【ペットフード販売士が徹底調査】サイエンスダイエットの良い点・悪い点がひと目で分かる!成分・材料・本当の評価は?

【ペットフード販売士が徹底調査】サイエンスダイエットの良い点・悪い点がひと目で分かる!成分・材料・本当の評価は?

アメリカの獣医師が自分のペットのために選ぶNO.1ブランドが、ヒルズの「サイエンス・ダイエット ドッグフード」。(IPSOS社調べ)

サイエンス・ダイエットは、220人以上の栄養学者と獣医師が400頭以上の犬と暮らしながら開発されました。

そこで今回は、「サイエンス・ダイエット(小型・成犬用)ドッグフード」の安全性と栄養バランスをチェックしましょう。

【 総合評価 】

総合評価2点

2 点

→ ドッグフードの選び方・基準」をさらに詳しく見る

サイエンス・ダイエットドッグフードの評価結果

●ドッグフードの評価結果について・・
犬のごはん塾では、ドッグフードの評価基準として「安全性」と「栄養バランス」を中心に評価しています。

【安全性の評価結果】では、愛犬が毎日安心して食べられるかをチェックし、【栄養バランスの評価結果】では、愛犬に必要な栄養がバランス良く含まれているか分析しています。

それでは、サイエンス・ダイエット(小型・成犬用)ドッグフードの「安全性」と「栄養バランス」をチェックしましょう。

サイエンス・ダイエットドッグフードの安全性

チェック項目評価
人工添加物不使用
原料の品質×不明
4Dミート×不明
副産物×使用
主原料トリ肉
安全性の評価結果
  • 着色料、保存料、香料不使用
  • 原材料の品質レベルがわからない
  • 副産物(動物性油脂・ポークエキスなど)が使用されている

→ 『サイエンス・ダイエット(小型・成犬用)の安全性』を詳しく見る

サイエンス・ダイエットドッグフードの栄養バランスの評価結果

サイエンス・ダイエットドッグフードの栄養バランスの評価結果※ベストな数値は健康な成犬の目安です

栄養素 レベル
カロリー 標準
タンパク質 やや低い
脂 質 標準
粗繊維 標準
ミネラル 他 標準
栄養面の評価結果
  • 皮膚や毛の健康を保つオメガ6・オメガ3配合
  • 骨・関節を守るカルシウム・グルコサミン配合
  • オイルコーディングあり

→ 『サイエンス・ダイエット(小型・成犬用)の栄養バランス』を詳しく見る

チェックポイント!

栄養学者と獣医師が開発したフードだけあって、栄養面に大きな問題はありません

ただし、原材料の品質や使用されている食材で気になる点があります!

それでは、さらに詳しい内容について安全性から見ていきましょう。

サイエンス・ダイエットドッグフードの安全性の評価結果

サイエンス・ダイエットドッグフードの安全性

チェック項目評価
人工添加物不使用
原料の品質×不明
4Dミート×不明
副産物×使用
主原料トリ肉

『安全性の基準』はこちら

添加物

◎ 無添加、自然由来の酸化防止剤のみ
△ 添加物を使用(要注意の添加物以外)
× 要注意の添加物を使用

原料の品質

◎ ヒューマングレード(人が食べられる品質)の表示あり
△ ヒューマングレードの表示なし(副産物不使用)
× ヒューマングレードの表示なし(副産物使用)

4Dミート(病気や死んだ家畜の肉)

◎ 不使用の表示あり(ヒューマングレード)
○ 不使用の表示なし(副産物不使用)
× 不使用の表示なし(副産物使用)

副産物(○○エキス・○○ミール)

◎ 不使用(ヒューマングレードの表示あり)
△ 使用(使用した家畜の種類や部位が確認できる)
× 使用(使用した家畜の種類や部位が不明)

主原料

◎ 肉か魚が50%以上、又は第1と第2原料が肉か魚
○ 第1原料が肉か魚で、第2原料は穀物
△ 第1原料が穀物(トウモロコシ、小麦、米)

サイエンス・ダイエットドッグフードの安全性は?

サイエンス・ダイエットは、安全性を判断する5つのポイント(添加物・品質・4Dミート・副産物・主原料)のうち、添加物だけは合格ラインです。

しかし、残りの原材料の品質や食材などは気になるものばかり・・。

それぞれの注意点を見ていきましょう。

●添加物

サイエンス・ダイエットでは、「必要以上の添加物を使用しない」というコンセプトを掲げています。

そのため原材料には、タール系色素の着色料(赤色2号・赤色102号など)や発色剤(亜硝酸ナトリウム)、保存料(ソルビン酸カリウム)などの人工添加物は1つも使用されていません。

●サイエンス・ダイエットには、下記の添加物は使用されていません!

  • 着色料
  • 保存料
  • 香料
  • 防カビ剤
  • 増粘剤
  • 保湿剤
  • 発色剤
  • 酸化防止剤(BHA・BHTなど)
  • pH調整剤

なお、フードの酸化防止剤も天然由来の成分(ミックストコフェロール・ローズマリー抽出物など)に徹底されています。

サイエンス・ダイエットの酸化防止剤
  • ミックストコフェロール(ビタミンE)
  • ローズマリー抽出物
  • 緑茶抽出物

人工添加物の中には、大量摂取するとアレルギーや皮膚炎、がんなど、体に悪影響を危険なものもありますが、サイエンス・ダイエットは余計な添加物は使用されていないので安心です。

チェックポイント!

危険な添加物は一切使用されていません
フードの酸化防止には、ビタミンEなどの天然成分が利用されています

●原材料の品質(4Dミート・副産物)

安価なフードの原材料には、人間の食品への使用が禁止されている4Dミート(病気・死亡家畜)や、家畜の内臓や骨、羽、ひづめなどを再利用した副産物が使用されているものがあります。

サイエンス・ダイエットのパッケージには、「高品質な消化によい自然素材を使用」と表示があるので、「4Dミートや副産物は含まれていない」と判断できそうですが・・。

「高品質」の基準がはっきり示されていないため、いまいち安全性の信用に欠けます。

ちなみに、原材料にある「動物性油脂」は何の動物の油かわかりません。

「動物性油脂」のように原料がはっきり表示されない場合は、4Dミートや副産物が原料のことが多いため、より不信感がつのります。

なお、サイエンス・ダイエットの原材料で4Dミートや副産物の疑いがある材料は、つぎの3つです。

4Dミート・副産物の疑いのある原材料
  • 動物性油脂
  • トリ肉エキス
  • ポークエキス

本当に「高品質」の材料が使用されているならば、ヒューマングレード(人間の食品基準)などの具体的な基準を表示してほしかったです。

チェックポイント!

「高品質な自然食材」の表示はありますが、ヒューマングレードのような具体的な表示はありません

また、4Dミートや副産物の疑いがある「動物性油脂」や「トリ肉エキス」が使用されているため、安全性には不安を感じます

●主原料

サイエンス・ダイエットの主原料には、トリ肉(チキン・ターキー)が使用されています。

鶏肉を含む肉や魚由来の動物性タンパク質には、筋肉や骨に欠かせない「必須アミノ酸」が10種類すべて含まれています。

ですから、鶏肉やターキー(七面鳥)が主原料に使用されている点は評価できます。

ただ、トリ肉の次に配合量が多いのはトウモロコシ・小麦・米と穀物ばかり。

とくに小麦は、犬の食物アレルギーの原因になりやすいため、アレルギーが気になるワンちゃんは注意が必要です。

チェックポイント!

主原料には「10種の必須アミノ酸」を含んだ鶏肉・ターキーが使用されています

ただ、アレルギーの原因になりやすい小麦が、原材料の中で3番目に多く使用されている点に要注意!

対応年齢や酸化防止対策、価格について

対応年齢・酸化防止対策など

フードの対応年齢1~6歳
酸化防止対策ミックストコフェロール他
穀物トウモロコシ・小麦・米
原産国チェコ
価格(1袋/750g)810円(税込)
内容量の種類750g・1.5kg・3kg
購入方法公式サイト

※Amazon参考価格

サイエンス・ダイエットは「満足保証」サービス対応

サイエンス・ダイエットは犬種や年齢、減量サポートなどの色々な種類があるので、愛犬にぴったりのフードを選べます。

●サイエンス・ダイエットの種類(一部紹介)

  • ・サイエンス・ダイエット パピー(小型犬用)
    子いぬ用~12ヶ月/妊娠・授乳期

    ・サイエンス・ダイエット アダルト(1~6歳)
    ※今回チェックしているフード

    ・サイエンス・ダイエット ライト(小型犬用)
     肥満傾向の成犬用(1~6歳)

    ・サイエンス・ダイエット シニア アドバンスド(小型犬用)
     高齢犬用(13歳以上)

    ・サイエンス・ダイエット 減量サポート(超小粒・小型犬用)

    ・サイエンス・ダイエット 減量サポート(中粒・中型犬用)

    ・サイエンス・ダイエット ライト(大型犬種用)
     肥満傾向の成犬用

また、サイエンス・ダイエットは「満足保証」サービスが対応されています。

実際にサイエンス・ダイエットを愛犬に与えた結果、「満足できない」と感じた場合は商品購入代金を返金してもらえます。

ただ、返金対象は購入後30日以内やレシート貼付などの条件があるので、公式サイトの返金内容をしっかり確認しましょう。

参考サイト:サイエンス・ダイエット ご返金のしくみ

サイエンス・ダイエットドッグフードの原材料

危険な材料を赤色、良い材料を緑色でチェックしています。

原材料

トリ肉(チキン、ターキー)、トウモロコシ、小麦、米、動物性油脂、トリ肉エキス、植物性油脂、亜麻仁、ポークエキス、トマト、柑橘類、ブドウ、ホウレンソウ、ミネラル類(ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)

主原料には高タンパク・低脂肪な鶏肉やターキーが使用されていますが、トウモロコシや小麦などの穀物も多く使用されています。

小麦はアレルギーの原因になりやすいので、注意が必要です。

酸化防止剤は、天然成分(ミックストコフェロール・ローズマリー抽出物・緑茶抽出物)のみで、体への影響が心配な人工添加物は使用されていません。

原材料で気になること

その他にも、気になる原材料をチェックしましょう。

●動物性油脂・○○エキスは4Dミートの疑いあり
原材料にある「動物性油脂」「トリ肉エキス」「ポークエキス」は、原料がはっきりと分かりません。

このように曖昧な表示の材料は、原料に4Dミート(病気・死亡した家畜)が使用されている危険性があります。

粗悪な原料は消化しにくく、栄養を十分に補えません。また消化不良が原因で、涙やけやアレルギーに悪影響を与える危険性もあります。

●犬が食べてはいけないブドウが含まれている!
サイエンス・ダイエットの原材料には、一般的に犬が食べてはいけないブドウが使用されています。

犬がブドウを食べると、ブドウに含まれる成分によって腎臓障害が引き起こされる危険性があります。

ブドウの中毒症状

嘔吐、下痢、食欲不振、血便、急性腎不全

なお、サイエンス・ダイエットの公式サイトにも、「与えてはいけない食べ物」の1つにブドウが入っています。

それにも関わらず、原材料にブドウが使用されている矛盾点が気になります。

つづいて、栄養バランスについて見ていきましょう。

サイエンス・ダイエットドッグフードの栄養バランスは?

サイエンス・ダイエット(小型・成犬用)のパッケージには、下記の成分表が表示されています。

サイエンスダイエットの栄養成分

タンパク質:21.0%以上

脂質:13.0%以上

粗繊維:3.0%以下

灰分:6.5%以下

水分:10.0%以下

オメガ3:0.35%以上

オメガ6:2.7%以上

ビタミンE:700IU/kg以上

ビタミンC:85mg/kg以上

代謝エネルギー:374kcal/100g

犬のごはん塾では上記の成分表は使わず、フードに含まれる水分を差し引いた乾燥重量で栄養バランスをチェックします。

なぜならフードに含まれる水分量は製品ごとにちがうため、水分を抜いた乾燥重量で栄養バランスを確認するほうが他のフードとのちがいが分かりやすくなるからです。

ちなみに乾燥重量はパッケージに記載されている成分表をもとに、下記の計算式で割り出します。

乾燥重量の求め方

乾燥重量=栄養素の値÷(100-フードの水分量)×100

サイエンス・ダイエット(小型・成犬用)の乾燥重量の値を見てみましょう。

サイエンス・ダイエットドッグフードの乾燥重量の成分値

  • 粗タンパク質:23.3%
  • 脂質:14.4%
  • 粗繊維:3.3%
  • オメガ3:0.39%
  • オメガ6:3.0%
  • グルコサミン:554mg/kg
  • コンドロイチン硫酸:883mg/kg

上記の値を「犬のごはん塾が示す栄養バランスの基準」にそって評価すると、下記のような評価結果となります。

サイエンス・ダイエットドッグフードの栄養バランスの評価結果

サイエンス・ダイエットドッグフードの栄養バランスの評価結果※ベストな数値は健康な成犬の目安です

栄養素 レベル
カロリー 標準
タンパク質 やや低い
脂 質 標準
粗繊維 標準
ミネラル 他 標準

『栄養バランスの基準』はこちら

カロリー(100gあたり)

低い
340kcal未満
やや低い
340~360kcal未満
標準
360~380 kcal未満
やや高い
380~400kcal未満
高い
400kcal以上

タンパク質

低い
22%未満
やや低い
22~24%未満
標準
24~27%未満
やや高い
27~29%未満
高い
29%以上

脂質

低い
10%未満
やや低い
10~12%未満
標準
12~15%未満
やや高い
15~17%未満
高い
17%以上

カルシウム

低い
0.7%未満
やや低い
0.7~1.0%未満
標準
1.0~1.8%以内
やや高い
1.8~2.2%未満
高い
2.2%以上

リン

低い
0.8%未満
やや低い
0.8~1.0%未満
標準
1.0~1.6%以内
やや高い
1.6~1.8%未満
高い
1.8%以上

カルシウム:リン比

適正値
1:1~2:1

粗繊維

低い
1.5%未満
やや低い
1.5~3%未満
標準
3~4.5%未満
やや高い
4.5~6%未満
高い
6%以上

ナトリウム

低い
0.1%未満
やや低い
0.1~0.3%未満
標準
0.3~0.5%未満
やや高い
0.5~0.7%未満
高い
0.7%以上

マグネシウム

低い
0.06%未満
標準
0.06~0.11%未満
高い
0.11%以上
栄養面の評価結果
  • 皮膚や毛の健康を保つオメガ6・オメガ3配合
  • 骨・関節を守るカルシウム・グルコサミン配合
  • オイルコーディングあり

栄養面のポイントを詳しく見ていきましょう。

栄養バランスに大きな問題点はなし

サイエンス・ダイエットは栄養学者と獣医師が開発に関わっているため、フードの栄養バランスに大きな問題点はありません。

ちなみに、体の成長や維持に欠かせないタンパク質の量は21%(乾燥重量23.3%)。

市販のドッグフードの平均値(乾燥重量24~27%)より低いですが、AAFCO基準(ドッグフードの栄養基準を定める協会)の成犬18%以上は十分満たしています。

また健康ケアのポイントとして、4つの特徴があります。

サイエンスダイエットの健康ケア

●健康な皮膚と美しい毛並み

皮膚や毛に欠かせないオメガ3・オメガ6配合。


●歯と歯茎の健康維持

健康な歯と歯茎を保つため、ビタミンD・ビタミンCが配合。
また口の小さな小型犬が食べやすいように、フードの粒は薄く小さくなっています。


●健康な骨・関節を守る

小型犬の華奢な骨や関節、軟骨の健康のため、骨を強化するカルシウムと軟骨成分のグルコサミン・コンドロイチン硫酸が含まれています。


●抗酸化成分

病気や老化の原因である「体のサビ(酸化)」を防ぐため、科学的に証明された抗酸化成分のビタミンEビタミンCが配合されています。

うま味成分のオイルコーティングは不要!

サイエンス・ダイエットのフードには、嗜好性を高めるためフードの粒の表面に「うま味成分」がオイルコーディングされています。

フードの表面にコーティングされたオイルは、空気や光に触れやすくフードの酸化を早める原因です。

酸化したフードは栄養価が低下するだけでなく、下痢や嘔吐を起こしたり細胞を傷つける「過酸化脂質」を発生させる危険性があります。

そのため、フードは直射日光の当たらない冷暗所に保存して、早めに使い切る必要があります。

そもそも高品質な原材料だけで作られたフードなら、わざわざうま味成分を添加する必要はありません。

まとめ

サイエンス・ダイエットはアメリカの獣医師に人気のドッグフードというだけあり、栄養面は大きな問題はありません。

また着色料や保存料などの危険な人工添加物も使用されていない点も評価できます。

ただ、原材料の品質は「ヒューマングレード」などの明確な基準がないため、完全には安心できません。

そのため、総合評価は★2つ。

愛犬には、原材料の品質の安全性がきちんと確認できるドッグフードを選んであげましょう。

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