【ペットフード販売士が徹底調査】いぬのしあわせの良い点・悪い点がひと目で分かる!成分・材料・本当の評価は?

【ペットフード販売士が徹底調査】いぬのしあわせの良い点・悪い点がひと目で分かる!成分・材料・本当の評価は?

「いぬのしあわせ」は、日本の大手ペットフードメーカー【日清ペットフード】が手がけるドッグフード。

「ワンちゃんにも食の安全を」をテーマに、安全性や健康面、おいしさにこだわって作られたドッグフードは、本当に愛犬をしあわせにするのでしょうか・・?

そこで今回は、「いぬのしあわせ(小粒・1歳から)ドッグフード」の安全性と栄養バランスをチェックしましょう。

【 総合評価 】

総合評価2点

2 点

→ ドッグフードの選び方・基準」をさらに詳しく見る

いぬのしあわせドッグフードの評価結果

●ドッグフードの評価結果について・・
犬のごはん塾では、ドッグフードの評価基準として「安全性」と「栄養バランス」を中心に評価しています。

【安全性の評価結果】では、愛犬が毎日安心して食べられるかをチェックし、【栄養バランスの評価結果】では、愛犬に必要な栄養がバランス良く含まれているか分析しています。

それでは、いぬのしあわせドッグフードの「安全性」と「栄養バランス」をチェックしましょう。

いぬのしあわせドッグフードの安全性

チェック項目評価
人工添加物不使用
原料の品質×不明
4Dミート×不明
副産物×使用
主原料穀類
安全性の評価結果
  • 着色料、香料不使用
  • ヒューマングレードなどの品質表示がない
  • 粗悪な副産物(ミートミールなど)使用

→ 『いぬのしあわせの安全性』を詳しく見る

いぬのしあわせドッグフードの栄養バランスの評価結果

いぬのしあわせドッグフードの栄養バランスの評価結果※ベストな数値は健康な成犬の目安です

栄養素 レベル
カロリー やや低い
タンパク質 標準
脂 質 標準
粗繊維 やや高い
ミネラル 他 標準
栄養面の評価結果
  • 肉・魚由来の「良質なタンパク質」が少ない
  • 繊維の量が多い
  • 関節成分のグルコサミン配合

→ 『いぬのしあわせの栄養バランス』を詳しく見る

チェックポイント!

着色料や保存料が使用されていない点は評価できますが、原材料にどんな品質の食材が使用されているかは不明・・

また、家畜のひづめや羽などが含まれた粗悪な副産物が使用されている点も気になります

さらに詳しい内容について、ドッグフードの安全性から見ていきましょう。

いぬのしあわせドッグフードの安全性の評価結果

いぬのしあわせドッグフードの安全性

チェック項目評価
人工添加物不使用
原料の品質×不明
4Dミート×不明
副産物×使用
主原料穀類

『安全性の基準』はこちら

添加物

◎ 無添加、自然由来の酸化防止剤のみ
△ 添加物を使用(要注意の添加物以外)
× 要注意の添加物を使用

原料の品質

◎ ヒューマングレード(人が食べられる品質)の表示あり
△ ヒューマングレードの表示なし(副産物不使用)
× ヒューマングレードの表示なし(副産物使用)

4Dミート(病気や死んだ家畜の肉)

◎ 不使用の表示あり(ヒューマングレード)
○ 不使用の表示なし(副産物不使用)
× 不使用の表示なし(副産物使用)

副産物(○○エキス・○○ミール)

◎ 不使用(ヒューマングレードの表示あり)
△ 使用(使用した家畜の種類や部位が確認できる)
× 使用(使用した家畜の種類や部位が不明)

主原料

◎ 肉か魚が50%以上、又は第1と第2原料が肉か魚
○ 第1原料が肉か魚で、第2原料は穀物
△ 第1原料が穀物(トウモロコシ、小麦、米)

いぬのしあわせドッグフードの安全性は?

いぬのしあわせは、安全性を判断する5つのポイント(添加物・品質・4Dミート・副産物・主原料)のうち、添加物以外の4点が最低評価です。

それぞれの注意点を見ていきましょう。

●添加物

いぬのしあわせは1kg約500円の安価なフードには珍しく、着色料や香料、保存料などの人工添加物は使用されていません。

一般的に、安価なフードにはアレルギーやがんに悪影響を与える、酸化防止剤のBHAやBHT、着色料の赤102・黄5など、危険性のある添加物が使用されているケースがほとんどです。

しかし、「いぬのしあわせ」の原材料には、天然成分の「ローズマリー抽出物」が酸化防止剤に使用されているだけ。

いぬのしあわせに使用されている添加物

・ローズマリー抽出物

天然成分のローズマリー抽出物は、人工添加物の酸化防止剤(BHA・BHT)よりフードの酸化を抑える効力は低いですが、体への影響力が小さいので愛犬が摂取しても問題ありません。

チェックポイント!

1kg約500円の安価なフードには珍しく、着色料や保存料、発色剤などの人工添加物は一切使用されていません

●原材料の品質(4Dミート・副産物)

「いぬのしあわせ」に使用される原材料は、人間用の食品と同じように残留農薬や微生物、重金属などの検査がおこなわれています。

公式サイトには【「安心・安全」のつくり方】としてドッグフードの開発から原材料の調達、生産などの一連の流れが紹介されています。

ただし、ドッグフードの安全性で肝心な「原材料の品質」に関しては、何も語られていません。

検査内容は食品と同じでも、検査する原材料の品質が「ヒューマングレード」でなければ、4Dミート(病気・死亡した家畜)や副産物(家畜の羽やひづめの再利用品)が使用されている可能性があります。

そのため、「いぬのしあわせ」に使用されている「ミートミール」「チキンミール」「動物油脂」などは、4Dミートが原料の粗悪な副産物が使用されている恐れがあります。

チェックポイント!

「いぬのしあわせ」は、ヒューマングレードなどの品質基準が表示されていません!
原材料の安全性に不安が残ります・・

●主原料

いぬのしあわせは、主原料に5つの穀類(小麦粉、ホミニーフィード、とうもろこし、コーングルテンミール、脱脂米糠)が使用されています。

●ホミニーフィードとは?
とうもろこしを挽いて作られるコーングリッツの製造時に発生する副産物。
とうもろこしの胚芽・皮・デンプンの混合物です。

穀物がメインに使用されていますが、犬は肉食中心のオオカミ(犬の祖先)の名残りから穀物を消化するのが苦手。肉や魚のほうがスムーズに消化できます。

なお、ドッグフードに使用される穀類は、製造過程で犬の体内でも消化しやすい状態(アルファ化)に変わっているため、多少摂取する分には問題ありません。

ただ、アレルギーの原因になりやすい小麦粉の配合率が高いことから、小麦アレルギーのリスクが心配です。

チェックポイント!

主原料に小麦粉やトウモロコシなどの6種類の穀類が使用されています
犬に多い「小麦アレルギー」への影響が心配です・・

対応年齢や酸化防止対策、価格について

対応年齢・酸化防止対策など

フードの対応年齢1歳から
酸化防止剤ローズマリー抽出物
穀物小麦粉
原産国日本
価格(1袋/1.3kg)658円(税込)
内容量の種類1.3kg・2.6kg
購入方法公式サイト

※Amazon参考価格

フードの酸化に配慮した小分けパック

いぬのしあわせは「小粒・1歳から」のほかに、中粒・7歳用・11歳用・低脂肪のタイプなど種類が豊富です。

また1袋の中に魚やハート、H型など、小粒タイプは4種類、中粒タイプは3種類のさまざまな形のフードが入っています。

さらに、フードの酸化に配慮した「少量の小分けパック」なので、食べる量の少ない小型犬にも新鮮なフードを与え続けられます。

ただし、小分け包装なのでドッグフードの外袋と小分け袋の両方とも保存チャックは付いていません。

小分け袋を開封したら、フードの酸化を防止するためにしっかり口を閉じて保存しましょう。

いぬのしあわせドッグフードの原材料

いぬのしあわせ「小粒・中粒」シリーズは、2018年9月3日にリニューアルされました。

リニューアルで追加・削除された材料を水色、そのほかに危険な材料を赤色、良い材料を緑色でチェックしています。

原材料(リニューアル前)

穀類(小麦粉、ホミニーフィード、とうもろこし、コーングルテンミール、脱脂米糠)、肉類(ミートミール、チキンミール、チキンレバーパウダー)、油脂類(動物性油脂、フィッシュオイル、米胚芽油)、大豆ミール、アルファルファ、乳類(ミルクパウダー、チーズパウダー)、魚介類(フィッシュミール、魚肉抽出物)、ビートパルプ、野菜類(パプリカ、キャベツパウダー、にんじんパウダー、ほうれん草パウダー、かぼちゃパウダー)、オリゴ糖、クロレラ、卵黄粉末、β-グルカン、グルコサミン、クローブ、バジル、ローズマリー、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、塩素、銅、亜鉛、ヨウ素)、ビタミン類(A、D、E、B2、B12、パントテン酸、コリン)、香料、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)

●2018年9月3日 リニューアル

原材料(リニューアル後)

穀類(小麦粉、ホミニーフィード、とうもろこし、コーングルテンミール、脱脂米糠)、肉類(ミートミール、チキンミール、チキンレバーパウダー)、油脂類(動物性油脂、フィッシュオイル(DHA・アラキドン酸含有)、米胚芽油)、大豆ミール、アルファルファ、魚介類(フィッシュミール、魚肉抽出物)、ビートパルプ、野菜類(パプリカ、キャベツパウダー、にんじんパウダー、ほうれん草パウダー、かぼちゃパウダー)、オリゴ糖、乳類(チーズパウダー、ミルクパウダー)、クロレラ、β-グルカン、グルコサミン、クローブ、バジル、ローズマリー、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、塩素、銅、亜鉛、ヨウ素)、ビタミン類(A、D、E、B2、B12、パントテン酸、コリン)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)

●リニューアル後は香料不使用!
リニューアルといっても、原材料に大きなちがいはありませんでした。

ただ、リニューアル前は使用されていた香料が、リニューアル後は不使用になっている点は評価できます。

そのため、現在のフードの香りは人工的に加えたものではなく、素材由来のものです。

もう1点、リニューアルで使用されなくなったのが卵黄粉末。

卵は「完全栄養食」といわれるほど、栄養豊富な食材。その卵が使用されなくなったのは残念です・・。

原材料で気になること

その他にも、気になる原材料をチェックしましょう。

●ミートミール・チキンミールの原料は4Dミート?
「ミートミール」「チキンミール」「動物油脂」などは、食用に利用できない家畜の端切れ肉や内臓、骨、血液、羽、ひづめなどを丸ごと加熱処理した「副産物」です。

なお、内臓や骨にも栄養が含まれているので、使用すること自体は問題ありません。

ただ、「ヒューマングレード(人間基準)」の表示がないフードは、副産物の原料に4Dミート(病気・死亡家畜)が使用されている場合があります。

「いぬのしあわせ」はヒューマングレードの表示がないため、4Dミートから作られた副産物が使用されている可能性があります。

●ビートパルプの役割は?
ビートパルプは、砂糖の原料ビート(テンサイ・サトウダイコン)の絞りカスです。食物繊維が豊富なため、腸内環境の改善目的に使用されます。

なお、ビートパルプは残留薬剤の不安がありますが、「いぬのしあわせ」は残留農薬検査がおこなわれているので、その心配はありません。

しかし、原材料には食物繊維が豊富に含まれる穀物や野菜が使用されているので、わざわざビートパルプを使用する必要があるのか・・疑問です。

つづいて、栄養バランスについて見ていきましょう。

いぬのしあわせドッグフードの栄養バランスは?

いぬのしあわせ(小粒・1歳から)のパッケージには、下記の成分表が表示されています。

いぬのしあわせの栄養成分

タンパク質:22.0%以上

脂質:11.0%以上

粗繊維:5.0%以下

灰分:8.0%以下

水分:10.0%以下

代謝エネルギー:345kcal/100g

犬のごはん塾では上記の成分表は使わず、フードに含まれる水分を差し引いた乾燥重量で栄養バランスをチェックします。

なぜならフードに含まれる水分量は製品ごとにちがうため、水分を抜いた乾燥重量で栄養バランスを確認するほうが、他のドッグフードとのちがいが分かりやすくなるからです。

ちなみに乾燥重量はパッケージに記載されている成分表をもとに、下記の計算式で割り出します。

乾燥重量の求め方

乾燥重量=栄養素の値÷(100-フードの水分量)×100

いぬのしあわせ(小粒・1歳から)の乾燥重量の値を見てみましょう。

いぬのしあわせドッグフードの乾燥重量の成分値

  • 粗タンパク質:24.4%
  • 脂質:12.2%
  • 粗繊維:5.6%

上記の値を「犬のごはん塾が示す栄養バランスの基準」にそって評価すると、下記のような評価結果となります。

いぬのしあわせドッグフードの栄養バランスの評価結果

いぬのしあわせドッグフードの栄養バランスの評価結果※ベストな数値は健康な成犬の目安です

栄養素 レベル
カロリー やや低い
タンパク質 標準
脂 質 標準
粗繊維 やや高い
ミネラル 他 標準

『栄養バランスの基準』はこちら

カロリー(100gあたり)

低い
340kcal未満
やや低い
340~360kcal未満
標準
360~380 kcal未満
やや高い
380~400kcal未満
高い
400kcal以上

タンパク質

低い
22%未満
やや低い
22~24%未満
標準
24~27%未満
やや高い
27~29%未満
高い
29%以上

脂質

低い
10%未満
やや低い
10~12%未満
標準
12~15%未満
やや高い
15~17%未満
高い
17%以上

カルシウム

低い
0.7%未満
やや低い
0.7~1.0%未満
標準
1.0~1.8%以内
やや高い
1.8~2.2%未満
高い
2.2%以上

リン

低い
0.8%未満
やや低い
0.8~1.0%未満
標準
1.0~1.6%以内
やや高い
1.6~1.8%未満
高い
1.8%以上

カルシウム:リン比

適正値
1:1~2:1

粗繊維

低い
1.5%未満
やや低い
1.5~3%未満
標準
3~4.5%未満
やや高い
4.5~6%未満
高い
6%以上

ナトリウム

低い
0.1%未満
やや低い
0.1~0.3%未満
標準
0.3~0.5%未満
やや高い
0.5~0.7%未満
高い
0.7%以上

マグネシウム

低い
0.06%未満
標準
0.06~0.11%未満
高い
0.11%以上
栄養面の評価結果
  • 肉・魚由来の「良質なタンパク質」が少ない
  • 繊維の量が多い
  • 関節成分のグルコサミン配合

栄養面のポイントを詳しく見ていきましょう。

動物性タンパク質が少ない

ドッグフードの栄養面で重要なのが、筋肉や内臓、毛などの全身の細胞のもととなる「タンパク質」です。

とくに動物性タンパク質には、犬の体に欠かせない10種の「必須アミノ酸」がバランス良く含まれています。

そのため、ドッグフードは肉や魚がメインのものがおすすめです。

しかし、「いぬのしあわせ」の主原料は、5つの穀類(小麦粉、ホミニーフィード、とうもろこし、コーングルテンミール、脱脂米糠)。

また、原材料に使用されている動物性原料は、消化が悪く栄養を十分に吸収できない副産物(ミートミール・チキンミール)ばかりです。

これらの食材から、かき集めるように必須アミノ酸を数種類ずつは補えますが、必須アミノ酸が10種類含まれる「良質なタンパク質」はほとんどありません。

繊維の量が多い

食物繊維が豊富に含まれる穀類やビートパルプ、野菜が使用されているので、フードの繊維量が5.0%(乾燥重量で5.6%)と、配合率が高めです。

ちなみに、市販のドッグフードに含まれる繊維の平均値は3~4.5%。

食物繊維はうんちのカサを増やしたり腸に刺激を与えて、便秘を予防・改善する効果があります。

ただ、摂り過ぎると下痢や便秘を引き起こすことも・・。

「いぬのしあわせ」は繊維量が多めなので、お腹の弱い愛犬は注意しましょう。

まとめ

「いぬのしあわせ」は、安価なフードによく使用されているBHAやBHT、ソルビン酸カリウム、赤102などの人工添加物は使用されていません。

酸化防止剤には、天然成分のローズマリー抽出物が使用されている点は高評価です。

ただ、原材料の品質が不明だったり粗悪な副産物が使用されているなど、愛犬に与えるには不安な点が目立ちます・・。

愛犬にはヒューマングレードの安全面に不安のないドッグフードを選んであげましょう。

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