ドッグフードの上手な切り替え方!おう吐や下痢にならない日数・量・時期は?

ドッグフードの上手な切り替え方!おう吐や下痢にならない日数・量・時期は?

ドッグフードを新しい種類に変えた途端、愛犬が吐いたり下痢することってありますよね?

じつはその原因のほとんどが、まちがったフードの切り替え方をしているから。

ドッグフードの切り替え方をまちがえると、愛犬がストレスを感じたり体に負担をかけることになります。

そこでドッグフードを上手に切り替える方法を調べてみました。ドッグフードを切り替える日数や時期など、どのような点に注意すれば良いのか確認しましょう。

どうして、急にドッグフードを切り替えちゃダメなの?

どうして、急にドッグフードを切り替えちゃダメなの?

ほとんどの飼い主さんは、ドッグフードを急に切り替えてはいけないことは何となく知ってますよね。

ドッグフードを急に切り替えた場合のリスクは、主に3つあります。それは「愛犬がストレスを感じる」「消化不良の恐れ」「アレルギーの危険」です。

フードの急な切り替えによるリスク

  • 愛犬がストレスを感じる
  • 消化不良(下痢・おう吐)になりやすい
  • アレルギーを発症する恐れがある

上記のとおり、ワンちゃんはドッグフードの種類や食事内容が急に変わるとストレスを感じやすい体質です。

とくにお腹の弱いワンちゃんや子犬、高齢犬のなかには、新しいドッグフードにお腹が対応しきれず消化不良を起こして、下痢やおう吐を引き起こす場合もあります。

また新しいフードに含まれている食材にアレルギー反応を起こす可能性も。

ただ、もしアレルギーを発症しても、摂取量が少なければ症状は軽く済みます。そのリスクを回避するためにも、時間をかけてフードを切り替える必要があるのです。

そのためドッグフードのパッケージには、「新しいフードへの切り替えは1~2週間ほどかけて与えましょう」といった注意事項がほぼ表示されています。

なお、新しいドッグフードに急に変更しても下痢やおう吐などを一度も起こしたことのない、お腹の強いワンちゃんもたくさんいます。

しかし愛犬の健康状態は年齢を重ねるごとに徐々に変化していくので、今まで問題なかったから今後も起こらないという訳ではありません。

下痢やおう吐などの症状がなくても、体内では急なフードの切り替えによる負担が多少かかっていると考えられます。

そのため今までドッグフードを急に変更していた飼い主さんも、今後は時間をかけて切り替えることをおすすめします。

それでは、ドッグフードを切り替える日数や新しいフードの分量について確認しましょう。

新しいフードに切り替える日数やフードの量は?

新しいフードに切り替える日数やフードの量は?

ドッグフードのパッケージにも表示されているとおり、新しいドッグフードへの切り替えは1~2週間かけておこなうのが最適。体が新しいフードに慣れるように、最低でも1週間は切り替えに時間をかけましょう。

また新しいフードは1~2割程度の少量から与えるようにします。

新しいフードを与えてみて愛犬にとくに変わった様子がなければ、1日目よりも2日目、2日目よりも3日目と、新しいフードの割合を徐々に増やします。

新しいフードを与えてみて愛犬にとくに変わった様子がなければ、1日目よりも2日目、2日目よりも3日目と、新しいフードの割合を徐々に増やします。

なお愛犬がお腹の弱い場合は、1割以下のごく少量から始めるほうが安心。今まで与えていたフードに新しいフードを数粒混ぜ、愛犬の体調を見ながら少しずつ増やしてあげましょう。

ウェットフードへの切り替えは慎重に!

ウェットフードへの切り替えは慎重に!

またドライフードからウェットフードに切り替える場合は、とくに慎重におこなう必要があります。

なぜならドライフードとウェットフードでは、フードに含まれる水分量や栄養バランス、給与量がまったく違うからです。

とくにドライフードに含まれる水分量は10%前後に対して、ウェットフードの水分量は70%以上と全然ちがいます。

なお水分量がちがうと、重量あたりの栄養価も変わります。

同じ100gでも水分が少ないほうが栄養やエネルギーを多く摂取できるため、ウェットフードよりドライフードのほうが少量でより多くのエネルギーを補給できるのです。

一方、ウェットフードは水分量が70%以上とフードのほとんどが水分。重要あたりのエネルギー量が少ないため、ドライフードよりも多くの量を摂取しないと1日に必要なエネルギーを補えません。

一方、ウェットフードは水分量が70%以上とフードのほとんどが水分。重要あたりのエネルギー量が少ないため、ドライフードよりも多くの量を摂取しないと1日に必要なエネルギーを補えません。

そのためウェットフードは、1日分の給与量がドライフードの約3倍も多くなります。

たとえば、ドライフードの給与量が1日100gのワンちゃんがウェットフードに変更した場合、1日あたりの給与量は約300gに急増。摂取量がいきなり増えるので体に負担がかかりやすくなるのです。

とくにチワワやヨークシャテリアなどの超小型犬はもともと食べる量が少ないので、急にウェットフードに切り替えるとフードの量が多すぎて食べきれないこともあります。

またタンパク質や脂質などの栄養成分が大きく変わる場合も注意が必要。高タンパクや高脂質の栄養バランスに体が慣れていないためにお腹がゆるくなる場合があります。

ですからドライフードから別のドライフードに切り替えるときも、体が慣れるように時間をかけてあげましょう。

チェックポイント

チェックポイント!

ウェットフードや栄養バランスがちがうフードへの切り替えは、特に慎重に!

続いて、ドッグフードを切り替える時期について見ていきましょう。

ドッグフードを変更する時期・タイミングは?

ドッグフードを変更する時期・タイミングは?

「愛犬がドッグフードを食べなくなった」、「もっと栄養価の高いフードを食べさせたい」など、愛犬の体調や飼い主さんの考え方によってちがいますが、ドッグフードを切り替えるタイミングは主に3回あります。

1回目は生後3~4ヶ月頃(お家に迎えた1ヶ月後)、2回目は子犬から成犬に変わるとき、3回目は成犬からシニア期(高齢期)に変わるときです。

それでは1回目の生後3~4ヶ月頃(お家に迎えた1ヶ月後)から、詳しく見てみましょう。

最初は子犬が食べ慣れたドッグフードがベスト

最初は子犬が食べ慣れたドッグフードがベスト

お家に子犬を迎える場合のほとんどが、ブリーダーやペットショップから引き取るケースだと思います。

迎える子犬は生後2~3ヶ月が一般的で、はじめはペットショップで食べていたドッグフードを与えるように言われる場合が多いです。

これは食べ慣れているドッグフードを引き続き与えることで、子犬に余計なストレスを与えないようにするため。

はじめにもお話しましたが、ワンちゃんは急激な食事の変化にストレスを感じたり、体が対応しきれずに消化不良を引き起こす場合があります。

またお家に迎えたばかりの子犬は飼い主さんや環境にもまだ慣れていないため、すでに多少のストレスを感じている状態。

その状態のなかで、さらにフードの種類まで変えてしまうと子犬が受けるストレスは大きく、おう吐や下痢などの不調を起こしかねません。

ですから子犬が新しい環境に慣れるまでは、今まで食べていたフードを与えるほうが子犬も安心して食べられます。

なお、別のフードへ切り替える場合はお家に迎えてから1ヶ月後(だいたい生後3~4ヶ月頃)を目安に、子犬の様子や体調をチェックしながら切り替えましょう。

また今のフードを気に入っているようであれば、そのまま変更せずに与えても問題ありません。

子犬用から成犬用のドッグフードに変える時期は?

子犬用から成犬用のドッグフードに変える時期は?

2回目のフードを切り替えるタイミングは、愛犬が子犬から成犬へ変わる時期です。

子犬と成犬は体に必要な栄養バランスが違うため、全年齢対応(オールステージ対応)のフードでない限り、子犬用から成犬用へフードを切り替えなければいけません。

とくに子犬用フードは、体の発育に必要な栄養が豊富に含まれています。

そのため子犬用フードをいつまでも与えていると、カロリーや栄養の摂りすぎで肥満や過剰症などの悪影響を引き起こす危険性があります。

また反対に子犬に早くから成犬用フードを与えると、必要な栄養を十分に摂取できず、成長が遅れたり栄養・カロリー不足に陥る場合も。

ですから成長期の子犬には子犬用フードを、成犬には成犬用フードを必要とするタイミングで与えることが重要です。

なお、犬の成長期間は体の大きさによってちがいます。体が小さいほうが成長期は短く、体が大きくなるほど成長期間は長くなります。

成犬用フードへ切り替える目安は、チワワなどの超小型・小型犬は生後9ヶ月頃、ビーグルなどの中型犬は生後12ヶ月頃、ゴールデンレトリーバーなどの大型犬は生後18ヶ月以降にしましょう。

シニア用フードに切り替えるのは何歳から?

シニア用フードに切り替えるのは何歳から?

フードを切り替える3回目のタイミングは、愛犬がシニア期と呼ばれる7歳以降になってからです。

とはいえ犬が必要とする栄養バランスは、子犬と成犬(1歳以上、大型犬は1.5~2歳以上)で区切られているだけなので、基本的には7歳以上も成犬と同じ栄養バランスで問題ありません。

ただ犬も人と同じように加齢にともない、体力や代謝など体の機能が少しずつ衰えてきます。

さらに年齢が上がるにつれて肥満や関節痛、毛の減少、皮膚のカサつき、歯周病など、さまざまな体の不調が起こりやすくなります。

そのためシニア用フードに必ず変更する必要はありませんが、愛犬の健康状態で気になるところがある場合はそれをサポートするフードに切り替えるのがベストです。

なお、高齢のワンちゃんに注意すべき主な栄養素は、下記の5点です。

シニア犬に注意が必要な栄養素

・カロリー

・タンパク質

・ナトリウム

・リン

・マグネシウム

●カロリー
高齢になるにつれて代謝が落ちるため、今までと同じ量を食べているだけでも肥満になりやすいです。

フードを与える量や運動量は変わっていないのに、愛犬が太ってきたと感じた場合は低カロリーのフードに変更しましょう。

タンパク質
タンパク質はワンちゃんの体の維持に欠かせない重要な栄養素です。

ただ、タンパク質は体内で分解されると有毒なアンモニアを発生させます。アンモニアを毒性の低い尿素に変えるには、健康的な肝臓と腎臓が必要です。

そのため肝臓や腎臓に疾患を抱えるワンちゃんは、タンパク質が多く含まれるフードの摂取は避けましょう。

ナトリウム
ナトリウム(塩分)の過剰摂取は、10歳以上の高齢犬に多い心臓病や腎臓病のリスクを高めます。

なお心臓病や腎臓病は初期症状がほとんどなく、異変に気づいたときには症状がかなり進行している恐れがあります。

そのため病気になる前から、ナトリウムの摂取を控えるほうが安心。成犬が1日に必要とするナトリウム量は0.08%(AAFCOの栄養基準)なので、この値以上含まれていないフードを選びましょう。

リン
リンも高齢犬に多い腎臓病の進行を早める危険性があります。

ペットフードの栄養基準を設定するAAFCO(米国飼料検査官協会)では、成犬の1日に必要なリンは0.5~1.6%。フードに含まれるリンの量がこの範囲内のものを選びましょう。

マグネシウム
マグネシウムを過剰摂取すると、ストルバイト結石のリスクが高まります。

犬のストルバイト結石の多くは尿路の細菌感染が主な原因だとされていますが、マグネシウムの過剰摂取もリスク要因の1つなので過剰摂取に注意しましょう。

なおAAFCOが設定している成犬に必要なマグネシウムの量は、0.06%です。

以上が、愛犬のフードを切り替える3つのタイミングと注意点です。これらのポイントに注意しながら、新しいフードに上手に切り替えましょう。

まとめ

ワンちゃんはドッグフードの種類が変わるだけでストレスを感じるほど、デリケートな体質です。

体に良いフードへ早く変更したくても、急に切り替えたことで愛犬が下痢やおう吐などの体調を崩しては意味がありません。

愛犬が新しいフードにストレスを感じずスムーズに食べられるように、じっくり時間をかけてフードを切り替えてあげましょう。

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