【年齢別・犬種別ドッグフードの選び方】年齢や犬種で何がちがうの?

【年齢別・犬種別ドッグフードの選び方】年齢や犬種で何がちがうの?

チワワやトイプードルなどの犬種専用のドッグフードや、子犬用、7歳以上のシニア対応など、ドッグフードには犬種や年齢別のものがあります。

ただ愛犬の犬種専用のフードがなかったり、いま与えているフードで問題ないのに年齢に合わせてフードを変えていくほうが良いのかなど、犬種別・年齢別フードをどのように使えば良いのか気になりますよね。

そこで年齢別・犬種別のドッグフードは、どのような違いがあるのか調べてみました。

愛犬とちがう犬種のフードを与えて良いのか、年齢に合わせてフードを変えるほうが良いのかなど、年齢別・犬種別フードの疑問について解決していきましょう。

愛犬とちがう年齢・犬種別のドッグフードを与えても良い?

愛犬とちがう年齢・犬種別のドッグフードを与えても良い?

犬種や年齢別のドッグフードは、その犬種の体格や年齢にあわせた栄養バランスで調整されていますが、基本的には愛犬とちがう犬種のドッグフードを与えても問題ありません。

その理由は、特定の犬種専用に作られていても「総合栄養食」の表示がある場合は、そのドッグフードはワンちゃんに必要な栄養がバランス良く調整されているから。

そのため総合栄養食の表示があるドッグフードであれば、愛犬と犬種がちがっても必要な栄養をしっかり摂取できるので問題ありません。

犬種よりも注意が必要なのは、年齢別のドッグフードです。

ワンちゃんは1歳未満の子犬と1歳以上の成犬で必要な栄養バランスがちがいます。そのため子犬と成犬で区別されている場合は、その表示を守らなければいけません。

とくに体が成長途中の子犬は、より多くの栄養が必要です。筋肉や骨格など全身の組織の発達のためには、成犬よりもタンパク質や脂質などを多く摂取する必要があります。

そのため子犬は成犬用に栄養が調整されたフードでは栄養不足になり、反対に成犬に子犬用のフードを与えると栄養過剰になってしまうのです。

そのため子犬は成犬用に栄養が調整されたフードでは栄養不足になり、反対に成犬に子犬用のフードを与えると栄養過剰になってしまうのです。

ですから、子犬専用のドッグフードは子犬に、成犬専用のドッグフードは成犬に、きちんと区別して与える必要があります。

ちなみに7歳以上や11歳以上のシニア対応フードは、加齢にともなう体力や筋力の衰えをサポートするように栄養が調整されています。

とくにシニア専用のフードは低脂肪のものが多いので、年齢とともに体重が増えてきたワンちゃんや1日のほとんどを寝て過ごす活動量の少ないワンちゃんにはおすすめです。

ただ先ほどもお話したとおり、体に必要な栄養バランスがちがうのは子犬と成犬だけ。

ですから愛犬の体調や活動量に合わせてドッグフードを変更するのは良いですが、「7歳になったら」「11歳になったから」とすぐにシニア用のフードに変更する必要はありません。

またドッグフードには全犬種・全年齢(オールステージ)対応のものもあります。

全犬種・全年齢対応のドッグフードは、子犬と成犬のそれぞれに必要な栄養バランスを満たすように調節されているので、子犬から成犬、シニアになってからも与え続けられます。

そうなると、「犬種別や年齢別のドッグフードは必要ないのでは・・」と思いますよね。

それでは犬種別や年齢別のドッグフードの特徴について、特に注意が必要な年齢別のドッグフードから詳しく見ていきましょう。

チェックポイント!

愛犬とちがう犬種のドッグフードを与えても問題なし

ワンちゃんは子犬と成犬で必要な栄養バランスがちがうので、子犬用と成犬用は表示を守って与えよう

子犬用と成犬用、シニア用ドッグフードのちがいは?

子犬用と成犬用、シニア用ドッグフードのちがいは?

年齢別のドッグフードは、体に必要な栄養バランスがちがう子犬用と成犬用、そしてシニア用(7歳以上や11歳以上など)があります。

なお1歳以上の成犬に必要な栄養素は、3歳も7歳も11歳も基本的には同じです

ただシニア対応のドッグフードは、体力や筋力の低下をサポートするための栄養成分や高齢のワンちゃんでも消化しやすい工夫などがされています。

それでは子犬用・成犬用・シニア用(高齢・老犬)のドッグフードの特徴を1つずつ見ていきましょう。

子犬の成長期間は、ワンちゃんの体の大きさで変わる

子犬の成長期間は、ワンちゃんの体の大きさで変わる

まず子犬期は、ワンちゃんの体の大きさによって期間にちがいがあります。

チワワなどの超小型~小型犬の子犬期は、生後8ヶ月~12ヶ月まで。ビーグルなどの中型犬は生後12ヶ月(生後1年)までが成長期(子犬期)です。

そしてゴールデンレトリーバーやグレートデンなどの大型~超大型犬は、生後18ヶ月(1年半)~24ヶ月(2年)までは成長途中の子犬とされています。

小型犬は少しの成長で成犬の大きさに到達するのに対して、大型犬は生まれたときの体の大きさから約70~100倍まで成長する必要があるので、小型犬よりも成長期が長い期間必要になるのです。

なお今回のお話のうえでは、中型犬の生後12ヶ月までを子犬期・成長期としてお話します。

子犬用ドッグフードはタンパク質や脂質がたっぷり

子犬用ドッグフードはタンパク質や脂質がたっぷり

子犬は体の機能や筋肉、骨格など全身が未熟・発達途中のため、成犬よりも多くの栄養が必要です。

とくに全身の細胞のもととなるタンパク質は、体重1kgあたり成犬の4倍も必要とされています。

ちなみにドッグフードの栄養基準を定めるAAFCO(米国飼料検査官協会)では、成犬に必要なタンパク質量が18%以上に対して、子犬(幼犬)に必要なタンパク質は22.5%と4.5%も多く設定されています。

このことから子犬用ドッグフードの栄養バランスは、高タンパクの場合がほとんど。ドッグフードに含まれるタンパク質の平均25%前後よりも多く調整されています。

また脂質もしっかり摂取する必要があります。脂質は皮膚から水分が奪われるのをコントロールして皮膚の乾燥を防いだり、キレイな毛並みの維持に欠かせません。

とくに必死脂肪酸と呼ばれる「オメガ6(リノール酸・アラキドン酸)」と「オメガ3(α-リノレン酸・DHA・EPA)」は、健康な被毛・皮膚の維持に重要な成分。

AAFCOでは子犬に対してオメガ6を1.3%以上、オメガ3を0.13%以上の摂取を推奨しています。

さらに全体的な脂質の摂取量も成犬の5.5%以上に対して、子犬は8.5%以上と高めに設定されています。

このほかにも骨や歯の強化に欠かせないカルシウムとリンは、成犬の約6倍も多く必要です。(体重1kgあたり)

そのためAAFCOでも成犬のカルシウムとリンの最低必要量がそれぞれ0.5%以上に対して、子犬はカルシウムが1.2%以上、リンが1.0%以上に設定されています。

ただカルシウムとリンは量も大切ですが、2つの比率も重要。

丈夫な歯や骨の発達には、カルシウムとリンをバランス良く摂取する必要があるので、カルシウムとリンの比率が1:1~2:1になっているものを選びましょう。

また短期間で成犬に成長する小型犬の子犬用のフードは、カルシウムが多く含まれている場合があります。

大型犬の子犬はカルシウムを必要以上に摂取すると、股関節形成不全などの骨格異常を起こす危険性があるので、小型犬の子犬用フードを与える場合はカルシウムの過剰摂取にならないか注意が必要です。

カルシウムの摂取量の上限は1.8%なので、大型犬の子犬はカルシウムが1.8%未満で調整されたドッグフードを選びましょう。

次は、成犬のドッグフードの特徴についてです。

1~7歳は肥満に注意!シニア期の健康は成犬期で決まる!?

1~7歳は肥満に注意!シニア期の健康は成犬期で決まる!?

成犬は成長期を終えた1歳から7歳までの期間のこと。体力・食欲ともに旺盛で、健康面に特に問題がない場合も多いです。

そのため成犬用のドッグフードは、AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準をもとに各メーカーが栄養成分などを独自にプラスして特徴を出しています。

なお健康面でとくに問題がなければ、愛犬の好みに合わせてドッグフードを選んで問題ありません。

ただこの時期の健康状態が、シニア期(高齢・老犬)の健康状態に大きく影響するので、適正体重を維持するように注意すること。

フードに指定されている給与量を目安に、愛犬の体重の変化を確認しながら太らないようにフードの量を調節してあげましょう。

またナトリウム、リン、マグネシウムの摂り過ぎは、心臓病や腎臓病、尿路結石のリスクを高める危険性があります。

愛犬が若くて元気なときは、ナトリウムやリンを過剰摂取してもスムーズに排出されるため問題ありませんが、高齢になると排出がスムーズにいかず病気のリスクを高めてしまうのです。

なお高齢になってから急に食事内容を変更するよりも、若い頃から気を付けるほうが愛犬にも余計なストレスがかかりません。

そのため3歳、5歳、7歳など年齢にあわせてフードを見直すときは、今与えているフードよりナトリウム・リン・マグネシウムが少ないものを徐々に選んでいきましょう。

次はシニア期のドッグフードについてです。

シニア用ドッグフードに変えるタイミングは?

シニア用ドッグフードに変えるタイミングは?

シニア用ドッグフードへの切り替えは、愛犬が7歳(シニア期)になったからといって、すぐに替える必要はありません。

ただ加齢とともに、心臓病や腎臓病のリスクを高めるリンやナトリウムなどを控えるなど、健康管理に注意するのは大切です。

なお成長期の期間が体の大きさでちがったように、シニア期(高齢期)も体の大きさによって変わります。一般的には小型犬~中型犬で7歳以上、大型犬は5歳以上がシニア期とされています。

小型犬・中型犬・大型犬のシニア期

ちなみに現代のワンちゃんの寿命は平均14歳。

7歳からシニア期に入るとしても成長期や成犬期よりも期間が長いため、シニア用ドッグフードは高齢初期の7歳以上、高齢中期の11歳以上、超高齢の14歳以上など、段階を分けて作られているタイプもあります。

またワンちゃんも人と同じで加齢とともに体の機能が衰え、食べ物を消化しにくくなります。そのうえ運動量も減るので肥満になりやすいです。

そのためシニア用フードの多くは、360kcal以下の低カロリーや脂質量が10%前後の低脂肪など、ヘルシーな栄養バランスで作られています。

ほかにも10歳以上の高齢のワンちゃんは心臓病や腎臓病、尿路結石などの発症リスクが高まるため、これらの病気を予防する対策も重要。

とくにナトリウムとリンの過剰摂取は、心臓病や腎臓病の発症や進行を早める危険性があるので、シニア用フードはナトリウムやリンを控えたものも多いです。

それから腸の動きがにぶくなり便秘になりやすいので、腸内環境を整える食物繊維が平均値の3%以上含まれているもの。

傷めやすい関節ケア目的に、抗炎症作用のオメガ3、関節成分のグルコサミン・コンドロイチンが配合されているものもあります。

このようにシニア用ドッグフードは、高齢のワンちゃんの健康を支える工夫がされています。

7歳になったらすぐにシニア用に変更する必要はありませんが、愛犬の体調を見ながら低リンや低ナトリウムなどのフードに切り替えていきましょう。

以上が年齢別ドッグフードの特徴です。つづいて犬種別のドッグフードの特徴を見ていきましょう。

犬種別のドッグフードのちがいは?

犬種別のドッグフードのちがいは?

ワンちゃんは純血種として認められているものが340種類以上あります。そのため全犬種のドッグフードを製造するのは、ほぼ不可能です。

また「総合栄養食」の表示があるフードは、ワンちゃんに必要な栄養がバランス良く調整されているので、愛犬とちがう犬種のフードを与えても問題ありません。

ただ犬種別のドッグフードは、その犬種に多い病気の予防や骨格の特徴にあわせて、栄養成分が工夫されています。

そのため愛犬の体の悩みと犬種別のフードのケアポイントがあっていれば、犬種に関係なく利用するのもおすすめです。

それでは犬種別ドッグフードのケアポイントを見ていきましょう。今回チェックするのは、人気の高い6種(トイプードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンド、柴犬、シーズー、コーギー)です。

トイプードル専用ドッグフードの特徴

トイプードル専用ドッグフードの特徴

ペット飼育数1位のトイプードルは活発な子が多く、クリクリとした毛が特徴。ただトップコート(上毛)と呼ばれる保護毛がないので、皮膚はデリケートです。

また垂れ耳のため耳の中の通気性が悪く外耳炎になりやすかったり、鼻の高さがある割に涙やけにもなりやすい点に注意が必要です。

そのためトイプードル専用のドッグフードは、犬が消化しにくい穀物の使用を控えた、低アレルゲンのフードであることが多いです。

ほかにも、スムーズに消化できるように腸内環境を整える食物繊維やオリゴ糖、ビートパルプ、乳酸菌などが配合されているものもあります。

※ドッグフードに使用されるビートパルプは良い?悪い?

なお、トイプードルはひざのお皿から関節がずれる「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」を起こしやすい犬種。

そのため関節ケアに有効なオメガ3(EPA・DHA)やグルコサミン・コンドロイチンが配合されていると、なお良しです。

チワワ専用ドッグフードの特徴

チワワ専用ドッグフードの特徴

チワワは世界で公認されている犬の中で最も小さな犬種で、成犬でも1~2kgの超軽量・超小型のワンちゃんもたくさんいます。

そのため、チワワ専用のドッグフードは小さな体を丈夫に保つことが重視されています。

ポイントは骨の強化と関節の健康維持。華奢な骨格を丈夫に保つために、骨の強化に必要なカルシウムとリンが豊富に含まれています。

また軟骨成分のグルコサミン・コンドロイチンや、関節痛の緩和に効果的なオメガ3(EPA・DHA)が配合されているものも多く、チワワの細い手足の関節の健康を守ります。

ほかにもチワワは口が小さいので、他の犬種のフードよりも粒が小さく、厚みも薄く作られているものが多いです。

ミニチュア・ダックスフンド専用ドッグフードの特徴

ミニチュア・ダックスフンド専用ドッグフードの特徴

ミニチュア・ダックスフンドは胴長短足なので、腰に負担がかかりやすくなっています。そのためヘルニアを引き起こさないように注意が必要です。

また食欲旺盛の犬種のため、遺伝的に太りやすい傾向があります。肥満になると腰への負担がより大きくなるため、肥満予防も欠かせません。

そこでミニチュア・ダックスフンド専用のドッグフードは、腰の負担のケアと肥満予防に特化されています。

まず負担がかかる腰の健康維持のために、関節成分のグルコサミン・コンドロイチンがよく配合されています。

また肥満予防にはトウモロコシや小麦、お米などの穀物を使用。

穀物に豊富に含まれている食物繊維は、フードのカサを増やす効果がある反面、体に吸収されないため摂取カロリーを抑える効果があります。そのため体重管理・減量用フードの多くは穀物が使用されています。

そのほかにも肥満の原因になる脂質の摂取を抑えるため、一般的なドッグフードの平均値である14%よりも脂質が少ないものもあります。

柴犬専用ドッグフードの特徴

柴犬専用ドッグフードの特徴

日本犬の中でも人気の高い柴犬は、短毛でデリケートな皮膚の持ち主。皮膚炎を起こしやすいので、柴犬専用のドッグフードは皮膚の健康維持に必要な栄養がプラスされていることが多いです。

とくに皮膚の健康に欠かせないのが、必須脂肪酸と呼ばれるオメガ6とオメガ3。不足すると皮膚炎や脱毛などの原因になるので、食事からしっかり摂取しなければいけません。

なお、オメガ6は鶏油や菜種油、オメガ3は魚の油や亜麻仁油などに豊富に含まれています。

また肥満予防として、食物繊維の多い穀物(トウモロコシ・小麦・お米)が使用されている場合もあります。

シーズー専用ドッグフードの特徴

シーズー専用ドッグフードの特徴

シーズーはクリクリとした大きな目が特徴のため、目の健康維持に必要なアントシアニンやビタミンAなどが多く含まれています。

ブルーベリーの主成分であるアントシアニンは網膜の血管や視神経を保護する作用があり、ビタミンAは正常な視覚の維持に欠かせない栄養素です。

またフワフワの毛並みの維持・皮膚炎の予防のために、皮膚の健康に必要なオメガ6(リノール酸)やオメガ3(EPA・DHA)が多く含まれている場合もあります。

コーギー専用ドッグフードの特徴

コーギー専用ドッグフードの特徴

コーギーは胴長短足の腰に負担がかかりやすい体型。また太りやすい傾向があり、腰への負担を増やしてヘルニアを引き起こす場合もあるので注意が必要です。

そのためコーギー専用のドッグフードは、低脂肪低カロリータイプが中心です。一般的な脂質量が14%前後に対して、コーギー専用のフードは脂質が10%ほど。

また平均カロリーが370kcal前後に対して、コーギー専用の場合は340kcal程度とヘルシーな栄養バランスで作られています。

負担のかかる腰へのサポートとして、関節成分のグルコサミン・コンドロイチン、関節痛の緩和に効果的なオメガ3(EPA・DHA)が高配合されています。

以上が、主な犬種別ドッグフードの特徴です。

犬種別ドッグフードは、犬種の骨格や体質にあわせて栄養バランスが調整されています。

まとめ

ドッグフードは子犬用と成犬用にさえ注意すれば、基本的には年齢別・犬種別のドッグフードはどれを与えても問題ありません。

犬種や年齢に関係なく、大事なのは目の前の愛犬の状態です。

なお年齢別・犬種別のドッグフードは子犬や成犬、シニアなど、それぞれの時期に必要な栄養や、体格に合わせた病気予防などの工夫がされているので、愛犬の状態と似たものがあればうまく利用しましょう。

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