ドライフードは1粒1粒に栄養がたっぷり
開封後も常温保存できる使い勝手の良さも◎
愛犬のドッグフードをいつも何の気なしに、カリカリのドライタイプを選んでいませんか?
ドッグフードはドライタイプやウェットタイプ、半生タイプのセミモイスト(ソフトドライ)などの種類があるのに、何気なく選ぶなんてもったいないです。
ドッグフードの種類ごとの特徴を知っていると、愛犬の体調や年齢、季節など、さまざまな状況にあわせて愛犬にベストなご飯を食べさせてあげることができます。
それではドッグフードを上手に使用するために、種類ごとのメリット・デメリットを確認しましょう。
ドッグフードの種類は大きくわけて3つ。カリカリした食感が特徴の「ドライタイプ」、水分量が多く風味豊かな「ウェットタイプ」、両方の中間に位置する半生タイプの「セミモイスト(ソフトドライ)タイプ」です。
下記の表は、それぞれのフードの保存性(開封前・後)、風味、食感(柔らかさ)、重量あたりの栄養価、水分量を比較した結果です。
種類別のドッグフードの特徴
フードの種類 | ドライ | セミモイスト | ウェット |
---|---|---|---|
保存性 (開封前) | ○ | ○ | ◎ |
保存性 (開封後) | ◎ | ○ | △ |
風味 | ○ | ○ | ◎ |
食感 (柔らかさ) | △ | ○ | ◎ |
重量あたりの栄養価 | ◎ | ○ | △ |
水分量 | 少ない 10%程度 | 中間 25~35% | 多い 70%以上 |
それでは上記の表をもとに、ドライダイプのドッグフードの特徴から詳しく見ていきましょう。
3種類あるドッグフードのなかで最も一般的なタイプが、カリカリした食感が特徴のドライフードです。
ドライフードに含まれる水分量は10%前後。水分が少ないのでカビが生えにくく、開封後もフードの傷み・劣化が遅いので長期間の保存が可能です。
またウェットタイプやセミモイストタイプのフードに比べて、重量あたりの栄養価が1番高いのも魅力。少量で体に必要なエネルギーや栄養を効率よく摂取できます。
1粒1粒に栄養がぎっしり含まれているので、1日に与えるフードの量が少なく経済的。愛犬の食べる量やフードの内容量によって変わりますが、購入頻度はだいたい1ヶ月ペースで済みます。
さらにドライフードは他のタイプのフードより種類が豊富。原材料(肉・魚・小麦など)や年齢別、犬種別、減量用など、愛犬の好みや目的にあわせてフードを選べます。
ほかにもドライフードは適度な硬さがあるので潰れにくく、外への持ち運びも便利です。しつけ用のおやつとして散歩時のポケットに忍ばせたり、旅行などの外出先にも気軽に持って行けます。
ドライフードは1粒1粒に栄養がたっぷり
開封後も常温保存できる使い勝手の良さも◎
ただドライフードは水分が少ないので、愛犬にドライフードを与える際は水分補給をしっかりさせる必要があります。
新鮮な水をいつでも好きなだけ飲めるように水飲み場を設置し、こまめに取り換えるよう注意が必要です。
またドライフードはウェットフードや半生タイプのフードに比べて風味が劣るのが弱点。
メーカーの技術の向上により、風味豊かなドライフードもどんどん増えてきていますが、他のフードより好き嫌いが分かれたり飽きやすい傾向があります。
ほかにもドライフードはある程度の硬さがあるので、歯周病や噛む力の弱くなった高齢のワンちゃんは食べづらい場合も。
そんなときはドライフードをぬるま湯でふやかしてあげると、少し食べやすくなります。ただドライフードは湿度に弱いので、ふやかしたフードはすぐ使いきりましょう。
ドライフードは水分がほとんど含まれていないので
お水をたっぷり飲ませてあげよう!
またドライフードの種類の1つに、特殊な形状をした歯石対応のフードがあります。
特殊な形のフードを噛むことによって、歯に付着した歯垢(しこう)がこすり落とされ、歯垢・歯石の蓄積を防ぐ効果があるといいます。
ただ歯石対応のフードであれ、ドッグフードの種類に関係なく歯みがきは絶対に必要。
なぜならワンちゃんは歯周病になりやすいから。すでに成犬の60~80%以上が歯周病を発症していると考えられているため、歯周病予防に効果的な歯みがきは欠かせません。
ちなみに虫歯は酸性の環境で発生しやすいため、口の中がアルカリ性(pH8.5~9.0)のワンちゃんは虫歯になりにくいです。
しかしその一方で、犬の口の中は歯周病の原因である歯石が溜まりやすく、歯周病にかかりやすい性質があります。
犬はわずか3~5日で歯垢が歯石に変わる
歯石とは、「歯垢(しこう)」と呼ばれる菌が発生した食べカスが石灰化したもの。
私たち人は、歯垢から歯石へと変わる期間が20日間ほどかかりますが、犬の口の中は歯垢から歯石へと変わる日数がたったの3~5日間。
人の4倍以上のスピードで、歯周病の原因である歯石に変わってしまうのです。
そのため歯周病の予防には、口の中に歯石が蓄積しないようにすること。それには歯石の前段階である歯垢を口の中から取り除く必要があります。
なお歯垢を取り除く1番の方法は、歯みがきです。
特殊な形状をした歯石対応フードは、ある程度の歯垢の付着を予防できても完全に取り除くのは不可能。
ですからドッグフードの種類に関係なく、歯周病予防には毎日の歯みがきが必要です。
ワンちゃんに多い歯周病の予防に歯みがきは必須!
1日1回、愛犬の歯みがきを習慣づけよう
つづいて、ウェットフードの特徴を見ていきましょう。
ウェットフードは肉や魚などの素材の風味が、そのままフードにも活かされています。
そのため3種類(ドライ・ウェット・セミモイスト)あるドッグフードの中でも美味しさが断トツ。
ドライフードが嫌いなワンちゃんや食欲のないワンちゃんでも、風味豊かなウェットフードなら喜んで食べてくれる場合も多いです。
なおウェットフードに含まれる水分量は70%以上。水分がたっぷり含まれているので、食事と同時に水分補給できる大きなメリットがあります。
水をあまり飲まないワンちゃん、水の摂取量が減少しやすい冬場の水分補給に役立ちます。
また口腔内の病気や噛む力が低下した高齢のワンちゃんにも、水分量が多いウェットフードは口当たりが柔らかく食べやすいのでおすすめです。
ちなみにウェットフードのパッケージは、缶やレトルトパウチ。これらはフードを容器に詰めて密封した後、加熱殺菌されます。
そのため開封前の保存期間は1~2年と保存性が高く、開封するまでフードの美味しさも損なわれません。愛犬の災害用の備蓄にも適しています。
ウェットフードは素材の風味そのままの美味しさ
柔らかいので食欲低下・高齢のワンちゃんにもオススメ
水分も一緒に補給できるのも◎
ウェットフードは開封前の保存性は抜群ですが、開封後は保存性が一気に低くなるので注意が必要。ウェットフードは70%以上が水分なので、開封後はすぐに傷んでしまいます。
ですから開封したら当日に使いきること。余った場合は1食分ごとラップで包み直して冷凍庫で保管し、使用する分だけ解凍して与えましょう。
またウェットフードは水分量が多いので、重量あたりの栄養価は低くなります。そのため1日に必要なエネルギーを補給するには、ドライフードの約3倍の量を摂取する必要があります。
1日に与えるフードの量が多くなるので、ドライフードに比べると消費ペースが早く、食費がかかります。
そのほか食べる量が少ないチワワなどの超小型犬は、ドライフードからウェットフードに一気に変更すると、フードの量の多さに体が対応しきれずお腹を壊してしまう場合も。
まずはドライフードのトッピングとして少量ずつ与えるなど、ウェットフードへの切り替えは愛犬の様子を確認しながらゆっくりおこないましょう。
開封したドライフードは当日使いきること
残った分は1食ずつラップで包んで冷凍保存
またウェットフードは、愛犬の主食に使用できるものと主食に使用できないものがあります。
愛犬に主食として与えられるウェットフードは「総合栄養食」と表示されているものだけです。
総合栄養食とは、ワンちゃんに必要な栄養をバランス良く調整して作られたドッグフードのこと。
ドライフードや半生タイプのセミモイストはほとんどが、栄養バランスが調整された総合栄養食タイプなので問題ありませんが、ウェットフードは総合栄養食に対応したものが一部しかありません。
なお総合栄養食でないウェットフードは「一般食」と呼ばれるもので、トッピングやおやつとして与えられる嗜好品。栄養補給を目的として作られていないので、これだけでは愛犬は栄養不足に陥ります。
そのためウェットフードを主食に利用する場合は、パッケージに「総合栄養食」の表示があるか必ず確認しましょう。
「総合栄養食」の表示があるドッグフードは
愛犬に必要な栄養がバランス良く含まれています
主食には「総合栄養食」のフードを与えましょう
「半生フード」と呼ばれるセミモイストタイプのドッグフードは、見た目はドライフードとほとんど変わりません。
ただ水分量が25~35%含まれているので、ドライフードより適度な弾力のある触感が特徴。硬いドライフードが苦手なワンちゃん、噛む力が弱くなった高齢のワンちゃんも食べやすいです。
なお半生タイプのドッグフードには、「セミモイスト」と「ソフトドライ」の2種類があります。その違いはフードが発泡している(フード内に空気が含まれている)かどうかです。
セミモイストタイプは発泡していないタイプ。フードの密度が高く、粒が膨らんでいません。一方、ソフトドライタイプは加熱発泡されたもの。フードの粒が膨れて気泡があります。
フードの形状に差はありませんが、使用される原材料はほとんど同じ。どちらもしっとりした食感を保つために、添加物が多く使用されているのが難点です。
しっとりした食感を保つため、湿潤調整剤としてプロピレングリコールやグリセリンなどの人工添加物が使用されています。
ただし一度開封すると、どんどん水分が奪われて硬くなります。そのため開封後はしっとりした食感が失われないうちに、早く使いきらなければいけません。
またカラカラに乾燥したドライフードとは違い、適度に水分が含まれているのでカビが生えやすく、防カビ剤や酸化防止剤などの添加物も使用されています。
ドッグフードに使用される添加物は、ワンちゃんの体に影響しない安全範囲内だとされていますが、愛犬の健康維持に添加物はまったく必要ないもの。
さまざまな添加物が使用されている半生タイプのドッグフードは、使用を控えるほうが安心です。
半生タイプのドッグフードは添加物が多い!
開封後は硬くなるので早めに使いきること
ドッグフードの種類ごとの特徴を知っておくと、愛犬の体調や状況にあわせてベストなご飯を食べさせてあげることができます。
おすすめの使い方は、ドライフードとウェットフードの両方を使い分けることです。
ドライフードは少量で栄養を効率よく摂取できて、使い勝手の良さが魅力。そのため普段は使い勝手の良いドライタイプのドッグフードをベースに与えることをおすすめします。
そして愛犬が食欲のないとき、寒い冬などは、風味が豊かで水分補給もできるウェットフードを活用しましょう。
ドライフードと半分ずつ与えたり、ドライフードのトッピングとしてウェットフードを与えるなど、愛犬が喜んで食べてくれるようにフードの特徴をうまく利用しましょう。
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