプは食いつきの悪いドッグフードのトッピングや食欲のないときなどに利用すると、パクパク食べてくれるのでおすすめです。
ワイルドレシピドッグフードの原材料
危険な材料を赤色、良い材料を緑色でチェックしています。
サーモン(すり身)、チキンミール、エンドウマメ、鶏脂、乾燥ポテト、フィッシュミール、タピオカスターチ、乾燥チキン、ビートパルプ、アルファルファミール、タンパク加水分解物、ターキーレバー、ポークハート、ポークキドニー、エンドウタンパク、亜麻仁、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、D3、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸)、ミネラル類(カリウム、クロライド、セレン、ナトリウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅)、アミノ酸類(メチオニン)、酸化防止剤(クエン酸、ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物)
第1主原料は「高タンパク・低脂肪」のサーモン。全身の細胞のもととなるタンパク質をしっかり摂取できます。
サーモンには毛や皮膚の健康を守る「オメガ3」という油が含まれていますが、ワイルドレシピに使用されているのはすり身のサーモンなので、オメガ3の補給源としては力不足かもしれません。
ただ、オメガ3は亜麻仁にも豊富に含まれているので、オメガ3不足の心配はありません。
原材料で気になること
その他にも、気になる原材料をチェックしましょう。
●鶏アレルギーのワンちゃんにはNG!
主原料にサーモンが使用されていますが、チキンミールや乾燥チキン、ターキーレバー、ポークハート(豚の心臓)、ポークキドニー(豚の腎臓)など、ほかの動物性原料も使用されています。
そのため、鶏肉アレルギーの愛犬には与えてはいけません。
一方、鶏肉アレルギーじゃない愛犬にはアレルギー予防としてもおすすめ。
さまざまな動物由来のタンパク質を摂取すると、特定のタンパク質に偏らないためアレルギーのリスク低下につながります。
また犬が消化しにくい穀物(小麦・トウモロコシ・お米)も一切使用されていない(グレインフリー)なので、消化不良を起こしにくいメリットがあります。
●ビートパルプに関する情報がないのはマイナス
ビートパルプは砂糖の原料のビート(サトウダイコン・テンサイ)の搾りカスです。
食物繊維が豊富に含まれているので、腸内環境の改善やダイエット用フードではかさ増し目的に使用されます。
適量を使用するのは問題ありませんが、1つ気になるのが薬剤の残留。
薬剤を使ってビートパルプを抽出した場合は、ビートパルプに薬剤が残留している危険性があります。
なお、薬剤を使用しない圧力製法のビートパルプもありますが、ワイルドレシピはビートパルプの製法に関する情報がないため、少し不安です。
つづいて、栄養バランスについて見ていきましょう。
ワイルドレシピドッグフードの栄養バランスは?
ワイルドレシピのパッケージには、下記の成分表が表示されています。
引用元:http://nutro.jp/
犬のごはん塾では上記の成分表は使わず、ドッグフードに含まれる水分を差し引いた乾燥重量で栄養バランスをチェックします。
なぜなら、ドッグフードに含まれる水分量は製品ごとにちがうから。
そのため水分を抜いた乾燥重量で栄養バランスを確認するほうが、他のドッグフードとのちがいが分かりやすくなります。
ちなみに乾燥重量はパッケージに記載されている成分表をもとに、下記の計算式で割り出します。
乾燥重量=栄養素の値÷(100-フードの水分量)×100
ワイルドレシピの乾燥重量の値を見てみましょう。
ワイルドレシピドッグフードの乾燥重量の成分値
- 粗タンパク質:35.6%
- 脂質:17.8%
- 粗繊維:3.9%
- オメガ6:2.2%
- オメガ3:0.22%
上記の値を「犬のごはん塾が示す栄養バランスの基準」にそって評価すると、下記のような評価結果となります。
ワイルドレシピドッグフードの栄養バランスの評価結果
※ベストな数値は健康な成犬の目安です
栄養素 | レベル |
---|---|
カロリー | やや高い |
タンパク質 | 高い |
脂 質 | 高い |
粗繊維 | 標準 |
ミネラル 他 | 標準 |
『栄養バランスの基準』はこちら
カロリー(100gあたり)
- 低い
- 340kcal未満
- やや低い
- 340~360kcal未満
- 標準
- 360~380 kcal未満
- やや高い
- 380~400kcal未満
- 高い
- 400kcal以上
タンパク質
- 低い
- 22%未満
- やや低い
- 22~24%未満
- 標準
- 24~27%未満
- やや高い
- 27~29%未満
- 高い
- 29%以上
脂質
- 低い
- 10%未満
- やや低い
- 10~12%未満
- 標準
- 12~15%未満
- やや高い
- 15~17%未満
- 高い
- 17%以上
カルシウム
- 低い
- 0.7%未満
- やや低い
- 0.7~1.0%未満
- 標準
- 1.0~1.8%以内
- やや高い
- 1.8~2.2%未満
- 高い
- 2.2%以上
リン
- 低い
- 0.8%未満
- やや低い
- 0.8~1.0%未満
- 標準
- 1.0~1.6%以内
- やや高い
- 1.6~1.8%未満
- 高い
- 1.8%以上
カルシウム:リン比
- 適正値
- 1:1~2:1
粗繊維
- 低い
- 1.5%未満
- やや低い
- 1.5~3%未満
- 標準
- 3~4.5%未満
- やや高い
- 4.5~6%未満
- 高い
- 6%以上
ナトリウム
- 低い
- 0.1%未満
- やや低い
- 0.1~0.3%未満
- 標準
- 0.3~0.5%未満
- やや高い
- 0.5~0.7%未満
- 高い
- 0.7%以上
マグネシウム
- 低い
- 0.06%未満
- 標準
- 0.06~0.11%未満
- 高い
- 0.11%以上
- タンパク質32%以上で祖先の食事を再現
- 高カロリー・高タンパク・高脂質で栄養満点
- 関節ケアのグルコサミン・コンドロイチンは配合なし
栄養面のポイントを詳しく見ていきましょう。
タンパク質32%!高齢犬は体調と要相談
引用元:http://nutro.jp/
ワイルドレシピは肉食中心の祖先の食事をもとに作られているため、タンパク質が30%を超える高タンパクフードです。
●ワイルドレシピのタンパク質の量
■ワイルドレシピ(サーモン)
タンパク質:35.6%
■市販のドッグフードの平均
タンパク質:24~27%
※どちらも乾燥重量(フードに含まれる水分を抜いた値)
このように、ワイルドレシピに含まれるタンパク質の量は、一般的なドッグフードの平均より10%も多く含まれています。
ちなみに、犬の体の約60%(筋肉・内臓・皮膚・毛・血液・爪など)はタンパク質からできているので、タンパク質をしっかり補うことは元気な体を維持するためには欠かせません。
ただ、タンパク質の分解やそのときに発生する有害なアンモニアを排出するには、健康な肝臓と腎臓が必要です。
そのため体の機能が衰えてくる高齢犬は、肝臓や腎臓に疾患がないことを確認してから与えましょう。
関節ケアのグルコサミン・コンドロイチンが配合されていない
ワイルドレシピの栄養バランスで1点残念なのが、関節ケアに有効なグルコサミンとコンドロイチンが配合されていないこと。
ワイルドレシピの対象犬種は超小型犬~小型犬です。華奢な骨格から膝のお皿がずれる「パテラ(膝蓋骨脱臼:しつがいこつだっきゅう)」を発症しやすい危険性があります。
それなのにワイルドレシピには、軟骨成分のグルコサミンや軟骨を守るコンドロイチンといった機能成分が配合されていません。
小型犬専用というのであれば、関節ケアにも力を入れてほしかったです。
まとめ
ワイルドレシピは、主原料に肉や魚を使用したタンパク質30%以上の栄養満点のドッグフードです。
「人工添加物・4Dミート・副産物不使用」「グレインフリー」と危険な原材料は使用されていないので、安全性もほぼ合格。
ただ・・
原材料の品質について「ヒューマングレード」や「人も食べられる食材を使用」といった明確な表示がないのが少し引っかかります・・。
また、高齢犬にはタンパク質が多すぎる場合もあるので、愛犬の体調を確認したうえで利用するほうが安心です。
7歳未満のワンちゃんや穀物入りのフードが苦手なワンちゃん、高タンパクフードを一度試してみたい方などにおすすめです。
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