愛犬を長生きさせる6つの秘訣|食事で注意したい3つのポイントとは?

愛犬を長生きさせる6つの秘訣|食事で注意したい3つのポイントとは?
「愛犬にいつまでも元気で長生きしてほしい」「犬が長生きする秘訣を知りたい」

ペットと暮らす飼い主さんなら、誰もがそう願っていますよね。

とはいえ、愛犬の健康のために私たちができることは、些細なことばかりです・・。

ただ、その些細なことを毎日続けるかどうかが、愛犬の寿命に大きな影響を与える場合があります。

それでは、私たちにできる「愛犬を長生きさせる6つの秘訣」について、一緒に見ていきましょう。

チェックポイント!

愛犬を長生きさせる秘訣は「食事面」で3つ、「食事以外」で3つあります

すべて今日からできる簡単なことばかりです

さっそく、チェックしましょう!

それではまいります。

犬を長生きさせる6つの秘訣

犬を長生きさせる6つの秘訣

愛犬を長生きさせる秘訣は、大きくわけて6つあります。

まず食事面では、「消化の良い食事」「水分補給」「肥満予防」の3つ。
食事以外では、「歯のケア」「ストレス対策」「適度な運動」の3つです。

愛犬を長生きさせる6つの秘訣

●食事面のポイント

①消化の良い食事

②水分補給

③肥満予防


●その他のポイント

④歯のケア

⑤ストレス対策

⑥適度な運動

食事面のポイントから、1つずつ詳しく見ていきましょう。

【ポイント①】消化の良い食事

【ポイント①】消化の良い食事

愛犬を長生きさせる1つ目のポイントは、「消化の良い食事」を与えること。

消化の良い食事を与えると腸に負担がかからないため、免疫力の低下を防ぐことができます。

免疫力低下を防ぐために消化の良い食事を与える理由は、免疫細胞の約7割が腸に存在しているから。

体内の免疫細胞のほとんどが腸に存在しているため、腸内環境が良好であれば免疫力も高まって、細菌やウイルスなどの病原菌を追い払うことができます。

一方、腸内環境が悪いと免疫細胞は活発に働けません。
免疫力が低下するためウイルスや細菌の攻撃から体を守れず、病気にかかりやすくなるのです。

ですから、病気に負けない強い体を保つには、腸内環境を整えて免疫力を高めること。
それには腸に負担をかけない「消化の良い食事」が大事なのです。

なお、消化の良い食事のポイントは大きくわけて3つあります。

消化の良い食事

  • 肉・魚をメインに与える
  • 原材料は高品質(ヒューマングレード)に限定する
  • 食物繊維をバランス良く摂取させる

チェックポイント!

愛犬を長生きさせる1つ目の秘訣は、「消化の良い食事」です

免疫細胞の7割は腸に存在しているため、腸に負担をかけない消化の良い食事が重要になります

それでは「消化の良い食事」のポイントを1つずつ見ていきましょう。

犬は穀物より肉・魚が消化しやすい

犬は穀物より肉・魚が消化しやすい

犬は肉食中心のオオカミ(犬の祖先)の影響から、穀物(トウモロコシ・小麦など)より肉や魚のほうが消化しやすい体のつくりになっています。

とくに加熱されていない生の穀物は消化しにくく、大量に摂取すると腸に負担をかけます。消化不良により、下痢や嘔吐を起こす場合も・・。

そのため愛犬の食事は、肉や魚を中心に与えること。

肉や魚が中心の食事であれば、犬はスムーズに消化できるので腸に余計な負担がかからず、免疫細胞も正常に機能できます。

ですから、ドッグフードは主原料に肉か魚が使用されているものを選びましょう。

また、肉や魚は犬が消化しやすいだけでなく、犬の体に欠かせない10種類の必須アミノ酸もすべて含まれています。

●10種類の必須アミノ酸とは?
10種類の必須アミノ酸とは、食事から摂取する必要がある成分のこと。

犬の皮膚や毛、筋肉、骨、血液、臓器などの全身の細胞(免疫細胞も含む)は、アミノ酸からつくられます。

10種類の必須アミノ酸とは?

ただ、20種類中10種類のアミノ酸は体内で必要な量をつくり出せないため、食事で補う必要があります。それが「10種類のアミノ酸」です。

肉や魚に含まれるタンパク質には、この10種類のアミノ酸がバランス良く含まれています。

●アミノ酸とタンパク質について
タンパク質はアミノ酸が数百以上つながった状態のこと。
全身の細胞のもととなるのは、「アミノ酸=タンパク質」です。

以上のことから、肉や魚は犬が消化しやすく、体に欠かせない「必須アミノ酸」が10種類すべて含まれています。

ちなみに、トウモロコシや小麦、大豆などの植物性食品は犬が消化しにくく、必須アミノ酸も10種類すべては含まれていません。

ですから愛犬の健康を維持するには、肉・魚中心の食事が重要。腸に負担をかけず体に必要な栄養をしっかり補えます。

チェックポイント!

犬は穀物(トウモロコシ・小麦)より、肉や魚が消化しやすいです

また肉や魚には免疫細胞に欠かせない「必須アミノ酸」が10種類すべて含まれています

ですから愛犬には、肉、または魚が主原料のドッグフードがおすすめです!

低品質なドッグフードは消化しにくい!

低品質なドッグフードは消化しにくい!

免疫細胞の働きに悪影響を与えないようにするには、原材料の品質にも注意が必要です。

なぜなら、ドッグフードは原材料の品質によって消化の良し悪しが決まるから。

なかでも免疫細胞のもととなるタンパク質(アミノ酸)は、原材料が低品質だと消化不良を起こしやすく、腸に余計な負担がかかります。

ところが、ドッグフードはウシやブタなどの家畜のエサより安全基準が低い、いわば最低レベル・・。

その結果、食品では使用禁止の「4Dミート(病気・死亡した家畜)」、チキンミールや動物油脂などの「副産物(家畜の内臓・骨・血・羽・ひづめなどを丸ごと粉砕したもの)」といった低品質な材料の使用が認められています。

このような低品質の材料が使用されたドッグフードでは、タンパク質を十分に消化・吸収できず、免疫細胞にも必要な栄養が届けられません。

すると免疫細胞の働きが低下して、免疫力が落ちてしまうのです。

ですから、愛犬に与えるドッグフードは高品質な原材料を使用したものを選びましょう。

原材料の品質を見分ける目安は、「ヒューマングレード」や「人も食べられる高品質な材料を使用」などの表示があるかどうか。

原材料の品質を見分ける目安は、「ヒューマングレード」「人も食べられる高品質な材料を使用」などの表示があるかどうか。

ドッグフードを選ぶときは、原材料の品質について情報が公開されているものを選びましょう。

チェックポイント!

低品質な原材料で作られたドッグフードは消化不良を起こしやすく、免疫細胞をはじめ全身に十分に栄養が届けられません

体に必要な栄養をしっかり補えるように、食品と同じ高品質な材料で作られた「ヒューマングレード」のドッグフードを選びましょう!


食物繊維で腸内環境を整える

食物繊維で腸内環境を整える

良好な腸内環境を維持するには、食物繊維をバランス良く摂取することも大切です。

というのも、腸内環境が悪化する主な原因は便秘。便秘によって腸内の悪玉菌が増加すると、免疫細胞の働きも弱まり免疫力が低下します。

そのため免疫力の低下を予防するには、便秘を防ぐこと。

そこで積極的に摂取したいのが、食物繊維です。

食物繊維はウンチのかさを増やしたり、腸のぜん動運動を促して便秘を予防・改善する働きがあります。

食物繊維が多く含まれる食材は、野菜や果物、海藻、穀物など。
また、善玉菌の乳酸菌や善玉菌のエサとなるオリゴ糖を摂取するのもおすすめです。

とくに高齢犬は腸の動きが低下して便秘を起こしやすいので、食物繊維や乳酸菌を積極的に摂取させましょう。

高齢犬は腸の動きが低下して便秘を起こしやすいので、食物繊維や乳酸菌を積極的に摂取させましょう。

なお、ドッグフードに含まれる繊維(粗繊維)の目安は、3~4.5%がおすすめ。

食物繊維は少なすぎても多すぎても下痢や便秘を起こすので、ドッグフードの平均値である3~4.5%で配合されているフードを選びましょう。

チェックポイント!

食物繊維は腸内環境を整える大切な役割があります

ただ摂り過ぎると便秘の原因にもなるので、ドッグフードに含まれる繊維量は3~4.5%を目安に選んでください

以上の3つ「肉・魚をメインに与える」「原材料は高品質(ヒューマングレード)に限定する」「食物繊維をバランス良く摂取させる」が、消化の良い食事のポイントです。

ひきつづき、犬を長生きさせる秘訣を見ていきましょう。

【ポイント②】水分をたっぷり摂取させる

【ポイント②】水分をたっぷり摂取させる

愛犬を長生きさせるには、水分をしっかり摂取させることも大切です。

水分をたっぷり摂取させると、当然おしっこが大量に出ます。

おしっこの中には体内の老廃物や毒素、不純物が含まれるので、水分をたくさん摂取すると体内の不要なものをスムーズに排泄できます。

また水分をたくさん摂取させると、尿石症の予防にも効果的です。

ちなみに犬にとって水は「第6の栄養素」と呼ばれ、体内の10%以上の水分が失われると命にかかわるほど重要で欠かせないものです。

そのため、愛犬には水をたっぷり摂取させましょう。

水は愛犬が飲めるだけ飲ませてOKです。体に不要な分は尿や便として排泄されるので、たっぷり飲ませましょう。

なお、最低でも犬は体重1kgあたり約50mlの水が必要です。

また、水飲み場を2箇所以上設置したり、飲み水をこまめに取り替えて鮮度を保つなど、愛犬が水をたっぷり飲める環境をつくってあげましょう。

また、水飲み場を2箇所以上設置したり、飲み水をこまめに取り替えて鮮度を保つなど、愛犬が水をたっぷり飲める環境をつくってあげましょう。

チェックポイント!

水はどの栄養よりも犬の体に欠かせないものです

たっぷり水分を摂らせて、体の不要物をどんどん排出させましょう!


【ポイント③】愛犬を太らせない!

コロコロに太った愛犬の見た目はかわいいですが、肥満は体に悪影響しか与えません。

というのも、肥満になるとホルモンの分泌や代謝の変化により、痛みや発熱などを伴わない微弱な炎症が体内で慢性的に起こります。

なお、肥満によって起こる「慢性炎症」のメカニズムは、次のとおりです。

このように、肥満になると肥満細胞に脂肪がどんどん溜まっていきます。

すると、脂肪の溜まった肥満細胞を免疫細胞が異物と判断。体の外に追い出そうと攻撃することで、体内に慢性的な炎症が起こります。

免疫細胞は体内の炎症を抑えようと働き続けますが、慢性炎症は肥満を解消しない限り収まりません。

その結果、免疫細胞が疲れ果て、免疫力が低下してしまうのです。

そのため愛犬を長生きさせたいなら、愛犬を太らせてはいけません。適正体重を維持するためには、食事の管理を徹底する必要があります。

チェックポイント!

肥満は長生きの大敵です!

愛犬を太らせないように食事管理を徹底しましょう


高齢犬は低脂肪フードがおすすめ

高齢犬は低脂肪フードがおすすめ

また加齢とともに代謝力が落ちるため、高齢になるほど太りやすくなります。

そのため高齢犬(とくに10歳以降)は、低脂肪のドッグフードがおすすめです。

なお、市販のドッグフードに含まれる脂質の平均は14%なので、脂質が14%未満で調整されたドッグフードを選びましょう。

ただ、脂質は皮膚や毛の健康に欠かせないので、まったく摂取しないのも体に良くありません。

ドッグフードの栄養基準を定めるAAFCO(米国飼料検査官協会)では、成犬が1日に摂取する必要がある脂質量を5.5%以上と定めています。

ですから、高齢犬のドッグフードを選ぶ場合は、脂質量が5.5~14%未満のドッグフードを選びましょう。

●ドッグフードに含まれる脂質のAAFCO基準(成犬)

【脂質】5.5%以上

チェックポイント!

食べる量が変わらないのに、高齢になるほど太りやすくなります

低脂肪のドッグフードやご飯の量を調節して、肥満を予防してあげましょう

以上の3点「消化の良い食事」「水分補給」「肥満予防」が、食事面で注意が必要な長生きの秘訣です。

つづいて、食事以外の長生きの秘訣を見ていきましょう。

【ポイント④】歯のケアを怠らない

【ポイント④】歯のケアを怠らない

愛犬を長生きさせるには、歯のケアも欠かせません。

というのも、犬は歯周病にかかりやすく、放置すると歯が抜け落ちたり顎の骨が溶けるなど重症化します。

さらに歯周病菌が血流に乗って全身にまわると、心臓や腎臓、肝臓に悪影響を及ぼす危険性があります。

また、犬は食べ物をほとんど噛まずに飲み込みますが、歯周病で歯茎が腫れると痛みを感じてご飯を食べなくなり、体力の低下や栄養不良の危険性も・・。

ですから歯周病にならないように、歯のケアをしっかりおこないましょう。

歯周病を予防する1番の方法は歯みがき。

歯周病を予防する1番の方法は歯みがき。
歯と歯茎の間(歯周ポケット)に蓄積した歯垢(しこう)を取り除くには、歯ブラシでかき出すしかありません。

理想は毎食後に歯みがきすることですが、歯みがきが苦手な愛犬も多いと思いますので、はじめは3日に1度の歯みがきを習慣づけましょう。

また慣れてきたら1日1回の歯みがきを徹底できれば、毎食後おこなわなくてもOKです。

ちなみに、歯みがきガムだけでは歯周病を予防できません。歯みがきガムは、歯ブラシのサポート的に利用しましょう。

チェックポイント!

成犬の8割が「歯周病予備軍」といわれるほど、歯周病は犬に多い病気です

なお、歯周病の発生原因である「歯垢(しこう)」は、わずか3~5日間で歯みがきでは除去できない「歯石」へと変化します

歯垢が歯石へ変わるのを防ぐため、最低でも3日に1回は歯みがきで口の中をキレイにしてあげましょう!


【ポイント⑤】ストレスを与えない

【ポイント⑤】ストレスを与えない

愛犬の免疫力を下げる1番の原因はストレスです。

犬は私たちが気にならない些細なことにも、ストレスを感じている場合があります。

犬のストレスの原因

・大きい音

・暗闇での光

・ドッグフードの急な変更

・環境の変化(引っ越し、新しいペット)

・理解できない注意(激しく怒られる)

・飼い主さんとのコミュニケーション不足

・散歩が少ない

・室温(暑い・寒い)

・睡眠不足

普段の生活で愛犬がストレスを感じるものがないか、愛犬の目線で家の中や生活環境を振り返ってみましょう。

また、愛犬のストレスを簡単に軽減できるおすすめの方法をご紹介します。

それも「愛犬と見つめ合う」だけで、飼い主さんと愛犬のどちらのストレスも軽減できるのです。

●「幸せホルモン」でストレス軽減!

「幸せホルモン」でストレス軽減!

まず愛犬と目を合わせます。

ただ、無理やり顔を向かせて目を合わせても意味はありません。

手で顔を向かせると愛犬がストレスを感じる場合があるので、愛犬が自分から飼い主さんを見ているときがチャンスです。

愛犬がこちらを見ていたら、必ず目を合わせるようにしましょう。

愛犬と目を合わせるだけで、最初に飼い主さんの「幸せホルモン(オキシトシン)」が分泌されます。

愛犬と目を合わせたら、そのままやさしくなでたり声をかけてあげましょう。

愛犬と目を合わせたら、そのままやさしくなでたり声をかけてあげましょう。

すると、今度は愛犬の「幸せホルモン(オキシトシン)」が分泌されるので、愛犬のストレスを減らすことができます。

愛犬にとって飼い主さんとのコミュニケーションは、ストレス軽減だけでなく信頼関係を築くうえでも欠かせません。

また高齢犬は、喉の渇きに鈍感になったり体温調節する能力も衰えてくるので、室温(寒すぎず暑すぎず)も注意してあげましょう。

とくに犬は床など低い位置で過ごすことが多く、夏場はクーラーが効きすぎて体を冷やすこともあります。

タオルや毛布を用意して、愛犬が寒い場合に過ごせる場所も確保してあげましょう。

チェックポイント!

愛犬と目を合わるストレス軽減法は、簡単にできて効果は絶大!

ストレスは免疫力を低下させる最大の原因なので、愛犬がこちらを見ていたら積極的におこないましょう


【ポイント⑥】毎日、体を動かす

【ポイント⑥】毎日、体を動かす

愛犬を長生きさせるには、体を動かすことも大事です。

適度な運動は体力や筋力の低下を予防し、免疫力が落ちる最大の原因のストレス解消にも効果的です。

ただ、高齢になるにともない、歩く速度が遅くなったり長時間の運動ができなくなると思います。

その場合は愛犬の体調や健康状態にあわせながら、毎日少しでも体を動かすことを続けましょう。

歩かないからと散歩に出なくなると、さらに体を動かさなくなり体力・筋力の低下が早まります。

愛犬のペースに合わせて休憩をはさみながら、毎日少しでも体を動かしてあげましょう。

まとめ

「愛犬を長生きさせる6つの秘訣」は、どれも些細なことばかりです。

●愛犬を長生きさせる6つの秘訣
①消化の良い食事
②水分補給
③肥満予防
④歯のケア
⑤ストレス対策
⑥適度な運動

ただ、その些細なことを日々続けていくかどうかで、愛犬の健康・長生きに大きな影響を与えます。

愛犬にいつまでも元気で長生きしてもらえるように、ぜひ今日から始めていきましょう。

※参考文献
【一般社団法人ペットフード協会・ペットフート販売士認定講習会テキスト】
「犬・猫の体の構造と生理」「犬・猫の栄養に関する基礎知識」より

※参考サイト:犬が長生きする為に食事で気をつけることは?
※参考サイト:「慢性炎症」が加齢によって起きやすくなる3つの理由

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